阪神タイガース選手が実際にやっている<タオルストレッチ>で肩こりや五十肩を撃退【治療家・仲林久善さん】
年をとるごとに肩こりや五十肩など肩回りの不調で悩む人が増えるが、日々のセルフケアで改善できることもある。しかも、1日1回たった30秒程度でできるのがタオルストレッチ。 阪神タイガース選手をはじめ、多くのアスリートのトレーナーを務める、治療家の仲林久善さんが考案した不調の解消術、タオルがあればどこでもできるというのだから、これなら続けられそう。いまから、あなたもやってみませんか?
教えてくれた人
治療家・こころ整骨院院長 仲林久善さん
1985年生まれ。整骨院での患者のほか、プロ野球、サッカー、空手、ボクシングなど世界で活躍する選手を多数治療。阪神タイガースの近本光司選手、大山悠輔選手の専属トレーナーを務める。
正しいフォームで体が伸びる
阪神タイガースファンの友人から「選手がやっているいいストレッチがある」とすすめられたのがコレ。1日1回30秒というので試しに1週間、記者も続けてみたら、あら不思議。慢性的な肩こりや腰痛がすーっと楽になった。
そのストレッチを考案した『1回30秒・おうちでほぐれる タオルストレッチ』(東洋館出版社)の著者で治療家の仲林久善さんを訪ねると、「これまでどんなストレッチも続かなかった人にこそ、おすすめです!」という、力強い言葉が戻ってきた。
「ストレッチは続けるうちにどうしても自己流になってしまい、伸ばしすぎて筋を痛めるなど、逆効果になることもあるのです。しかし、タオルを使えばゴムのように伸縮しないので持ち手を固定することができ、余計な負荷もかからず、伸ばしすぎることもなく、誰でも同じフォームでできます。自然に気持ちよく体が伸ばせる実感があるので飽きずに続けられます」(仲林さん・以下同)
仲林さんは阪神タイガースの近本光司選手(29才)やJリーガーなどのトレーナーも務めており、選手も実践しているという。
「近本選手も取り入れてから5年くらい続けていますが、体がよく動くようになり、パフォーマンスも向上しています」
仲林さんの治療院には、頭痛や肩こりに悩む40代以降の女性も多いが、彼女たちには胸の筋肉を伸ばすことをすすめているという。
「女性は体の構造上、呼吸が浅く、胸呼吸をする人が多いため、胸まわりの筋肉が緊張して首や肩がこわばってしまう。そこで胸筋を伸ばし、ほぐして柔らかくする必要がある。タオルを使えば、自然に引っ張る動作ができて伸ばせます」
毎朝実践している記者は、目覚めのよさも実感している。
「背筋が伸びて体の傾きが直り、正しい姿勢が身につくほか、冷え症改善やお腹が凹んだというかたもいます。今回紹介するストレッチを、気になるものからでいいので、1つでも毎日続けていくといいですね」
<First Step>タオルストレッチを始める前に
●タオルはなんでもOK?
「ある程度強く引っ張っても破れず、小さく畳めるフェイスタオルが最適ですが、温泉タオルでも、スポーツタオルでもなんでもOK。推しのバナータオルを使ってもいいですね」(仲林さん・以下同)。
●効果が上がる時間帯はある?
ダイエットを期待するなら朝がベスト。
「背中には脂肪細胞が集まっており、朝、肩まわりのストレッチを行うと一日の代謝が上がりやすくなります。睡眠を改善したい場合は、夜眠る前に横になって行うストレッチを。寝つきがよくなります」。
●タオルの持ち方は?
強度によって変えよう。
「タオルの端を両手で持つのですが、両手の幅を広くすると強度が弱くなり、狭くすると強くなります。体が硬い、痛みがある人は、まず広く持ってください。気持ちよく伸びていると実感できたらOK。慣れてきて、より伸ばしたい、体を柔らかくしたいと思うようになったら、両手の幅を狭めていくといいでしょう」
●1日1回で本当に大丈夫?
「大事なのは正しいフォームで毎日続けることです。今回紹介したストレッチはだいたい1つが1回15~30秒以内でできます。どれもしっかりと体を伸ばせる内容なので、毎日続ければ効果は実感できます。忙しい人は、1つだけでも正しいフォームで行えば大丈夫です」
肩こりが楽になる
肩こりの基本ストレッチ。ウオーミングアップも兼ねており、すべてのストレッチをする前に行うと、さらに効果がアップする。
【1】両足は肩幅に開き、タオルは肩幅程度の幅で持つ。手を前後左右に動かしてみて、きつい場合は肩幅よりも少し広めにタオルを持ち、頭上でバンザイのポーズを取る。
【2】左にゆっくり倒し、倒し切ったところで5~10数える。右も同様に行う。
【3】前にゆっくり倒し、腰の角度が45度になるのを意識する。腰は引きすぎないようにして5~10数える。
【4】【3】の姿勢からゆっくり元の位置に戻り、そのまま後ろに体を反らす。できるところまででOK。その状態で5~10数える。
<ポイント>
ひじはまっすぐ伸ばしたままで、ゆっくりと体を倒すこと。
肩甲骨まわりのこりをとる
肩のこわばりや重だるさなどを感じる人向け。僧帽筋や肩甲骨をほぐし、肩の動きをよくする。
【1】両足を肩幅に開いて立つ。タオルは肩幅より広めに持ち、両手でピンと張るように引っ張る。
【2】両手でタオルを引っ張りながら、ゆっくり肩の高さまで下ろす。このとき、手のひらは少し外に向け、胸を張る意識で行う。【1】と【2】の動きを10回繰り返す。
五十肩の痛みが消える!
四十肩、五十肩で腕が上がらない人におすすめ。無理せず、腕のまわりの筋肉をほぐしてから、肩甲骨まわりのストレッチに進もう。
【1】足を肩幅に開き、両手でタオルの端を持つ。痛くない方の手(写真は左)を斜め上に上げ、小刻みに手を上方に引っ張るように10回動かす。
【2】両手でタオルを持ち、痛くない方の手(写真は左)をまっすぐ上げ、上にタオルを引っ張るように上の手を小刻みに10回動かす。次に、痛い方の手(写真は右)を上げ、引っ張るように上の手を小刻みに10回動かす。
<ポイント>
下の手は動かさないように体につけて固定して行う。余裕がある人は30回やってもOK。
取材・文/廉屋友美乃 撮影/奥田珠貴 イラスト/岩井勝之
※女性セブン2024年6月27日号
https://josei7.com/
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