健康管理にブームのウェアラブル端末|人気&最先端アイテム紹介
病院や人間ドックでの検査や検診、日頃の自己測定などで「健康管理」を行っている人は多いだろう。世界中で「健康」への注目度が上がる今、ただ身につけているだけで簡単に計測ができる“最新機器=ウェアラブル端末”が次々に登場している。
試してみなければもったいない業界最先端のアイテムを紹介する。
→ウェアラブル端末が売れている理由|健康データの毎日計測を医師も推奨
最新機器で知るで歩く速度が健康維持につながる
ウェアラブル端末は、充電が切れない限り、装着していれば就寝中も計測を続けてくれる。その“数値”からは、思いもよらなかった自分の健康に関する情報が見えてくる。
慈恵医大晴海トリトンクリニックの医師、横山啓太郎さん、「血圧計から認知症のリスクに目を向けられる」と話す。
「血圧は通常、運動すると上がって、終えるとすぐに下がり始めます。しかし、運動後もなかなか数値が下がらない人は、将来、認知症になりやすいという研究報告もあります。そうした血圧の動きは運動の前後に測らなければわかりません」
ウオーキングが健康にいいことは誰もが知るところ。しかし、往年の“万歩計”で歩数を数えるよりも、最新機器で“歩く速度”を知る方が自分の健康状態を知る手がかりになる。
「最新の研究で、年を取って歩けなくなる原因は、体幹の筋肉が衰えているからだとわかってきました。つまり、“歩いた数”よりも“歩くスピード”に影響が出るのです。歩行速度は30~40代をピークに老化とともに遅くなる。日頃から歩行スピードを記録しておけば、自分の老化を数値として実感でき、『スクワットで鍛えよう』といった行動に移せます」(横山さん・以下同)
スマートウォッチ売れ筋ベスト5【ビックカメラ新宿西口店】
売り上げが伸びているウェアラブル端末の中から、特に人気の商品を解説。
【1位】ファーウェイ Band 4(ADS-B09)/4645円
心拍数、歩数、消費カロリー、睡眠計測などの基本的な機能が搭載。価格が比較的手頃で、初心者にもおすすめ。
【2位】Fitbit Inspire HR /1万6727円
米国の最大手企業である『Fitbit』の製品。生理周期など女性の体調に特化した健康管理ができる機能も。
【3位】Fitbit Versa 2 /2万2190円
AIアシスタントのアレクサを搭載し、音声応答が可能。リストバンド部分のデザインの種類が豊富で女性に人気。
【4位】サムスン Galaxy Watch Active2/3万6127円~
盤面が円形のため、ビジネスシーンでも普通の時計のようにつけられる。盤面のサイズによって価格が異なる
【5位】ガーミン VENU Black / Slate/4万8972円
アプリの機能を用いて、生理周期の各段階でおすすめのトレーニングや栄養についてアドバイスしてくれる優れもの。
※価格は2月3日現在のものです
自分に合ったダイエットが判明
ウェアラブル端末は、ダイエットにも一役買う。24時間いつでも血糖値を測定できる端末を使えば、数値の変動をリアルタイムで知ることができる。もともと、糖尿病の患者向けに、血糖値を自分で調べる簡易型の測定器はあったが、使い捨ての針で刺して血液を採取する必要があり、痛みを伴う上、継続的なデータを記録することも難しかった。
しかし採血の苦痛を伴わない最新の端末なら、血糖値が糖尿病レベルに高くなる食べ物を意識的に避けたり、食べる量をセーブしようと数字を見ながら考えられる。
さらに、自分の体質に合ったダイエット方法を見極めることもできる。たとえば、流行の「食べる順番ダイエット」は、必ずしも誰にでも効果的なわけではない。
「最初に野菜を食べる“ベジ・ファースト”を行うことで糖質の吸収をやわらげ、血糖値の上昇を抑えることが『食べる順番ダイエット』の本来の目的です。過去に、継続的に血糖値を測定できるパッチを使って調査したところ、5人中3人は効果がありましたが、残り2人は食べる順番を変えても血糖値は影響を受けませんでした」
仮に、血糖値に影響が出ない体質でも、ベジ・ファーストによって満腹感を感じ、食べる量を減らせているのなら効果はあるだろう。しかし、毎日お腹いっぱい食べているのなら、食べる順番ダイエットをいつまで続けても効果はない。別のダイエットを検討した方が効率的となる。このように、自分の体を即座に理解し、最適な方法を探っていけることがウェアラブル端末のいちばんの醍醐味だろう。
ただし、日本国内で販売されている端末は、まだ医療機器として認可されていないものが多い。米国では、心電図機能が搭載されている「アップルウォッチ」が米FDA(食品医薬品局)によって認可されているが、日本では発売未定だ。ウェアラブル端末のデータを利用して、患者に的確なアドバイスをできる医師が少ないという課題もある。
しかし、横山さんは「重要なのは厳密な数値を取得することではない」と話す。
「継続的なデータを得られることにより、一般的な平均値との比較ではなく、運動や食事など特定の生活習慣と結びついた“自分だけの数値”の特徴を知ることができます。それはウイークポイントの発見になるかもしれないし、『明日も続けよう』というモチベーションにつなげるきっかけになるかもしれない」
家計簿をつけていれば、ムダな出費の改善点や節約ポイントが見えてくる。同じように、ウェアラブル端末を身につけていれば、自分だけの正しい健康習慣が見えてくるはずだ。
→ウェアラブル端末が売れている理由|健康データの毎日計測を医師も推奨
【速報】注目の新技術搭載メカ
発売間もない話題の医療機器認定商品や、「ウェアラブルEXPO」に出展されたアイテムを一足お先に公開。
歩行センシングインソール『A-RROWG』 中敷きが姿勢の美しさを計測
センサーが入った専用の中敷きを、履いている靴に入れるだけ。歩行の質を計測して、専用アプリで美しい歩行姿勢を提案してくれる。
「歩行センシングインソール『A-RROWG』」 2万円 ※2月25日まで「Makuake」サイト内で先行予約販売中/NEC
HeartGuide インターネット上で「欲しい」と大反響の血圧計
医療機器認証を取得し、従来の血圧計と変わらない精度で測定できる腕時計型の血圧計。職場や外出中も手軽に計測できる。
「HeartGuide」7万9800円/オムロン ヘルスケア
※専用の無料アプリと連動が必要 ※対象手首周16~19cm
スマート服『Biovest』 選択できる心拍測定ベスト
ベストに心拍数を測定するセンサーを組み合わせ、運動中の筋肉の動きを安定させる。速乾性に優れた肌触りのよいメッシュ素材で、普通の服と同じように洗濯できるのも便利。
「スマート服『Biovest』」※台湾より取り寄せ 120米ドル(センサー付き)/ゼンタン
糖質ダイエットモニター 糖質制限の成果をすかさずチェックできる
装置を手首の血管に押しあてると、食後の糖代謝の状態が測れる。小型で持ち運びができるので、どこでも測定可能。健康管理だけでなく、糖質制限ダイエットにも役立つ。「糖質ダイエットモニター」今年製品化予定(価格未定)/京セラ
スマートウォッチ&センサー 自分に合ったランニングフォームをサポート
GPS内蔵の専用センサーを腰につけて走ると、速度や距離のほか、ランニングフォームを採点。スマホアプリと連動して、腰やひざに負担のかからない走り方をアドバイスする。
「スマートウォッチ&センサー(名称未定)」価格、発売日とも年内公開予定/アシックス
FreeStyleリブレ 寝ている間の血糖値の変動までわかる
五百円玉大のパッチセンサーを上腕に貼りつけ、専用リーダーで読み取るだけで血糖値を測定。採血の必要がなく、就寝中の計測も可能。本来、糖尿病患者の自己測定器として用いられていた医療機器のため信頼度も高い。
「FreeStyleリブレ」センサー1万3800円、リーダー7089円/アボット ジャパン
※糖尿病患者は保険適用される場合あり。
※女性セブン2020年2月20日号
https://josei7.com/