使い捨てマスク、正しく洗えば10回使えることも|プロが教えるマスクの洗い方
新型コロナウイルスの予防や拡大を防ぐためのマスクだが、依然として品薄が続く。アベノマスクはそろそろ届いただろうか。みんなはマスクの予備はある? マスク不足にどう対処している? マスクに関する読者アンケートと共に、手元にあるマスクを少しでも長持ちさせるための正しい洗い方を専門家に聞いた。
マスクの予備はある? マスク不足どうしてる?
女性セブン読者へのアンケート※によると、マスクの予備を充分に持っていると答えた人は、52.5%と約半数。残りの47.5%の人はマスク不足という結果が判明した。
使い捨てマスクを再利用している人が圧倒的
マスクの予備を充分に持っていない人たちに、マスク不足にどう対応しているのか聞いたことろ、
「一度使った使い捨てマスクを、洗うなどして再利用している」と答えた人が圧倒的だった。しかし、専門家によると、洗い方が間違っている人も多いという。
※女性セブン2020年15号マスクに関するアンケートより(n=1505)
使い捨てマスクも手入れ次第で長持ち
「アベノマスク」が各家庭に届き始めた。しかし、聞こえてくるのは「サイズが小さく顔を覆いきれない」「髪の毛やほこりが付着していた」など、不満の声ばかりだ。
品薄状態が続いてマスクがなかなか手に入らない現状では貴重なもの。いま、われわれが考えるべきは手元にあるマスクをできるだけ長持ちさせる方法だ。
「布マスクも使い捨てマスクも、手入れ次第で寿命が格段に違ってきます。使い捨てマスクは本来、1度使ったら捨てるもの。しかし、布マスクと比べて繊維の隙間が小さく、フィルター能力が高いため、この非常事態においては、捨て時を慎重に見極めましょう」
と、KISHI CLINIC FEMINA院長の岸郁子さんは語る。
外出時など、長時間にわたって着用すれば、マスクの表面にウイルスがついていると考えた方がよい。
しかし、正しく洗えば、使い捨てマスクも繰り返し使えるという。
「洗うことで表面加工などの性能は落ちますが、それでも飛沫が飛び散るのをブロックできるなど、メリットの方が大きい。正しく手入れをすれば、何度か使えると思います」(岸さん)
アベノマスクが縮むのは当たり前
すでに使い捨てマスクを洗って使っている人もいるが、洗い方が間違っているケースも多いと専門家は指摘する。
「“アベノマスクが縮んだ”という声がありますが、あのマスクはガーゼ生地なので、洗濯機で洗ったら縮むのは当たり前。
本来は手洗いです。殺菌のために使い捨てマスクを煮沸したり、アイロンをかけたりするのも、繊維を傷める。
正しい洗い方と少しの工夫で、新品のような状態をキープできます」
そう話すのは、クリーニングのプロ、ファッションケアー明和の小池正樹さん。紹介してくれたのは、布マスクにも使い捨てマスクにも活用できる洗い方だ。
丁寧に扱えば使い捨てでも10回使える
丁寧に扱えば、使い捨てマスクでも10回使えるという。
「使うのは食器用洗剤と酸素系漂白剤など、どのドラッグストアでも買える身近なアイテムだけ。経済産業省の発表によると、食器用洗剤に含まれる界面活性剤は新型コロナウイルスを不活性化させる可能性があり、いままさに有効性が検証されています」(小池さん)
詳しい手順は下記の手順を参考にしてほしい。
厚労省登録検査機関の調査によると、小池さんの洗濯法でマスク表面の細菌を10分の1以下にまで減らすことができたという。
「ただし、劣化のスピードには注意。洗ううちにマスクが顔にきちんとフィットしなかったり、耳にかけるゴムが伸びていたり、鼻の針金がしっかり曲がらなくなったら捨て時です。
ほかにも、生地が薄くなったり穴があいたら、すぐに捨ててください」(岸さん)
まだまだ入手困難で貴重なマスク。正しく洗って、感染防止に役立てたい。