高齢者向け賃貸住宅「JKKシニア住宅」東京都住宅供給公社の新たな取り組み【東京・武蔵小金井】
年を重ねると筋肉が衰え始め、転倒による怪我や介護リスクが高まる。バリアフリー設計など安心して暮らせる住環境は誰にとっても必要不可欠だ。団地の再生とともに高齢者のニーズに対応し、高齢期になっても安心して暮らせる街づくりを目指したプロジェクトを紹介する。
安全を求める高齢者の住まい探し
少子高齢化や単身世帯の増加といったライフスタイルの多様化により、住まいのあり方も変化している。その中でも、体力が低下し、介護の必要性が高まる高齢者にとって安心して暮らせる住環境は大切だ。
今回は、バリアフリーや見守りなどに配慮した『JKKシニア住宅』をご紹介。一人暮らしからファミリータイプだけでなく、高齢者など住宅の確保が難しい人に向けて約70,000戸の部屋を管理するJKK東京(東京都住宅供給公社)の新プロジェクトとは。
2024年12月25日から入居者募集を開始する新しい住まいの形をぜひチェックしてみて欲しい。
東京都小金井市に団地を活用したシニア住宅が誕生
JKK初となる『JKKシニア住宅』は、東京都小金井市にある「小金井本町住宅」の一部エリアを建て替えた住宅だ。昭和30年代後半に整備した20棟770戸からなる既存の住宅を活用し、地域の特性に応じた包括的なケアの充実に取り組む。
高齢期の健康面や生活全般に関する相談に対応する地域包括支援センターや、長期居住から短期入所(ショートステイ)まで受け入れ可能な特別養護老人ホームを団地内に設置。住人だけでなく、周辺地域に住んでいる高齢者のニーズにも対応し、遠出をせずにワンストップで自分らしい暮らしを続けられる。
同じ敷地には公園があり、体操やジョギングで運動不足を解消することも可能。滑り台やジャングルジムといった遊具も充実しているため、週末は孫と一緒に遊べるのも嬉しいポイント。木陰にあるベンチで近隣住人と談笑する時間も楽しむことができる。
『JKKシニア住宅』は日常生活の負担を軽減するバリアフリー設計が特長的で、室内の段差解消、浴室やトイレの手すり設置に加えて、車いすでも使いやすい玄関引き戸や洗面台、流し台を採用。足腰の弱い人でも転ぶ危険性が少ないばかりか、立ち座りもしやすく、軽い力で自由に部屋の行き来ができて安心・安全だ。部屋数は、1Rと1DKの間取りが合計で40戸あるという。
また、「緊急通報装置」が部屋にあり、体調の急変によって緊急ボタンを押した場合や、センサーが異常を検知した場合は警備会社のスタッフが自宅へ駆けつけて対応。日常生活の緊急事態における不安を解消する「見守りサポート」もある。
特別養護老人ホーム「本町けやきの杜」が敷地内にあることで、要介護や認知症の症状があらわれて生活に支障が出始めても、能力に応じて自立した日常生活を営める。
団地内には、単身から子育て世帯に嬉しい子育てに配慮した設備を整えた「カーメスト武蔵小金井」の一般住棟も新設。近くに若いファミリー層がいることで、賑やかでアットホームな環境が醸成されるだろう。
高齢者が住みなれた地域に、しかも住まいの近くに福祉施設もあれば、万が一不測の事態が起きたとしても安心だ。高齢者ひとり一人の多様な支援の形があるからこそ、複合的な福祉サポートが整う住環境は今後もニーズが増えていく可能性がある。
【データ】
JKK東京(東京都住宅供給公社)
https://www.to-kousya.or.jp/chintai
『JKKシニア住宅』
https://www.to-kousya.or.jp/chintai/new/c_musashikoganei/senior
家賃:79,000円〜108,800円/月(別途共益費:6,000円/月)
※JKK東京(東京都住宅供給公社)の発表したプレスリリース(2024年11月20日)を元に記事を作成。
図表/JKK東京(東京都住宅供給公社)提供 構成・文/松藤浩一
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