猫が母になつきません 第220話「やくどし」
61歳は男性も女性も厄年だとするところもあるようですが、そうだったとしても母の厄年はとっくのとうに終わっています。最近は自分の歳も間違えていることの方が多いし、いまだに令和の実感なく平成の中で暮らしています。「厄年かしら」というほど悪いことがあったとも思えないのですが、物盗られ妄想はずっと続いているので母の頭の中では災難としていろいろ積み重なっているのかもしれません(泣)。厄年はもう来ないというと、それはそれで不満そうな母。もしかしたら還暦とか古希とかの長寿祝いとごっちゃになっているのかなと思ったり。そういえば、うちでは長寿祝いを一度もやったことがありません。母の誕生日が1月2日なので基本的にめでたい雰囲気の中でなんとなく過ごしてしまい、わざわざ祝うということをしてきませんでした。次にくるのは88歳の米寿。まだ先ですが、そのとき母も私も猫も元気でいたら、みなで大宴会しましょうか。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。