85才のぬか漬け名人に学ぶ「乳酸発酵白菜漬」の作り方「発酵パワーで毎日食べて病気知らず」
暑さ疲れで不調を招きやすいこれからの時期に、元気をつけてくれるのがお漬けものだ。新鮮な野菜をぬかなどに漬け込むだけで腸活にもよく、ご飯との相性も抜群! そこで40年間ぬか床を作り続けている名人・佐々木さんにぬか床の作り方を教えてもらった。料理研究家・今泉さんのぬか漬けを使ったアレンジレシピと共にご紹介する。
教えてくれた人
佐々木勝彦さん/佐々木発酵漬物店 店主
青年時代地元長崎県で農業技術研究を行い、その後独自のぬか漬け研究を行う。日々こだわりの漬けものを作り続ける。
今泉久美さん/料理研究家・栄養士
女子栄養大学栄養クリニック特別講師。野菜たっぷりで栄養バランスのよい家庭料理が人気。近著に『腸活とフレイル予防に「みそ汁」一日1杯5分の習慣 』(文化出版局刊)など。
植物性乳酸菌やミネラル、ビタミンたっぷり「乳酸発酵白菜漬」
佐々木発酵漬物店 店主 佐々木勝彦さん 青年時代地元長崎県で農業技術研究を行い、その後独自のぬか漬け研究を行う。日々こだわりの漬けものを作り続ける。
ぬか漬け名人といわれる佐々木勝彦さんが40年物のぬか床で作り続ける『乳酸発酵白菜漬』は、その名の通り植物性乳酸菌や、ミネラル、ビタミンがたっぷり。
「ぬか床には乳酸菌や酪酸菌などの菌が含まれていますから、毎日食べることで腸内環境も改善します。私もずっと病気知らずですよ」
その顔は活力に溢れ、肌も85才とは思えないほどハリがある。
「生ぬかで作った自家製ぬか床なら、元気な乳酸菌をそのまま体に取り込め、野菜を漬けるたびに食物繊維が菌のエサになるので、菌のパワーもどんどん強くなります。市販のぬか床の場合は、生ぬかを足して栄養豊富なぬか床に育てましょう」
野菜から出てくる水分は栄養たっぷりなため捨てずにぬかを追加、味が薄まってきたら塩を追加する。
「好みで昆布や唐辛子を入れても旨みが出て、おいしいですよ」
【DATA】佐々木発酵漬物店
千葉県船橋市本町7-4-14
佐々木名人直伝ぬか漬けの作り方
ぬか床はやわらかめが◎。
「水分が少なく硬いぬか床は、雑菌も入りやすくなります」(佐々木さん)。
毎日の元気のために、栄養たっぷりの自家製ぬか漬け作りにぜひトライしてみて。
◆材料(作りやすい分量)
白菜…1個
生ぬか…1kg
原塩(岩塩、天日塩など)…100g
煮立たせて冷ました水…2L
切り昆布…20~30g
唐辛子…5本
◆作り方
【1】容器に、生ぬか、切り昆布、輪切りにした唐辛子を入れ、手で混ぜ合わせる。
【2】【1】に、塩を入れ、まんべんなく行き渡るように手でよく混ぜ合わせる。
【3】【2】に、水を3回に分けて入れ、粉っぽさが残らないように手でよく混ぜ合わせる。
【4】ぬか床は手ですくうと指の間からポトンと落ちるくらいがよい。常温に置き、1日1回程度上下を入れ替えるようにかき混ぜる。1週間は何も漬けない。
【5】白菜は縦半分に切り、かぶるくらいの塩水適量(海水程度)にひと晩漬けたあと、縦6~8等分に切る。
【6】流水で【5】をよく洗い塩分を落とし、水気を切る。
【7】【6】を【4】のぬか床に漬けて常温に置き、1日1回はかき混ぜる。1~2日で食べ頃に。食べるときはぬかを洗い落とす。
※白菜は生では漬かりにくいため塩水に漬けますが、きゅうり、にんじん、大根などは洗って水気をふき、そのまま漬ける。1~2日で食べ頃に。
ぬか床お悩みQ&A
Q:生ぬかが手に入らない場合は?
A:炒りぬかでも大丈夫です
米穀店で購入できる生ぬかがベストですが、手に入りやすい炒りぬかでもOK。
Q:ぬか床の白い部分は?
A:白いものはカビではなく酵母
表面の白い膜(写真)は酵母菌の一種である産膜酵母。うっすらと張る程度なら、ぬかに混ぜ込み、覆う量なら取り除いてぬかと塩各適量を足す。黒、赤、青いものはカビなので、1cmほど削り取ってから使う。
Q:旅行で家を空けるときは?
A:ぬか床の表面をラップで密閉
漬けている野菜は取り出し、空気が入らないようにぬかの表面をラップで覆う。心配な人は冷蔵庫へ。かき混ぜれば復活します。
ぬか漬けのアレンジ料理!「ぬか漬けの納豆炒飯」
料理研究家の今泉久美さんがぬか漬けを使ったアレンジレシピを考案してくれたのでご紹介する。
<作り方>
【1】にんじんのぬか漬け4cm(20~30g)は粗みじん切り、きゅうりのぬか漬け1/2本は縦4等分に切り、さらに5mm幅に切る。
【2】フライパンに油大さじ1を熱し、溶き卵1個分、酒大さじ1を振った温かいご飯2杯分、納豆1パックを入れ、中火で均一に混ざるまで炒める。
【3】【2】に【1】と長ねぎの粗みじん切り1/2本分を入れて炒め、ねぎの香りが立ったら塩・こしょう各少量、しょうゆ小さじ1~11/2の順に加えて炒め合わせる。
撮影/玉井幹郎、菅井淳子 取材・文/佐々木めぐみ、廉屋友美乃
※女性セブン2023年9月28日号
https://josei7.com/
●「まごはわさしい」で作る腸活メニュー|日本の発酵食品はやっぱりすごい