高齢者におすすめのコンビニ食品|管理栄養士がすすめる惣菜・お弁当とは?
コンビニ食品を利用して無理せずバランスのとれた食事に
ひとり暮らしや夫婦で暮らしている高齢者にとって、毎食の自炊は手間と時間がかかるだけじゃなく、材料を使い切れなかったりして、効率があまりよくない点も。そこで便利なのがコンビニ食品。最近のコンビニには、健康に配慮したバランスのいい惣菜やお弁当が充実している。
美容や健康の知識に富んだ専門家に、親世代にすすめたいコンビニフードを教えてもらうこの企画。今回は、普段から食の調査や情報収集の目的でコンビニを利用するという管理栄養士の岡田明子さんが答えてくれた。最近のコンビニは、野菜や1人分の惣菜や生活用品も揃っているので、高齢者にも利点が多いという。
「高齢者にコンビニで食品を買う際にすすめたいのは、たんぱく質が摂れ、魚料理など、家では調理するのが面倒なメニュー。バランスがとれている弁当類などもおすすめです。高齢になると、嚙む力も弱まり、柔らかくて食べやすい炭水化物に偏りがち。さらには1~2人という少人数分の調理は手間なので、栄養バランスが崩れてしまうことも多いかと思います。近くのコンビニを利用して、たんぱく質を中心に、栄養バランスの整った食品を手軽に取り入れましょう」(岡田さん・以下同)
『鶏団子と湯葉の和風スープ』(ナチュラルローソン)
●軟骨入り肉団子でカルシウムも摂れる
たんぱく質と野菜を手軽に摂ることができる和風スープ。軟骨と野菜が入った食感も楽しめる鶏団子を2個盛り付け、スープはかつお・昆布ベースの優しい味わい。1食83kcal。
「高齢者の方でも食べきれるサイズ。野菜入りの鶏団子も食べやすく、この1杯で湯葉や鶏肉のたんぱく質も野菜の栄養もしっかり摂れるのが利点。鶏団子には軟骨も入っているので、カルシウムもばっちりです」
『もち麦ひじきご飯と豆腐ハンバーグのお弁当』(セブンイレブン)
●野菜中心のおかずが満載
ひじきご飯と豆腐ハンバーグのお弁当です。いんげんのごま和え、切干大根煮、かぼちゃなどの野菜中心のおかずを盛り付けました。食べ応えのある豆腐ハンバーグは、肉と豆腐をバランスよく組み合わせ、ひじき、にんじん、玉ねぎを加えて彩りよく仕立てました。1食424kcal。
「もち麦は食物繊維が豊富なので、便秘予防につながります。ひじきや豆腐ハンバーグ、野菜も入っているので、このお弁当を1つ食べるだけで、たんぱく質、ビタミン、ミネラルが摂れ栄養バランスは高評価です」
『根菜たっぷり!10品目の生姜スープ』(セブンイレブン)
●冷え対策におすすめの食材がたっぷり!
レタス1個分の食物繊維を摂ることができる、生姜スープ。具材も、もち麦や鶏肉、白菜、にんじん、玉ねぎ、ごぼう、れんこんなど10品目も入っていて、食べ応え充分。昆布と椎茸のだしを利かせたスープは香りも豊か。1品141kcal。
「食物繊維も積極的に摂りたい栄養素。このスープは食物繊維をたっぷり摂ることができるうえに、生姜や根菜類もたくさん入っているので、体が温まり、冷え予防に最適です」
『いわしの生姜煮』(ローソン)
●骨ごと食べられカルシウム補給にも
脂の乗った国産真いわしを、生姜で風味豊かな味付けにしたいわしの煮物。包材はトレーパックを使っていて、お皿に移さずにそのまま手軽に食べられる。1品157kcal。
「柔らかく煮込まれているので、いわしの骨ごと食べられ、カルシウム補給に。青魚の良質な脂質も摂れます。家で作るとなると調理に手間と時間がかかるメニューですが、コンビニで手軽に買えるのは嬉しいですね」
管理栄養士:岡田明子さん
健康や美容関連のレシピ提供や商品開発、講演や執筆、メディア出演などヘルスケア分野を中心に幅広く活躍中。個人への食事サポートも行いダイエットや妊活に悩む方への個々の生活習慣に合わせた的確な指導に定評がある。食事アドバイスサポート実績は延べ1万人に及ぶ。2014年一般社団法人「NS Labo(栄養サポート研究所)」を設立。著書に『朝だから効く!ダイエットジュース』(池田書店)など。
https://ns-labo.jp/
http://okada-akiko.com/
撮影/黒石あみ 取材・文/竹腰奈生