糖質すべてが悪ではない 食べてはいけないものを見極めよ
38年間で20万人以上の糖尿病患者を診てきた経験から「糖質がすべて悪ではない」と話すのは、糖尿病専門医の牧田善二さんだ(「」内以下同)。
ここ数年、糖質制限ダイエットが流行し、ご飯などの炭水化物や甘いものを食べなければやせる、血糖値をコントロールできると思われているが、これは間違いではない。
「糖質制限をすれば血糖値を下げられます。ただしこれは治療の1割にすぎません。糖尿病にはさまざまな治療が必要なのに糖質を摂らない=糖尿病予防になるとは安易に思わないでもらいたい」
糖尿病でも糖質制限はしなくていい
血糖値を上げ、太る要因となるのは、確かに糖質だ。また、糖質はAGEという老化の原因物質も生成することがわかっているので、摂りすぎれば“毒”になるのは事実。しかし、体にとっては必要な栄養素でもある。
糖質は体内でブドウ糖に分解され、酸素と反応してエネルギー源となる物質ATPを生む。このATPが脳や筋肉を動かすため、ATPがなければ死んでしまう。
だからこそ人間はご飯やお菓子を食べ、糖質を摂ると本能的に“幸せ”を感じるのだ。
「私もかつては、自分の患者さんに糖質制限をすすめてきました。しかし最近は医学の進歩により、糖尿病治療上、最も大切な腎臓合併症を治す薬ができたので、つらい糖質制限をしなくてもよくなったのです。糖質は、食べると幸せを感じられます。それをがまんさせると、人生の楽しみを奪うことにもなります」
ご飯やパンは適度に 砂糖やくだものを控える
摂りすぎれば、肥満になり糖尿病になる。しかし、全く摂らないのも問題。ではどうしたらいいのか。「食べてはいけない糖質を見極めましょう」と牧田さんは続ける。
糖質には単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類の4種があり、ご飯やパンは多糖類にあたる。これは分解に時間がかかるから、血糖値を急激には上げない。しかし、ブドウ糖、果糖、砂糖などの単糖類と二糖類は、血糖値を急激に上げるので、摂りすぎると危険なのだ。
「要するに、ご飯やパンは適度に摂り、砂糖は控えるべき」
食べてはいけない糖質ランキングの1位は「缶コーヒー、清涼飲料水、ジュース」、2位は「砂糖入りのお菓子」、3位は「くだもの」、4位は「白米、白いパン、うどん」だという。
※女性セブン2018年2月8日号
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