深い眠りを誘う「ごま油マッサージ」~家庭にある調味料でアーユルヴェーダ<4>
アーユルヴェーダの考え方に基づき、ミライプロジェクト(本社:東京都渋谷区)が、TOKYO Beauty & Care アカデミーの短期講座として、開講したワンデイレッスン『高齢者介護とアーユルヴェーダ~台所調味料でできる家庭の介護ケア~』。
その中で紹介された調味料を使って行う高齢者ケアを紹介するシリーズ、最終回はアーユルヴェーダでもっともよく活用されるという太白ごま油を使った耳のマッサージ。指導してくれるのは、アーユルヴェーダ ビューティカレッジ代表の新倉亜希さんだ。
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睡眠の質を上げる耳マッサージ
「アーユルヴェーダでは、耳は“第2の心臓”と言われる大切な場所。神経系と深いつながりがあるとも考えられています。今回紹介する耳のマッサージは神経を穏やかにして、深い眠りをもたらす効果が期待されます」(新倉さん、以下「」内同)
マッサージに使用するのは「太白ごま油」。小鍋に入れて100℃まで加熱し、冷ましてから使用する。この作業を「キュアリング」といい、ごま油の抗酸化力を高める働きがあるとされる。
マッサージは4ステップ
まず、キュアリングしたごま油を500円玉大ほど手に取り、左右の耳にすり込むようになじませる。左耳は右手、右耳は左手でマッサージする。
【1】親指を耳の内側、人差し指を耳の裏側に当てて、耳のふちに沿って上から下に向かい、クルクルと小さな円を8つ描くようにマッサージする。これを4回くり返す。
【2】耳の穴に親指を入れ、親指と人差し指で耳を挟み、耳の縁を上から下に向かってぐるりとなでおろす。これを4回くり返す。
【3】手をチョキの形にして、下から耳の付け根をはさみ、耳を持ち上げるように手を上に動かす。これを4回くり返す。
【4】手をチョキの形にして、前から耳の付け根をはさみ、手を後ろに向かって動かす。これを4回くり返す。
※ほかの人をマッサージする場合は、【3】と【4】の間に、チョキの手で耳を後ろからはさみ、前に向かって4回マッサージするというプロセスが加わる。
耳がポカポカ、うっとりするほど気持ちいい
記者が実際に行ってみると、マッサージしている間に耳がポカポカ温まり、うっとりするほど気持ちがいい。マッサージを終えた瞬間に目をつぶれば、たちまち心地よい眠りに引き込まれそうになる。歳をとって眠りが浅くなったり、寝つきが悪くなったりした人は、試してみる価値は十分ありそうだ。
「耳をケアすることで耳鳴りや目まいなどが治まります。また、耳は神経系と関わりが深いため、あちこちに痛みが出る神経痛の緩和も期待できますよ」
家庭にある調味料で手軽にできるアーユルヴェーダ。ぜひ一度体験してみては?
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監修:新倉 亜希
アーユルヴェーダビューティカレッジ 代表、日本アンチエイジング&ヘルスデザイン協会(JAH)代表理事、内閣府認定 アーユルヴェーダ協会 理事、一般社団法人 国家ビジョン研究会 農業・食料問題分科会 研究員
インド・ジャイプールにある医療法人Chakrapani Ayurveda Clinic & Research Centerにてアーユルヴェーダ医師のもとで修行をし、現在では特に高齢者支援、アンチエイジング、妊活、育児、メンタルケア、教育にアーユルヴェーダを取り入れたメソッドなどに取り組んでいる。
【協力】
株式会社ミライプロジェクト http://www.mirapro.net/
撮影/津野貴生 取材・文/市原淳子
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