《医療と介護の複合施設》とは? 新オープンした『光が丘医療福祉プラザ』が目指すもの
高齢化が進み、介護や医療のニーズが年々増加する昨今。東京都練馬区は、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるまちを目指し、区内初となる医療と介護の複合施設である『光が丘医療福祉プラザ』の運営を開始した。
切れ目のない医療・介護サービスで地域包括ケアシステムに貢献
2025年4月、練馬区は練馬光が丘病院跡施設(光が丘2丁目・区有建物)を活用した、区内初の医療と介護の複合施設である『光が丘医療福祉プラザ』を開設した。
医療分野では、緩和ケア病床を備えた157床の病院や在宅医療を担う診療所、介護分野では、介護医療院や看護小規模多機能型居宅介護事業所、介護福祉士を養成する専門学校によって構成されている。そのうち、緩和ケア病床と介護医療院は、区内初の設置となる。
プラザでは、複合施設の特徴を活かすと共に、近接の練馬光が丘病院をはじめとする医療機関や介護事業所と連携し、入院から在宅生活に至るまで切れ目のない医療・介護サービスを提供。地域包括ケアシステムの一翼を担う、新たな複合施設について紹介する。
医療・介護の複合施設『光が丘医療福祉プラザ』の概要
1階及び3~6階に入っているのは、慈誠会・光が丘病院。在宅復帰に向けた医療やリハビリを提供する「回復期」、長期にわたる療養が必要な患者に医療を提供する「慢性期」機能を有する病院である。
区内初の設置となる緩和ケア病床は、がんなどの重い病気と進行に伴うさまざまな苦痛に対して、和らげる治療やケア、看取りを行う病床だ。6階に16床の用意がある。
5階には、光が丘地域初となる地域包括ケア病床が50床。急性期治療を終えた患者の在宅復帰に向けた継続的な治療やリハビリに加え、在宅療養患者の一時的な受け入れも担っている。
続く4階には認知症患者のこころの安定を図りながら、認知症の周辺症状の回復、改善を目指す認知症治療病床が43床、3階には長期にわたり療養を必要とする患者に対応した医療療養病床が48床入っている。1階部分には外来診察のほか、通院が難しい人などを対象に訪問診療を提供するねりま在宅診療所も配置されている。
2階に入っているのは、光が丘介護医療院だ。区内初となる介護医療院で、医療ニーズが高く、特別養護老人ホームで受け入れが困難な人などを積極的に受け入れ、医療・看護・看取り・ターミナルケアなどを行う。
1階に入る光が丘ライフプラザは、「通い」「宿泊」「訪問(看護・介護)」を一体的に提供する介護事業所だ。10月から、都内の同サービスにおいて初となる共生型障害福祉サービスも開始するという。
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『光が丘医療福祉プラザ』の開設は、練馬区の医療・介護サービスに大きく貢献するだろう。地域に密着した医療・介護サービスのこれからに注目していきたい。
【データ】
光が丘医療福祉プラザ
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/koho/hodo/r7/r703/20250331.html
慈誠会・光が丘病院
https://www.hps-hospital.jp/
光が丘ライフプラザ
https://shinryukai.org/hikarigaoka-lp/
開設日:2025年4月1日
住所:練馬区光が丘2丁目11番1号(地下2階地上7階建て)
運営事業者:JSKグループ(医療法人社団慈誠会を幹事事業者とする共同事業体)
※練馬区広聴広報課の発表したプレスリリース(2025年3月31日)を元に記事を作成。
図表/練馬区広聴広報課提供 構成・文/秋山莉菜