「猫と牛のポーズ」で腰の激痛を改善 椎間板ヘルニアに効果的な体操を専門医が解説
ひと言で「腰痛」といっても、症状によってタイプは様々だ。本来、痛みの改善にはその症状ごとに正しいアプローチが必要なのだが、自分がどのタイプなのかを分かっておらず、漫然と対策を続け、逆に悪化させてしまうケースが多々あるという。症状別に痛みを改善する方法を腰痛治療の専門医が伝授する。
教えてくれた人
戸田佳孝さん/医師・戸田整形外科リウマチ科クリニック院長
くしゃみや咳が発症のトリガーとなる
椎間板ヘルニアは腰椎のクッションである椎間板が損傷して外に飛び出し、神経を圧迫することで生じる。
戸田医師が解説する。
「加齢により水分が失われた椎間板の中心にある髄核が飛び出すことが主因です。お尻から太ももの裏、ふくらはぎを通って足先につながる坐骨神経が圧迫され、ビビーンと電気が走るような激痛や痺れ(坐骨神経痛)が生じることが特徴です」
厄介な病気だが、激痛が長期間にわたって続くケースは少ないという。
「椎間板の外に飛び出した髄核はマクロファージなど体内の免疫細胞が異物とみなして食べるため、多くの場合、発症から3か月ほどで自然に縮小し、症状が消えていきます。
このため排泄障害や麻痺がない限り慌てて手術する必要はなく、痛み止めやブロック注射で痛みをコントロールしながら経過観察するのが賢明です」(同前)
ぎっくり腰と同じく、椎間板ヘルニアもくしゃみや咳が発症のトリガーとなる。
黒澤医師が語る。
「くしゃみと咳は腹圧を急上昇させるので、連動して脊柱管の圧力が高まってしまう。逃げ場を失った圧力が圧迫されている神経をさらに内側から押し出すように刺激することで、足の先まで電気が走るような放散痛が生じます」
前項で紹介したようにくしゃみの際に手すりに掴まることで衝撃を分散して発症を防ぎたい。
戸田医師が勧める「猫と牛のポーズ」
椎間板ヘルニアの発症後の対処法として戸田医師が勧めるのはヨガの「猫と牛のポーズ」だ。
四つん這いの姿勢になり、息を吸いながら顔を前に向けて背中を反らせ、息を吐きながらおへそを見るように背中を丸める。これを朝夕2回ずつ行なう。
「手と足を肩幅の広さにし、椎骨のひとつひとつの動きを意識すると効果的です。背骨周りの筋肉とともに腰椎周辺の緊張を緩和し、神経への圧迫を和らげます」(戸田医師)
近年は日帰り治療もできるようになったことも知っておきたい。
「2018年に保険適用になった『コンドリアーゼ注射』という施術です。飛び出した髄核の保水成分を分解して膨らみが和らぎ、痛みや痺れを抑えることができます。入院不要で日帰りで処置でき、副作用も少ない。注射から2時間で歩いて帰る人もいます」(同前)
「猫と牛のポーズ」のやり方
椎骨を無理なく動かして滑らかにする体操。朝夕2回ずつ行おう。
■手と足を肩幅の広さにし、前を向く。頭を動かさずに椎骨が動くのを感じるように腰を反らす。
■頭を動かさずに背中を丸めていく。椎骨が動くのを感じたら、おへそを見るように頭を下げる。
※週刊ポスト2026年1月16・23日号
