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《終活をするつもりはない》『Doctor-X』脚本家・中園ミホさんが明かす60代からの身軽な生き方 1つ決めているのは「延命治療はしないこと」

『Doctor-X ~外科医・大門未知子』『ハケンの品格』など数々の大ヒットドラマを手掛ける脚本家の中園ミホさん(66歳)。著書『60歳からの開運』(扶桑社)では、60代を「人生2周目」と捉え、第2の青春を満喫していると語る。終活やこれからの働き方にも独自のスタンスを持つ中園さんに、軽やかな生き方の秘訣を聞いた。【全3回の第2回】

80歳は「2回目の20歳」、第2の青春にワクワクしている

――著書『60歳からの開運』では、60歳までを1周目の人生ととらえ、80歳は「2回目の20歳」であり、第2の青春にワクワクしていると書かれています。中園さんのビジョンを教えてください

中園さん:特に女性は60歳ぐらいまで、親や夫、子供など、誰かを支えていますよね。やりたいことがあったはずなのに、「気づくと60歳になっていた」という声を聞きますし、私も子育てと仕事に追われてきました。

 2周目になると、時間のゆとりもできるので、誰かのために自分自身を犠牲にして諦めていたことにぜひチャレンジしてほしいんです。私は60歳を過ぎて、好きだったのに演奏する機会がなかったエレクトーンを再び始めました。それに、1周目の経験値もあり、自分の限界がわかっているので、人生が楽になります。無謀な夢を追いかけなくなるし、人とも比べなくなります。

――人間関係も変わりましたか?

中園さん:友人はライフステージが変わると変化していきますよね。社会人になると学生時代の友人は減っていくし、子供を持てばママ友というコミュニティができる。人間関係って脱皮するようにはがれていくものだと思っていました。

 それが50代~60代にかけて、同窓会やSNSで中学生時代の友達とつながってみたら、すごく楽しかったんです。海外に住んでいる人もいるので距離は離れているのですが、再会をきっかけに今ではLINEグループで毎日チャットをして盛り上がっています。

 実はその7人の友達と、還暦祝いでハワイに行ったんです。海辺でみんなでジャンプした写真を撮って、年賀状に使ったりしたのですが、とてもウケました(笑い)。「いい年して、なにをやってるのかしら」なんて軽口を叩きながらも、まるで女子中学生のようなことをするのは本当に楽しいですね。

憧れの生き方は黒柳徹子さん

――ご著書に「60歳を過ぎたら、好きな人とだけ会えばいい」と書かれていたので、人間関係を断捨離されたのかと思っていました。むしろ増えていますね

中園さん:“断捨離”もしましたよ。今さら苦手な人と無理に付き合うことはないですし、争う必要もありません。そっと自然と離れていきます。年齢を重ねたら、居心地のいい人たちに囲まれて生活すればいいんです。

――老後の過ごし方で、憧れている方はいますか?

中園さん:黒柳徹子さんです。すごく楽しそうじゃないですか。黒柳さんのYouTubeチャンネルを見ると元気が出るので、仕事が終わってヘトヘトのときに見ています。黒柳さんは私の母と同い年だから1933年(昭和8年)生まれだと思いますが、バリバリの現役。ユニセフの活動もなさっているし、日本中の女性が憧れているんじゃないかな。

 同じ脚本家の先輩で大石静さんの生き方もパワフルで憧れます。ただ、大石さんはすごく自分自身にストイックなところもあるので、私は大石さんみたいに頑張れないかもしれない(苦笑)。私は怠け者なので、引退したら南の島に行ってお酒を飲んで猫の頭をなでながらダラダラと過ごしたい、と思うこともあります。

 そんな私でも、脚本を書くために取材をしていると、また新たに書きたい題材が出てくるんです。今も3本ぐらい書きたいものがあります。脚本家には定年退職がないので、声をかけていただける間は仕事を続けたいと思います。

延命治療は受けないと決めている

――人生2周目に入り、終活を考え始めていますか?

中園さん:終活はしたことがありませんし、これからもするつもりはありません。執筆のための資料が多いので、荷物の“断捨離”はしたいと思っているのですが、手つかずになりそうなので息子に託すことにしました。「全部捨ててください」と頼んでいます。

 1つ決めているのは、延命治療はしないこと。お正月や誕生日などで息子に会うたびに「延命治療はしないで」と念を押しています。友人たちから、病気で倒れて意識のない親の最期をどう判断したらいいかという悩みをよく聞きます。元気なうちに話し合っておけばよかったと。延命治療の判断を息子にさせるのは大変なので、これだけは理解してもらっています。

――この先、中園さんが挑戦したいことはありますか?

中園さん:50歳から水泳を始め、4種目泳げるようになりたいと思ってバタフライにも挑戦したら、一番得意になりました。バタフライはリズムよく腕や脚を動かすことで、少ない力で長い距離をずっと泳げるようです。そこまで到達したいと思っています。今は50mくらいが限界ですが、いつかバタフライで大海原を泳ぎたいですね。

――いつからでも新しいことに挑戦できる。お話を伺ううちに、2周目の人生が楽しみになってきました

中園さん:読者のみなさんも、今まで誰かのため――、夫のため、家族のため、あるいは会社のために頑張ってこられたと思います。今日より若い日はないのだから、一刻も早くやりたかったことを始めて楽しんでください。60代になった今の私は、人生で一番充実した日々を送っています。

脚本家・中園ミホ

なかぞの・みほ/1959年東京都生まれ。日本大学芸術学部卒業後、広告代理店勤務などを経て、1988年に脚本家デビュー。2007年に『ハケンの品格』で放送文化基金賞・橋田賞、2013年には『はつ恋』『Doctor-X 外科医・大門未知子』で向田邦子賞を受賞。そのほかNHK連続テレビ小説『花子とアン』『あんぱん』、大河ドラマ『西郷どん』など数多くの大ヒット作を手掛ける。占い師としても活動し、エッセイの執筆や占いサイトの監修も行う。最新刊『60歳からの開運』(扶桑社)が好評発売中。

取材・文/小山内麗香

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