「生き方が参考になる」とフォロワー数8.5万人超えの82才
現在ツイッターフォロワー数が8万5000人以上だという82才の女性・溝井喜久子さん。ツイッターのつぶやきは1日10件以上。世の中の出来事に対する意見や3度の食事などを写真付きで投稿。20~30代の若い世代からは“生き方が参考になる”“彼女のように年をとりたい”という声があがる。そんな溝井さんとツイッターとの出会いは7年前に遡る。
戦争体験を伝えるたくて始めたブログがきっかけ
「20年近く前に、私はインターネットができるパソコンに興味を持ち、戦争体験を伝えたくてブログを立ち上げました。そのうち、2010年くらいにツイッターが話題になって、私も気軽に始めてみたら、そっちの方が楽になっちゃって…。当時、70代後半でツイッターをやっている人が珍しい時代だったからか、始めてすぐにフォロアー数は5000人を超えました」(溝井さん、以下同)
多くの人を惹きつける彼女の投稿。その一部を紹介すると…。
《私は、古来から言われて来た程には年寄りを貴重とは思わない。若い世代には重荷である事は間違いないのではないかと思う。此は私が高齢だから言えると思う。今でも年寄りは敬おうという人は多い。そんな事言わなくとも敬える人は敬われるもの。中には敬えと敬う事を押し売りする人も居る、見苦しい》(2017年6月11日の投稿より)
「高齢者に対して、意見が言えるようになったのは、私が年をとったからでしょう。80代の私だからこそ、年寄りに対して多少、厳しいことを言っても説得力があると思うんです」
溝井さんは、11才で終戦を迎え、中学、高校を経て、お茶の水女子大理学部に進学。大学卒業後は、高校の生物教師を2年経験。1才年上の会社員と結婚してからは専業主婦になり、2男に恵まれた。仲睦まじい夫婦だったが、夫は2年前に他界した。
ひとり暮らしでのツイッターは安否確認、活動報告
「夫がいなくなって、ひとりで暮らしているけれど、寂しいと感じたことはないわね。2人の息子のうち1人は隣町に、もう1人は仙台に住んでいます。同居して子供たちに迷惑をかけたくないから、体の動くうちはひとり暮らしと決めています。
息子の連れ合いや孫たちも、私のツイッターを見てくれていて、アップが途切れると『何かあったの?』『病気してない?』って、心配して連絡が来るの。だから休めない。ツイッターはある意味、活動報告や安否確認みたいなものですね」
現在、自宅ではiPad、電子書籍用端末Amazon Kindleを含めて、10台のタブレットを所持。ツイッターにはiPadを使い、1日4~5時間投稿や返信に費やしている。
「夜中の1時や2時に投稿することだってよくありますよ。『遅くまで起きているんですね』って言われるけれど、実は1度寝て、目が覚めたら1時、2時だったというパターン。日中、草むしりや家の片づけなど家の仕事をしていると、疲れて夜8時には寝てしまうから、夜中に目が覚めるんです。
ただ、眠くないのに夜だからって寝なきゃいけないわけではない。やることがある人は眠れなくても平気なんですよ。だから私は好きなツイッターで、その時思いついたことを投稿しています。
規則正しい生活なんて、これから成長する子供や若い人に必要なだけ。年をとったら体に合わせて、眠い時は寝る、眠くない時は無理して寝ない方が楽なの」