頼れる「かかりつけ医」の見つけ方・作り方 選んではいけない医師5つの特徴
身近で頼れる医師、かかりつけ医はいるだろうか? 普段からかかりつけ医を持っておくことが、いざというときにすぐに医療機関と繋がれる近道だ。そもそもかかりつけ医とは?どうやって見つけるの?…専門家に聞いた。
かかりつけ医の定義とは?
日本医師会によると、健康に関することを何でも相談でき、必要な時は専門の医療機関を紹介してくれる身近にいて頼りになる医師のことを、かかりつけ医と呼ぶ。
一口に“かかりつけ医”といっても、日本にはいま、32万人以上もの医師がいる。膨大な人数の中から自分にぴったりの医師を見つけるにはどうしたらいいのか。医師で新潟大学名誉教授の岡田正彦さんは「まずは“かかりつけ医にしてはいけない”医師の特徴を知るべき」と指摘する。
かかりつけ医にしてはいけないNG医師の特徴5
「自分本意で患者を顧みないような医師をかかりつけ医にすると、かえって健康に差し障ります」
チェックポイントとして岡田さんがいちばんに挙げるのは、「すぐに検査したがる」ことだ。
1.すぐに検査したがる医師
「病気の診断の第一歩は患者の話を聞き、顔色を見たり聴診器を当てたりして、じっくり調子を観察することです。すぐに“レントゲンを撮りましょう”“胃カメラをやりましょう”などと言う医師は、自分本位で患者のことを考えていないといえる」(岡田さん)
2.視線を合わせない医師
親身になってくれる医師かどうかは、その“目線”でも判断できる。医療ジャーナリストの増田美加さんが言う。
「最近は電子カルテが増えたため、医師が入力のためにパソコンの画面に向かって座っていることも多い。患者が症状を説明しているのに、パソコン画面とにらめっこしてキーボードを打ち続けて視線を合わせない医師もいる。そんなときは、一度“○○先生”と名前を呼びかけて、こちらを見て話を聞いて、質問にちゃんと答えてくれる医師ならOK。
逆に、目を合わせて話を聞いてくれず、医師からの説明も理解できないようであれば、かかりつけ医として長いおつきあいをするのは難しいかもしれませんね」
3.悪口を言う医師
たとえコミュニケーションが取れていたとしても、会話の内容に“悪口”が交じる場合は、注意が必要だ。
「患者が前に診てもらっていた病院や近所の病院などについて“そんな治療を受けていたら治らない”、“あそこは評判が悪い”などと口に出す医師の話を患者からよく聞きます。他院の悪口を言う医師は、患者のことも陰で悪く言っているかもしれません」(岡田さん)
そんな医師と信頼関係を築くのは無理というものだ。薬の扱いにも医師の力量が表れる。
4.薬の処方が多い・ずっと同じの医師
「風邪をひいただけで5種類以上もの薬を出すような医師も注意すべき。基本的には、多くとも3種類くらいあれば充分です。特に注意が必要なのは抗生物質。発熱や風邪などで抗生物質を多用してしまうと、いざ感染症など重い病気にかかったときに服用しても効かなくなる恐れがあります」(岡田さん)
他方、出す薬が“ずっと同じ”というのも問題だ。内科医で『かかりつけ医は選ぶ時代』(北國新聞社)の著書のある土山智也さんが言う。
「毎回、“変わりありませんか?”と聞くだけで、検査もせずに同じ薬を出し続ける医師は、患者をちゃんと診ているのか疑問です。患者が薬を変えてみたいと言っても“これで様子を見ましょう”と繰り返すだけなら、真剣に向き合っていない証拠。セカンドオピニオンを考えた方がいいでしょう」(土山さん)
5.診療科目が多すぎる医師
医師のふるまいと並行してチェックしたいのが、病院のたたずまいだ。
まず着目すべきなのが、病院の看板に書かれている診察科目の数。医師は医師免許さえ持っていれば、麻酔科を除けば好きな科目を掲げることができる。なるべく多くの不調や病気に対応してもらうためには、多くの科目を掲げる医師を選ぶべきかと思いきや、岡田さんは
「掲げる科目が多すぎる医師は信頼できない」と断言する。
「医師が1人しかいないのに、内科や小児科、消化器科、泌尿器科、皮膚科など、いくつもの診察科目をずらりと並べている医院は信頼に欠けます。法律違反ではありませんが、患者を集めるために経験も、充分な知識もない科目を掲げている可能性もあり、そうした医師にかかるのは非常に危険です」(岡田さん)
かかりつけ医の院内でチェックすべき2つのポイント
院内でチェックすべきは玄関とトイレだ。
「どんなに豪華な待合室でも、最新機器がそろっていても、これだけウイルス対策が叫ばれるいま、除菌システムも導入しないまま靴を脱いでスリッパに履き替えさせる病院は意識が低い。トイレのハンドドライヤーをいまだに使っているところは特に心配です」(岡田さん)