「お母さんの膵臓…す、すっごい!」NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~第16回
山口県で80代の母と暮らす漫画家で栄養士の資格をもつうえだのぶさん。母は慢性膵炎を抱えていたが、ついに原因が判明して緊急手術へ。コロナ禍で病院は面会謝絶、神様仏様に祈り続けた娘、のぶさんの想いが通じ、手術は無事に終わった。しかし、その翌朝に新たな謎が――。
「すっごい!」
膵管の中に石が見つかり、それを取り除くための内視鏡施術を受けた母。
1週間も絶食した状態から全身麻酔での内視鏡手術。コロナ禍で立ち会うこともできず様子もわからないまま、病院からの「無事終わりました」の電話を受け、疲労と安堵で倒れるように眠りについた私でしたが。。。
――翌朝。9時頃だったでしょうか。
携帯に母からの着信。
母「の、、のぶちゃん、、、、、、」
何!? どうした!? 何があった!? 何が起きた!?
母「あのね、、、今日のお昼から、食事が出るって、、、」
えええええ~~~~!?
マジで!?ウソでしょ!?手術終わったの昨日の夜よ!!??
その後担当の先生から電話がかかり説明を受けました。
先生いわく、「手術はあと2回、今回は応急処置的な手術で膵液の流れがよくなるようにしました。
そしてお母さんの膵臓の現状を調べたところ…」
先生「すっごい良好です」
私「“すっごい”んですか?」
先生「はい、“すっごい”です」
冗談でもフィクションでもなく、本当にこのやりとりをしたんですよ。
真顔ならぬ「真声」で。
先生によると、膵臓は平たい臓器で、炎症などのダメージを受けると厚みがなくなってだんだん薄くなってくるそう。
でも母はこれまで数回炎症をおこしているにも関わらず、しっかり厚みがあって状態も良く、先生もびっくりされたそうです。
「今日から段階的に食事を出して、普通食で問題なければ退院になります」
あああ、それを聞いたら母がどんなに喜ぶか。。。
先生「それと応急処置がしてあるので、退院したら次の手術までは何を食べてもいいですよ」
私「あ、すみません、それは本人には言わないでください」
先生「どうしてですか?」
私「揚げ物を食べまくると思います(キッパリ)」
先生「・・・わかりました。言わないでおきます」
ああ、良かった良かった。
電話を切って仰向けに倒れじっと目を閉じ、、、ふと考えました。
「すっごい良好」で良かったけど、あと2回も手術?
好きなものを食べていいの?予防策は?膵臓がんの心配はないの?
ああ、なんだかモヤモヤするよお。。。
わからないことが山盛りのまま次回、母退院! そこで判明した母の病気の謎とは!?
NO老いるMemo「今どきの病院食」
母が入院した病院の献立表をとっておいてくれたので、それをもとにイラストを描いてみました。
膵臓に負担をかけない食事なので、もちろん脂質は控えめです。
最近は病院でも食事に力を入れているところが多く、管理栄養士の皆さんが色んなメニューを考案されています。
だけど、家でこんな手の込んだ食事は作れないなあ。。。
――手術が無事終わったものの、モヤモヤが募るのぶさん。次回は2月28日公開予定です。
絵と文
漫画家・うえだのぶ
イラストレーター・漫画家。57才。山口県で81才の母とふたり暮らし。40代で地元の短大に入学し、栄養士の資格を取得。地元山口県を拠点に、漫画を利用した食育や時短調理などの栄養講座の講師なども務めている。
ホームページ:uenobu.com アメブロ:https://ameblo.jp/abareinupoti/ インスタ: https://www.instagram.com/nobuueda/?hl=ja
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