介護を受ける人・介護する人の心の負担を軽くする対策とは?介護とストレス問題を専門家が考察|介護付有料老人ホーム「ウイーザス九段」
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「介護とストレスは切り離せない問題ですね」とは、脳研究の第一人者で『ウイーザス九段』で事業監修も務める古賀良彦さんだ。介護は身体的にも精神的にも大きな負荷がかかるものだけに、早めにストレスに対処しておくことが大事だという。介護を受ける人、介護する人のストレス対策について、古賀さんに教えてもらった。
教えてくれた人/プロフィール
古賀良彦さん(77才)
医学博士。杏林大学名誉教授。うつ病、睡眠障害、統合失調症の治療や研究のエキスパート。日本催眠学会名誉理事長、日本薬物脳波学会副理事長を務め、認知症などにも精通する。著書は『睡眠と脳の科学』(祥伝社新書)、『毎日脳活スペシャル ねこのまちがいさがし』(文響社)など多数
介護とストレスの関係
「人は生きていく中で、ストレスをなくすことはできません。ましてや介護となると、ストレスは切っても切り離せない問題といえます」(古賀さん、以下同)。
介護付有料老人ホーム『ウイーザス九段』では、高齢者施設で暮らす入居者のウェルビーイング※の実現を目指している。脳研究の専門家・古賀良彦さんのアドバイスのもと、食事や睡眠など心と体を元気にする数々の取り組みを実践する中で、「介護におけるストレスをいかに減らしていくか」は重要なテーマだという。
※ウェルビーイング=社会的なつながりの中で、心身共に元気で満足して過ごせること。また、その状態が持続することが重要とされている。
ストレスがたまる仕組みを知っておくことが大事
「ストレスを減らすために、まずはストレスがたまる仕組みについて理解しておくといいでしょう。ストレスを生み出す要因のことを“ストレッサー”と言います。そしてその“ストレッサー”によって生じる心の歪みと身体の不調が“ストレス”です。“ストレッサー”はいくつかの種類に分けられます」
●ストレッサー|要因
・生物学的ストレッサー|睡眠不足や疲労、食欲不振など
・物理学的ストレッサー|騒音や振動など
・化学的ストレッサー|悪臭や光化学スモッグなど
・心理社会的ストレッサー|介護における人間関係、就職や人事異動といった様々なライフイベントなど
ひとつひとつのストレッサーは小さなものかもしれませんが、それらが複合的に重なることでストレスがじわじわと積み重なり、心身に不調をきたしてしまうこともあります。
こうしたストレッサーは、介護シーンでは特にたくさん潜んでいます。
介護が必要な人は、そもそも心身の不調を抱えていることが多いので、生物学的ストレッサーがストレスの大きな要因となります。暮らしている環境によっては、物理学的ストレッサーを感じている場合もあるかもしれません。
また、在宅介護においては、『妻は夫の親と折り合いが悪いのに、夫の方は妻が介護をするのは当たり前だと思っている』など夫婦間の価値観の相違や、嫁姑の不和など心理社会的ストレッサーが生じるケースも多いでしょう。そこに、排泄ケアで生じるニオイの問題など化学的ストレッサーが加わることもあります。
介護を受けるご本人もそうですが、介護をする側、する人のストレスを減らすことは重要な課題だと考えます。
介護は毎日続くものであり、日々蓄積される些細なストレスにはご本人が自覚しにくいため、対処が遅れがちになってしまうケースが多々あります。
日々生じる小さなストレスのことを『デイリーハッスル』と呼び、少しずつ心を歪ませていく要因となります。気がついたときには心が破綻をきたし、様々な症状を引き起こしてしまうのです。そうなる前に、日々のストレスに対処しておく必要があります」
自分のストレス耐性を知っておこう「タイプAチェック」
「まずは、自分のストレス耐性について知っておくといいでしょう。
心理学の用語に『タイプA』という言葉があります。タイプAは、感情優先型とも呼ばれ、ストレスを抱えやすい、つまりストレス耐性が弱いとされています。そしてタイプAには、いくつかの性格の特徴が挙げられます。それは競争心が強く、感情的、いつも焦っていてゆとりがない、物事を曖昧な状態にしておけないといった傾向です。
ご自身がタイプAの傾向がどのくらいなのか、ストレスへの耐性がどのくらいなのか、チェックしてみるといいでしょう」
感情優先型・タイプA 調査テスト
【1】忙しい生活ですか(いつも2点・しばしば1点・そんなことはない0点)
【2】毎日の生活で時間に追われるような感じがしていますか(いつも2点・しばしば1点・そんなことはない0点)
【3】仕事などに熱中しやすいほうですか(いつも2点・しばしば1点・そんなことはない0点)
【4】仕事に熱中すると、他のことに気持ちの切り替えができにくいほうですか(いつも2点・しばしば1点・そんなことはない0点)
【5】緊張しやすいですか(いつも2点・しばしば1点・そんなことはない0点)
【6】イライラしたり、カッカしたり、怒り易いほうですか(いつも2点・しばしば1点・そんなことはない0点)
【7】几帳面ですか(いつも2点・しばしば1点・そんなことはない0点)
【8】陽気なほうですか(いつも2点・しばしば1点・そんなことはない0点)
【9】気性が激しいですか(いつも2点・しばしば1点・そんなことはない0点)
【10】仕事などで他人と競争意識を持ちやすいですか(いつも4点・しばしば2点・そんなことはない0点)
【11】やる以上は徹底的にしないと気がすまないほうですか(いつも4点・しばしば2点・そんなことはない0点)
【12】自分の仕事や行動に自信が持てますか(いつも4点・しばしば2点・そんなことはない0点)
※採点方法
いつも…2点
しばしば…1点
そんなことはない…0点
設問10~12は得点を2倍にして計算。
★結果
合計得点が17点以上は「タイプA」
「タイプAのチェックは、1950年代に心疾患になりやすい人を分析した性格や行動パターンから導き出されたもので、自分を客観視することに役立ちます。
タイプAの傾向が強かった人は、ストレスを溜めやすいだけでなく、相手に対してもストレスを与えやすいとも考えられます。
たとえば職場の上司がタイプAだった場合、部下が精神的なストレスを抱えてしまうケースも。
タイプAに該当する場合は、『焦らずゆっくりやってみよう』『大した問題じゃないから後回しにしよう』などと意識して行動を変えていくことで、ストレスを感じにくくなり、気持ちがラクになるということもあります」
ウェルビーイングには「介護と生活のバランスが大事」
「よりよい介護のためには、介護が必要な人も介護する人も、ともにウェルビーイングを実現し、その状態が“サスティナブル”(持続可能)であることが大切。
ご家族思いだからこそ、ご家族を思うあまり『介護がすべて』となってしまうことがあるかもしれません。でも、できればいったん立ち止まって、ご自身と介護を必要とするご家族と、両方のウェルビーイングを少し考える時を持ってほしいです。介護をする人は、ご自分の充実した生活の中に『介護』が含まれている状態が望ましいですね。
ワークライフバランスという言葉がありますが、介護も同じで、自分の生活の楽しみと介護とのバランスが保たれていることが理想的です。
介護と生活のバランスが保たれていれば、ストレスは溜まりにくくなるわけですが、どうしても日々小さなストレッサーは次々とあらわれるものですよね」
ストレスはその日のうちにリセット!
「1日働いて(介護をして)生じたストレスは、その日のうちにリセットする時間をもつことをおすすめします。
ストレスや不安を感じると、脳の前頭葉の血流が低下することがあります。前頭葉の血流をアップさせるには、ボードゲームや折り紙、塗り絵、なぞり書き、読書などがおすすめ。なるべく準備や片付けが簡単で取り組みやすく、夢中になれること、楽しいと思えることを20分程行うのが効果的です。
私が行なった実験によると、パソコンの画面に数字が表示される度に手に持ったボタンを押す(タッピングという)単純作業に比べ、塗り絵や読書、なぞり書きは、脳の前頭葉の血流が増えることが判明しています。単純な作業よりも、自分で工夫しながら楽しめるものがストレスのリセットに向いているといえます」
1日の中で楽しみの時間を持ち、ストレスを翌日に持ち越さないようにする。こうした取り組みは『ウイーザス九段』でも実践している。
美術に造詣が深い入居者には、かつて実際に見たことがある作品やそれにまつわる思い出がつまった美術書を取り寄せて、読書を楽しんでもらう。また、園芸が趣味の入居者には、屋上の庭園で植物に触れてもらう。こういった取り組みがストレス解消に繋がっている。
「ストレスのない心地よい暮らしのために大事なのは、画一的なサービスではなく、入居者一人ひとりに寄り添ったケアですね。ウェルビーイングの実現のためにも、それぞれのライフヒストリーに合わせた楽しみを提供することに大きな意味があると思います」
「また、在宅介護で介護を受ける人、介護する人も、ともにストレスを抱えてしまっている場合は、高齢者施設への入所を検討することも、お互いのウェルビーイングにとって有効かもしれません。ご本人は居心地のよい施設で暮らし、ご家族と距離を取ることで、お互い良い関係を結べることもあります」
『ウイーザス九段』には、「人を大切にする」という強い意識が根付いている。古賀さんは、「だからこそ、いつ来ても居心地がよく、入居者もスタッフもイキイキと楽しそうに見えますね」と語る。
「とはいえ、介護スタッフのみなさんは、日々大変なこともあるでしょうから、1日の終わりに自分へのご褒美として、ご自身の好きなことに20分ほど没頭する時間を持ってほしいと思います。そうすることで、翌日はまた笑顔で働いていけるのではないでしょうか」
【誰かに話したくなるプチコラム】教えて先生!
脳研究の専門家・古賀さんが高齢者のウェルビーイングな生活にまつわる疑問にアンサー!
ストレスケアにおすすめの香りは?
古賀さん
リラクゼーションにおすすめの香りは「ラベンダー」
リラクゼーションにおすすめの香りは「ラベンダー」
「エッセンシャルオイルによる脳の機能の鎮静効果を脳波で測定した比較実験で、ラベンダーの香りはレモンなど柑橘系の香りに比べて、鎮静を示すα波を増加させ、脳の活動を穏やかにする作用があることがわかっています。
ストレスを感じた日の夜などに、ラベンダーの香りでリラックスするのもおすすめです」
取材・文/青山貴子 撮影/柴田愛子
介護ポストセブンからお申し込みいただいたかたには特典があります。見学をお申し込みされる際、「介護ポストセブン」の記事を見たとお伝えください。
【データ】
■ウイーザス九段
介護付有料老人ホーム(一般型(介護予防)特定施設入居者生活介護)
所在地:千代田区神田神保町三丁目6番地
居室数:84室
定員:87名
全室個室 一人用居室81室、二人用居室3室
入居要件:原則満65歳以上、入居時自立・要支援・要介護の方
運営主体:株式会社ウイーザス(株主 小学館不動産株式会社・株式会社久保工)
https://withus-care.jp/
■個別見学・相談会開催中!
問い合わせ:0120-142-089(9:00~19:00)
URL:https://kudan.withus-care.jp/
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