倉田真由美さん「健康問題とAIの使い方」くらたまね~&らいふVol.28
漫画家でエッセイストの倉田真由美さんが最近、友達と会うと話題の中心は「健康」のこと。あるとき定例となっている女子会で、長い付き合いを続けてる友人が「貧血」に悩まされていたことを知って――。
執筆・イラスト/倉田真由美さん
漫画家。2児の母。“くらたま”の愛称で多くのメディアでコメンテーターとしても活躍中。一橋大学卒業後『だめんず・うぉ~か~』で脚光を浴び、多くの雑誌やメディアで漫画やエッセイを手がける。夫の叶井俊太郎さん(享年56)の闘病から看取りまでを綴った書籍『夫が「家で死ぬ」と決めた日 すい臓がんで「余命6か月」の夫を自宅で看取るまで』も話題に。
女子会の話題は「健康問題」
定期的に開催している女子会があります。
午前中にカフェで落ち合いお茶を飲み、お昼を食べ、その後またカフェでお茶を飲みながらケーキなどスイーツを食べ、夕方頃に解散。大体いつもこの流れです。メンバーは私と同い年の専業主婦M、そして20年ほど前から付き合いの続いている元ギャルの47歳ライターEと私の3人です。
今回もですが、ここのところはめっきり「健康問題」がメインテーマになっています。今回はEが、病院で大変な目にあったことが話題の中心になりました。
「これ見てください」
カフェ集合して開口一番、袖をめくって腕を見せるE。肘を中心にして、皮膚が広範囲に茶色っぽく変色していました。
「どうしたの?」
私とMが驚いて尋ねると、「多分これ、医療ミスと言ってもいいと思うんですけど」とEは言葉を続けました。
「実はひどい貧血になってしまって。血液検査をして、『輸血してもいいレベルの数値だけど、とりあえず鉄剤の点滴をしましょう』ってことになったんですよ。で、看護師に点滴をしてもらったらともかく痛い!めちゃくちゃ痛くて、『痛いです』って訴えてもう一度針を入れ直してもらったんですけど、また痛くて。『ちゃんと静脈入ってますよ』って言われて我慢してたら…」
鉄剤が血管外に漏れていたらしく、周辺の皮膚に色素沈着を起こしてしまったそうです。しかもそれは、別の病院で診てもらって原因が発覚したということでした。
「後日、原因になった点滴受けた病院に行ったら、その医師は目の前でネットを調べて、『すみません、そういうこともあるようですね』って。鉄剤の点滴漏れで色素沈着が起きること、知らなかったみたいなんですよ」
悔しそうに、Eは言いました。
「このまま泣き寝入りするかどうか、迷ってるんです…」
私とMは頷きながらも、「とはいえ、腕が動かなくなったとか痛みがあるとかではないから、いろいろ難しそうだね」「私ならどうするかなあ」とはっきりした意見を出せないままでした。Eは私やMとは違いオシャレで見た目を気にする人なので、余計に気になるのかもしれません。
肝心の貧血に関してはまだ完治しておらず、今も点滴漏れによる色素沈着を診断してくれた別の病院で鉄剤の点滴を受けているとのことでした。しかし頭が回らず仕事に数日単位の遅れが出たり、息切れして階段が上れなかったりする激しい症状は、ひとまず落ち着いたそうです。
AIに健康相談
「食事は?気をつけてるの?」
私が聞くと、
「はい。とりあえず、お菓子はやめて、赤身肉とか食べるようにしてます」
Eは答えました。うちの夫に食性が似ているEは、下戸でお酒を飲みませんが甘いもの好きでお菓子好きでファーストフード好きです。偏った食事で貧血を促した可能性もあると睨んでいます。
「チャッピーにも色々相談しました。頼りになりますよ、彼は」
血液検査の結果をAIに読み込んで、診断してもらったそうです。
「すごい!そんなこともできるんだ」
Mが感嘆の声を上げました。
「簡単ですよ。画像をあげて、診てもらうだけですから」
MはまだAIを使ったことがなかったらしく驚愕しており、そしてそのことに私とEは驚愕しました。情報格差は広がる一方で、50代でもうっかりすると置いていかれるということを目の当たりにしました。
この日はカレーショップ一軒、カフェ3軒をハシゴし、7時間ほどの時間を共にして解散しました。ご飯の準備が間に合わないので、私とMは駅地下でお弁当を買って帰りました。Mは家族で回転寿司に行くそうです。
帰宅後、Mは早速AIにダンナさんの健康診断結果を読み込み、アドバイスを受けたと報告してきました。いろいろ懸念も叫ばれるAIですが、便利な面は否めません。
私も今度、何か検査などする機会があったらやってみようかなと目論んでいます。
