「終の住処」を追求する介護付有料老人ホーム<前編>
オープン間近の話題の施設や評判の高いホームなど、カテゴリーを問わず高齢者向けの住宅全般を幅広くピックアップし、実際に訪問して詳細にレポートしている「注目施設ウォッチング」シリーズ。
今回紹介するのは、介護付有料老人ホーム「ヒルデモアたまプラーザ・ビレッジ l」だ。
ヒルデモアたまプラーザ・ビレッジ l
「ヒルデモアたまプラーザ・ビレッジ l」は、介護の先進国といわれるデンマークの高齢者住宅をモデルとして作られた。介護保険が導入される以前より現地に視察に行き、その後も継続して訪れているという。「ヒルデモア」という名前は、デンマークの童話作家・アンデルセンの作品に登場する「ニワトコの木に住む妖精」が由来となっている。
また、運営会社の東京海上日動ベターライフサービス株式会社は、「山小屋」という意味の「ヒュッテ」と名付けた介護付有料老人も同時に展開している。
東急田園都市線「たまプラーザ」駅北口より徒歩13分。ヒルデモアたまプラーザ・ビレッジl、ll、lllが見えてくる。広大な敷地に3棟が建ち、それぞれが特徴を持ちながら、一体で運営されている。今回主に紹介するビレッジlは介護型、llとlllは自立型だ。自立型のll、lllに入居し、介護が必要になった場合にlに移り住むことができる。慣れ親しんだ場の中での引っ越しで、スタッフや入居者も顔見知りで安心感がある。実際に移り住んだ入居者もいて、口コミで評判が広がっているという。
「終の住処」として大切なこととは?
「ずっと住める」ことを謳っている介護施設は多いが、規約をよく読んでから契約することをお勧めする。認知症の症状が進行したり、入院で長期間不在になった場合にどうなるのかを見学の際に確認しておきたい。最期が近づいたときに頼れないのでは、本人も家族も困ってしまうからだ。しかし、ここでは契約書という最も重要な約束事で終の住処を作る覚悟を示している。
「認知症や長期間不在を理由に、私たちの方から入居契約を解除できる規定は設けていません」(ヒルデモアたまプラーザ・ビレッジ l支配人の岩佐茂さん、以下「」は同)
会社として退路を断ち、終の住処として過ごせる場にしようと努力を続けているのだ。ヒルデモアとヒュッテの特徴が書かれた「三つ星ムック」という冊子がある。そこには、入居者から三つ星をもらえるような介護を目指すための約束事が書かれていて、認知症ケア、ターミナルケアについての考え方も明確に示されている。