高齢者におすすめのコンビニ食品|嗜好品より食材メインに、たんぱく質を意識して
たんぱく質と消化にいいものを意識した買い物を
“外出自粛”が求められる中、食料や日用品の調達は許される外出とされている。そんな中、身近にあって、大型スーパーのように人が密集することも少ないコンビニは、高齢者にとっても便利な存在のはず。そこで、コンビニで購入できる高齢者にもおすすめの食品をチェックしよう。
美容や健康の知識に富んだ専門家に、親世代にすすめたいコンビニフードを教えてもらうこの企画。今回は、抗加齢医学にも精通する形成美容外科医の松宮詩依さんが答えてくれた。
「日常用品や調理が必要ない食品がいつでも手に入るコンビニはひとり暮らしの高齢者の方にとって必須の存在だと思います。スナックや砂糖が入った飲料などは避け、高齢者に不足しがちなたんぱく食品や、脱水を防ぐための水分が補えるお水など、嗜好品よりも素材を活かした食品が良いかと思います。具体的には、大豆製品や卵などの高たんぱくのものを選び、揚げ物はできるだけ避けたいですね。時間が経った揚げ物は油が酸化しているので。可能ならなるべく添加物の少ないオーガニックの食材を選んでもらいたいです。また、年齢とともに胃酸の分泌が下がるので、スープなど、消化に良いものを食べるよう心がけてください」(松宮さん・以下同)
『枝豆(沖縄の塩シママース使用)』(セブンイレブン)
●たんぱく質の不足を補うための間食に最適
セブンイレブンにある、三角の形状の袋が特徴的な「お手軽おつまみシリーズ」は、容器を開封せずそのまま電子レンジで温めることができ、簡単で便利なおつまみとして人気。枝豆は冷たいままでもおいしく、高たんぱくで糖質や脂肪は控えめ。1袋125g入りで、99kcal。
「沖縄の塩シママースを使っているなど、素材にこだわっていて余分な添加物も使われていないのがいいですね。枝豆には、若返り物質『NMN』が含まれているという点も、高齢者の方におすすめしたい理由のひとつです」
『TEA PROTEIN ストロベリー』(FLUX CONDITIONINGS)
●人気スポーツクラブが考案したプロテイン
代官山にある人気スポーツクラブ「FLUX CONDITIONINGS」がプロデュースしたティープロテイン。着色料、保存料、人工甘味料、香料不使用。1食分の粉末が入っていて、水に溶かして飲む。プロテインというと運動する人向けのイメージだが、運動習慣のない人にとっても栄養補助としておすすめ。ナチュラルローソンで購入できる。
「植物性ではなく、ホエイプロテインですが、グラスフェッド牛乳(ストレスのない放し飼いで良質の草を食べて育った牛のミルク)を使用したオーガニック志向なプロテイン。味もストロベリーの他に抹茶やウコンもあり、どれも天然の素材を使用していてたんぱく質の吸収を上げるような工夫もされています。あまり1度に多くの量を食べられない、高齢者の方でも少量でしっかりたんぱく質補給ができるので、おすすめです」
『味付き半熟ゆでたまご1個入』(セブンイレブン)
●必須アミノ酸もバランスよく摂れる
うま味、コク、後味の良さにこだわり、飼料にハーブ類を配合した鶏の卵を使用。卵そのもののおいしさを引き出すため、『伯方の塩』でほどよい塩加減に仕上げてある。1個65kcal。たんぱく質は5.8g含む。必須アミノ酸のバランスを調べた「アミノ酸スコア」というスコアが100に近いほど良質のたんぱく質だといわれているが、卵はアミノ酸スコアが100の食品。消化吸収も抜群だ。
「手軽にたんぱく質を補給できるゆで卵は高齢者に限らず、おすすめしたい1品。ゆで卵を上手に作るのは、けっこう難しいので、コンビニのゆで卵はとても便利です」
『紀州産南高梅うす塩味』(セブンイレブン)
●疲労回復にもってこい
和歌山県産紀州南高梅を使った梅干しです。塩分7%のうす味で、口当たりがまろやか。80g入りで、可食部50g当たり33kcal。梅は疲労回復などに有効なクエン酸、リンゴ酸など、有機酸の多いのが特徴。たんぱく質やビタミン、カルシウム、カリウム、リン、鉄などのミネラルも豊富な優秀食品といえる。
「クエン酸にて胃酸分泌を促進するので、食べるタイミングとしては、食事の前に食べるのがベストです。その他、血流を改善する効果も期待できるので、冷蔵庫に常備しておくといいですね」
形成美容外科医:松宮詩依さん
アンチエイジング専門医。形成外科・リハビリテーション科・抗加齢医学科の3つの専門医および分子栄養医学認定医の資格を持ち多角的にアンチエイジング医療を行っている。8歳から続けているジャズダンスとバレエの加え、現在はエアリアルシルクのパフォーマーとしてショーにも出演。またピラティスのインストラクターを4種保有し、リハビリテーション科ならではの視点で筋肉構造の理論と自らパフォーマンスを体現することで筋肉を活用したアンチエイジングに注力している。
撮影/黒石あみ 取材・文/竹腰奈生