猫が母になつきません 第195話「こえる」
4個はあったと思います。ケーキを母が自分でカットすると1個がすごく大きいので私が小さめにカット、ひとつずつ食品用ラップに包む。料理やおやつを小分けにするというのはよくある食べ過ぎ防止対策のひとつで、お米も一膳分を少なめに小分け冷凍することで減らしてきました。過食、早食い、詰め込み食べなどの抑制がきかない食べ方は認知症によくみられる行動として知ってはいたものの、最近は食事量もほどほどの母の「お菓子一気食べ」は私の想定を超えていました。高齢者は味覚が鈍っているので味の濃いものや甘いものを欲するのだそう。1個ずつ食べるだろうなんて常識的に考えた私が甘かった…そう、お菓子だけに。全部食べたということは私のぶんを残しておこうという気もないわけで。それは今に始まったことでもありませんが…(第16話_ひとりじめ)。幸いひとつの保存容器に入りきらなかったのでもうひとつの容器に2個ほどかろうじてキープ。今となっては小さめにカットしたことが悔やまれます。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。