介護生活にハーブを!<4> 「かぼちゃとスパイスの薬草すうぷ」
香りを楽しむアロマオイルやハーブティー、健康増進や体を温める目的で料理にも多く使われているスパイスなど、私たちの暮らしのさまざまなシーンで活躍しているハーブ。
そんなハーブの力を、介護や医療の現場でも積極的に活かしていこうとする風潮が高まっている。介護をする人も、受ける人も、ハーブで健やかな暮らしを送ってほしい――。写真家でハーバルセラピストの資格を持つ飯田裕子さんが、今回は冬至に食べる慣習のあるかぼちゃに焦点を当てて、メディカルハーブについて解説してくれた。
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師走に入ると一年の早さを感じると共に、空気も冷たく、ぐんと冬らしくなってきます。冬将軍が到来するこの時期は、太陽の軌道も低く、昼間にちらりとお日様が出ても長い影を伴っています。
昼間の時間が一年で最も短くなる冬至(12月21日ごろ)前後は、早く家路につきたくなるものです。家に温かなスープがあると、さらに嬉しいですね。太陽の化身のような色のスープとスパイシーな香りが部屋に漂っていると、介護を受けている方も、介護している方も、心から元気になるのではないでしょうか。
今回は、ハーバリストの園藤祐子さん主催の『薬草すうぷ屋』から、冬至には欠かせないかぼちゃに、心身を温めてくれるスパイスを加えた『かぼちゃとスパイスの薬草すうぷ』をご紹介したいと思います。
さて、冬至に食べるかぼちゃですが、実は旬は真夏です。古(いにしえ)の人々は、夏の太陽が創った栄養成分を結実させたかぼちゃを冬まで大切に保存して、太陽の力が最も弱まった冬至に不足しがちな栄養とエネルギーとして補完し、健康を保つことをしていたのでしょう。
かぼちゃは抗酸化作用で知られるβカロテン(ビタミンA)を筆頭に、ビタミンCとカルシウム、血行促進とアンチエイジングのビタミンE、そして鉄分など豊富な栄養素を含んでいます。
そこに加える生姜をはじめとするスパイス類は、メディカルハーブの一種とみなされています。
インドやアラブ諸国、アジアの国々では、エキゾチックな香りの実や根に薬効成分を見出して、古くから健康増進や治療に活用しています。