2026年上半期の注目の「栄養補助食品」4選を編集部&管理栄養士が試食レポート「味も風味も劇的に進化!」
話題の介護食品を編集部で実食レポートする恒例の人気企画。今回は2026年上半期に登場した最新の栄養補助食品の中から、編集部が厳選した注目商品4つをピックアップ。管理栄養士の川鍋仁美さんをお迎えして、実際に試食しながら、その実力を徹底レポートします!
試食したのは4品
2026年上半期に発売された4つの商品を実食!
『アイソカル(R)高カロリーのやわらかいおかず 白がゆバラエティパック』(ネスレ日本)、『元気のミカタ ぎゅっと カロリーゼリー』(アサヒグループ食品)、『アリモア スイートシトラス風味』(ニュートリー)、『Me SOUP とうもろこしのポタージュ』(LacuS)
参加した専門家&編集部メンバー
管理栄養士・川鍋仁美さん/高齢者の栄養相談やデイサービスでの食事サポートなどを行う。介護ポストセブンで高齢者の食事や栄養について執筆中。
編集部・関和子/90代の父親を通いで介護中。嚥下機能の低下に悩む日々。
編集部・吉田麻衣子/80代の母が甘い物ばかり食べるので心配が尽きない。
編集部・望田真紀/遠方に暮らす後期高齢者の親の食事や健康が気がかり。
栄養補助食品の必要性とは?
川鍋:デイサービスの利用者さんに栄養相談を受けると、「年齢とともに食が細くなり、本人は食べたいのに食べられない」「ご家族も食べさせてあげたいのに食べてもらえない」という悩みを抱えるかたは結構多いんですよ。
関:うちの父も嚥下機能が低下してきて、食べるものを選ぶのがとても大変になってきました。歯は丈夫なのですが飲み込みがしにくいという…。
川鍋:それは心配ですね。嚥下機能が落ちると食べにくくなりますし、加齢とともに味も感じにくくなることがあるため、食欲がさらに低下するという負の連鎖に陥りやすくなります。夏場はとくに食べる量が減りがちなので、低栄養も心配です。
そんなときに活用したいのが、少量でカロリーや栄養素を効率的に摂れる「栄養補助食品」です。上手に活用して、高齢者に不足しがちなたんぱく質やカロリーを補っていきたいところです。
吉田:高齢者や介護が必要なかたが低栄養になりがちな理由はなんでしょうか。
川鍋:利用者さんに話を聞いてみると、お昼ご飯は「パンだけ」「そうめんだけ」など炭水化物しか摂っていないケースも。とくにデイサービスの日は「朝ご飯を食べられない」「食べて来なかった」というかたが多いんですよ。お迎えが来る時間が気になって、落ち着いて食事を摂ることができないこともあるようで、ご家族もお忙しい時間帯ですからね。
望田:そういう気持ちや時間にゆとりがないときこそ、栄養補助食品を活用して欲しいですよね。気になる4商品を早速、試食していきましょう!
「→訪問ヘルパーさんが朝ゆでたそうめんを昼も夜も…」高齢者の夏の食卓に《そうめんだけ》がNGな理由とは?【管理栄養士が解説】
※商品情報は、2026年8月時点のもの。価格は変動する可能性もあります。
※表示価格は税込み。
【1】これが介護食?おいしさに感動!主食とおかずが揃うセット
アイソカル(R)高カロリーのやわらかいおかず 白がゆバラエティパック
望田:まず試食するのは、ネスレ日本の『アイソカル(R)高カロリーのやわらかいおかず 白がゆバラエティパック』です。3種のおかず(肉じゃが、カレー、野菜のクリーム煮風)と、白がゆがセットになった便利なセットです。
関:これはまずパッケージの開けやすさに注目して欲しいんですよ。うちの父は最近、指先の細かい動作ができなくなってきていて「フタを開ける」というのが難しいことも。こちらはフタの開封部分が大きいのでつまみやすいんです。父もひとりで無理なく開封できると喜んでいました。
川鍋:たしかに「開けやすさ」って、介護食においては重要ですね。このパッケージのサイズ感もいいですね。まさに手のひらサイズで。
関:パッケージの文字も読みやすいんです。父の家に買い置きしているんですが、パッと見てわかるから「今日はカレーにするかな」って1人のときにも選びやすいと言っています。
望田:高齢者にとってはパッケージの読みやすさも重要なんですね。たしかにこのフォント(書体)はとても視認性が高い。
吉田:小さいから持ち歩きにも便利ですよね。ご飯は1カップ100gで150kcal、たんぱく質は5.5g含まれています。
川鍋:ご飯でたんぱく質を摂れるというのは、栄養面から考えるとメリットが大きいですね。ちなみにタンパク質の推奨量は、75才以上の女性だと、1食あたり16~17gが目安となります。
カロリーは、75歳以上で活動量が低い女性の場合、1日約1,400kcalが目安です。3食に分けると、1食あたり約460kcalになります。介護が必要なかたの場合は、病状や体格にもよりますが、少なくとも300~400kcal程度は確保したいところです。
とはいえ、なかなか量が食べられなくなってきますよね。この白がゆは100gで150kcalです。通常のおかゆだとお茶碗で大盛り(約230g)に相当するカロリーがこれ1つで摂れるということですね。
望田:栄養がギュッと凝縮されているんですね。食が細ってきている高齢者にとって、見た目でもうお腹一杯、「たくさん食べないと」という心理的なプレッシャーもありますよね。お味のほうはいかがですか?
川鍋:お米本来の甘みがしっかり感じられます。お米の粒感もしっかり残っているので、おかゆよりも食べ応えがあるのもいいですね。
栄養補助食品の中には、カロリーを高めるために油分を使うことが多いので、どうしても油っぽくなりがちですが、この白がゆはわりとさっぱりしています。ほどよく口の中でまとまって滑りがよく、飲み込みもしやすいですね。
関:口当たりがなめらかですよね。父にはおかゆを食べてもらっているんですが、作り置きしておいても余ってしまうことが多くて…。これは父にも好評です。これ1つ「食べられた、完食できた」というのは自信にもつながると思うんですよ。
吉田:おかずもすごくおいしいんです。味つけがしっかりしていてご飯が進む味。私はカレーが一番好みですね。スパイス感がありつつも辛すぎない。介護食ってどうしても見た目と味のギャップがあるけど、想像通りのおいしいカレーです。
関:このカレーは私も好みです。肉じゃがもクリーム煮風も、人参やじゃがいも、お肉などの具材の形がしっかり残っていているのもいいですね。
川鍋:食材の形がわかることも、食べる安心につながりますよね。肉じゃがの味つけもとてもいい。高齢のかたはやっぱり醤油ベースの和風の味つけを好まれるので、これは安心して食べられると感じました。
望田:このクリーム煮風も洋食屋さんのホワイトソースみたいな感じで、結構やみつきになりますよ。
川鍋:こちらはパンにも合いそうですね。嚥下機能が低下してくると、パンは口の中でまとまりにくく、飲み込みにくさを感じることがあります。食べ合わせることでしっとりして、食べやすさにつながりそうですね。
関:どれも常温でもおいしいですよね。
川鍋:そうですね、温めなくてもおいしいというのはポイントですね。このカレー、息子の塾弁当に持たせてみようかしら。
望田:息子さんには「介護食」だって言わなければわからなそうですよね。こういうカレーがあるのか、食べやすいなって(笑い)。
【データ】
商品名:アイソカル(R)高カロリーのやわらかいおかず 白がゆバラエティパック(肉じゃが/カレー/野菜のクリーム煮風/白がゆ)おかず各2個、白がゆ6個、全12個入り
内容量:おかず各80g、白がゆ100g
エネルギー:おかず/各100kcal、白がゆ/150kcal
価格:4,590円
販売:ネスレ日本
https://healthscienceshop.nestle.jp/blogs/isocal-kaigosyoku/index
【2】夏場や朝食にぴったり!手軽にカロリーが摂れるデザートゼリー
元気のミカタ ぎゅっと カロリーゼリー/アサヒグループ食品
望田:続いては、アサヒグループ食品の『元気のミカタ ぎゅっと カロリーゼリー』です。フレーバーは、りんごミックス、マンゴーミックス、マスカットミックス3種類。食欲がない時でも手軽にカロリーを補給できるということで、70gで150kcalになっています。
関:まずこのキャップがね、すごく開けやすいんですよ。一般的なゼリー飲料ってフタがとても小さいじゃないですか。うちの父もこれなら開けやすいと愛用しています。車での移動中にも飲みやすいって、途中でフタをしめてまた飲んだりして、すごく重宝しているんですよ。
望田:アサヒグループ食品は、和光堂ブランドのベビーフードを販売していますが、もしかするとベビーフードの技術が応用されているのかもしれませんね。
吉田:マンゴーミックスは、マンゴーそのものの味わいです。果実をそのまま食べているみたい。どれもフルーツの芳醇な味がしっかり感じられます。
川鍋:りんごも爽やかでおいしい。トマトやにんじん、ほうれん草などの野菜も入っているんですね。スムージーみたいにたくさんの種類の果実や野菜が摂れるんですね。スムージーだと食物繊維のザラザラした食感がありますが、これはとてもまろやか。
関:野菜も入っているのに、ほどよい甘さで爽やかな飲み心地ですよね。甘いのが苦手な人でもいけそうですね。
川鍋:ゼリーって、固形分と水分が分かれてしまう「離水」が起こるものもあって、誤嚥の心配につながることがあります。でも、こちらは口の中でまとまりやすく、飲み込みやすさに配慮されている印象ですね。
カロリーはしっかり摂れますが、たんぱく質をプラスしたいときには、ヨーグルトにかけるのがおすすめですね。
吉田:うわっ、これはおいしい!ヨーグルトの酸味とゼリーの爽やかな甘みがベストマッチです。
川鍋:忙しいデイサービスの日の朝食にもぴったりですよ。ヨーグルトにさっとこれをかけて、たんぱく質とカロリーをしっかり摂って1日を元気に過ごして欲しいですね。
【データ】
商品名:元気のミカタ ぎゅっと カロリーゼリー(りんごミックス/マンゴーミックス/マスカットミックス)
価格:260円前後(編集部調べ)
内容量:70g
エネルギー:150kcal
販売:アサヒグループ食品
https://www.asahi-gf.co.jp/products/senior/food/genkinomikata/?utm_source=chatgpt.com
【商品3】医療現場のプロが開発!飲みきりサイズの栄養補助飲料
アリモア スイートシトラス風味/ニュートリー
望田:続いて、ニュートリーの『アリモア スイートシトラス風味』です。医療現場や栄養のプロが開発に参加。「飲みきれない」という悩みに着目し、125mlで220kcalということです。
吉田:パッケージが涼しげですね。中身を注いでみると、思ったより色が濃いんですが、飲んでみるとほどよい酸味で爽やかですね~。
関:ほんと、これスッキリしていますね。ほんのりととろみがついていてのど越しもいい。タンパク質は10g配合、ビタミンB群やビタミンD、亜鉛なども含まれています。これ1本で色んな栄養素が摂れるんですね~。
川鍋:たんぱく質10gというとゆで卵約2個分に相当しますから、しっかりたんぱく質を補えますね。亜鉛は5mg配合されています。亜鉛は味覚の維持にかかわる大切な栄養素なので、高齢者のかたには積極的に摂っていただきたい成分です。これ1本で75才以上の推奨量の半分以上を補える計算です。亜鉛を多く配合した飲料は、独特の風味が気になる商品もありますが、これはスッキリとおいしく仕上がっていますね。
高カロリー飲料というと、ミルクベースでトロッとしたものが多いイメージですが、こちらは口当たりがさっぱりしていて、暑い時期でも飲みやすそうです。
望田:ホント、後味もスッキリしているから運動した後に飲みたいかも。低栄養はだんだん自分ごとになってきていますからね。こういうのコンビニで買えるといいのに。
川鍋:ニュートリーさんの飲料やネスレ日本さんのハイカロリーゼリーとか、病院に入院すると食事にプラスして提供されることが多いんですね。栄養補助食品のファーストコンタクトとしては病院が入り口になるわけですが、やっぱりもっと手軽に、コンビニやドラッグストアでも買えるようになって欲しいですね。
【データ】
商品名:アリモア スイートシトラス風味
価格:1本/約287円、1箱・30本入/8,618円前後 ※通信販売参考価格(編集部調べ)
内容量:125ml
エネルギー:220kcal
販売:ニュートリー
https://www.nutri.co.jp/nutrition/alimoa/
【4】カップ1杯に栄養素を凝縮!注目の完全栄養スープ
Me SOUP とうもろこしのポタージュ/LacuS(ラコス)
望田:最後は、完全栄養アイス『Me ICE』で話題となったLacuS(ラコス)の新商品『Me SOUP とうもろこしのポタージュ』です。
ラコスさんは、新潟を拠点とする企業で、昨夏に完全栄養アイス『Me ICE』が楽天市場で累計4万個を売り上げるなど話題になりました。同じく「完全栄養食」として新たにスープが発売されました。
吉田:こちらは1食でカロリーは208.7kcal、タンパク質量は9.5gということです。専用の軽量スプーンがついていて、すりきり2杯(50g)をお湯(150ml)に溶かして飲みます。
川鍋:50gの粉末ってかなりの量な気がするけど、溶け残りとかしないですか?
吉田:それが意外とサッと溶けて驚きました。豆乳のようななめらかさがあり、とろみもあるので嚥下が大変な人にもよさそうですよね。
川鍋:もっとザラッとするかと思ったら、まろやかで飲みやすいですね。塩みは強くないのにしっかりとコーンの旨みや甘みが感じられます。1杯あたりの塩分量は1.3gなので、塩分も控え目ですね。
関:マイルドな味のコーンスープ、普通に家族みんなで味わえそうですね。試食したのはとうもろこしのポタージュですが、「かぼちゃのポタージュ」と「味噌汁」もあるんですね。ところで川鍋さん、「完全栄養食」ってどういうものなんですか?
川鍋:厳密な定義があるわけではないのですが、一般的には「完全栄養食」とは、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」を参考に、必要な栄養素をバランスよく摂れるよう設計された食品や飲み物のことを指します。炭水化物やたんぱく質をはじめ、ビタミンやミネラル、亜鉛、鉄など、さまざまな栄養素を効率よく補えるよう工夫されているのが特徴ですね。
望田:一般的なタンパク質を強化したスープとどう違うのでしょうか?
川鍋:一番の違いは、たんぱく質だけでなく、ビタミンやミネラルなどほかの栄養素もバランスよく補えるところですね。また、一般的なスープは1杯あたり100~150kcal程度のものが多いですが、この商品は高カロリーなので、食事量が少ないかたでも効率よくエネルギーを補えるのが大きな特徴です。
極端な話ですが、ご飯やパンを食べられないときでも、この1杯である程度のエネルギーと栄養素を補えるのは大きなメリットですね。
関:それはすごいかも。となるとお値段も気になるところですが…。
吉田:1杯(50g)分の商品もありまして398円ですね。
関:毎日続けるにはちょっとコストがかかりますが、お守り代わりに家に置いておいて、「今日のご飯はどうしても作れない」という時の頼れる備えとして持っておくのはいいかもしれませんね。
川鍋:そうですよね。介護食作りはなかなか手間がかかるものですから、時にはこういうものに頼って手を抜いてもいいと思います。介護する側のご家族もしっかり栄養補給して欲しいですから、手軽なスープをみんなで飲むのもいいかもしれません。
吉田:家族みんなで味わえるっていうのはいいですよね。
川鍋:介護食って「どこか特別なもの」という感じがあって、「自分のためだけに用意してくれた」と嬉しく感じる人もいれば、「自分だけ特別扱いされて嫌だ」と感じるかたもいらっしゃいます。ですから介護食であっても、家族みんなで同じものを食卓で囲むことができるというのは大事なことだと思います。
【データ】
商品名:Me SOUP とうもろこしのポタージュ
価格:2,980円(400g)(編集部調べ)
内容量:400g(約8回分)
エネルギー:208.7kcal(1食50g)
販売: LacuS(ラコス)
https://lacus.co.jp/service
上半期注目の「栄養補助食品」試食を終えて…
川鍋:どれも味のクオリティが高くて見た目の進化にも驚きました。少量でしっかり栄養が摂れるから、ご本人の栄養補給だけでなく、食事介助の負担軽減にもつながりますよね。市販品を利用するのは手抜きではなく、お互いのためになると思います。
介護食、栄養補助食品に対しては、まだ『特別なもの』というハードルを感じているかたは多いかもしれませんが、実際に食べてみるとどれも本当においしく、日常の食事に自然に取り入れられるものばかり。とにかく1度試してみて、身近なものに感じていただきたいですね。
編集部一同:下半期にも気になる商品の試食会をやりましょう!お疲れ様でした。
撮影/菅井淳子 構成/介護ポストセブン編集部
