失敗しない【ぬか漬け】入門|ぬか床の作り方、野菜別漬け方、ぬか漬けのお悩みQ&A
食材や手入れ方法などで日々味が変化するぬか漬けを、「育てる」ように楽しむ人が増えています。冷蔵庫で漬ければ毎日かき混ぜる必要なしと、意外に手入れも簡単。免疫力を保つ乳酸菌の効果も注目されています。「マイぬか床」を愛でる喜び、味わってみませんか?
初心者はホーロー容器に漬け、冷蔵庫管理で手軽に
「特に夏場は、冷蔵庫で漬けることで格段に失敗を減らせます」
と、教えてくれたのは料理研究家・井澤由美子さん。常温よりも発酵が緩やかになり酸味が安定しやすいという。
「ホーロー容器は塩分や酸に強く、においが漏れない点も冷蔵庫向き。冷蔵庫なら2日に1度かき混ぜれば大丈夫ですが、かき混ぜて酸素を送り込むことで乳酸菌や酵母のバランスがよくなり、複雑な味わいに育っていきます。漬ける時間は好みですが、半日程なら浅漬け、3日程なら古漬けなど、好みの漬け具合を探ってみてください」
★井澤由美子さんのマイぬか床を拝見!
● 1年目のぬか床
● ホーロー容器
● 夏は防腐効果のある実山椒や唐辛子を多めに入れる。ぬか床がゆるくなったら乾物の大豆をひとつかみ入れて、水分を吸収させる。大豆はそのまま食べてもおいしい。
「うちには塩分や風味の違う3種類のぬか床があります。漬ける食材によっても発酵具合が変わり、味や香りが変化していきます」
ぬか床の作り方
<用意するもの>
ホーロー容器(2L)
<材料>
生ぬか(または煎りぬか)…500g
塩…70~80g
水… 2カップ
しょうが・にんにくの薄切り…各2~3枚
赤唐辛子(種は除く)…2本
昆布(5cm角)…2枚
捨て漬けの野菜(大根やにんじんの皮、キャベツの外側の葉など)…適量
【1】塩を湯に溶かして混ぜる
鍋に水2カップを沸かし、塩を加えて混ぜ、冷ます。塩と水をあらかじめ混ぜて加えることで、ぬか全体にムラなく塩分が行き渡る。
【2】ぬかをしっかりかき混ぜる
容器にぬかを入れ、【1】を少しずつ加えながら混ぜる。底からひっくり返すようによく混ぜ、粉っぽさがなくなりしっとりすればOK。【3】旨み素材と捨て漬け野菜を加える
旨みのしょうが、にんにく、赤唐辛子、昆布を入れて混ぜ、発酵を促す捨て漬け野菜をぬかに埋める。野菜は1~2日毎に取り替える。
【4】1週間~10日おき、発酵させる
表面を平らにし、カビの原因になる内側のぬかを拭いて冷暗所におく。1日2回かき混ぜ1週間~10日でなめらかになったらぬか床完成!
基本のぬか漬け
■きゅうりとなすのぬか漬け
みずみずしい夏野菜は新鮮なうちに漬けて
<作り方>
きゅうりは両端を切り落とし、なすはへたの先とがくを落とす。それぞれ塩もみし、ぬか床に入れて1~2日漬ける。
★POINT
●塩もみで味が染みやすく色鮮やかに
塩もみをして漬けると味がなじみやすく、野菜の色も悪くなりにくい。塩をつけた手でもむか、まな板の上で転がしてなじませる。
●大きめの食材にはぬかを挟み込む
太めのなすなどはそのまま漬けると味がなじみにくい。縦に切り込みを入れて、ぬかを間に挟むと味が全体にムラなく染みる。
みょうが、かぼちゃ、すいかの皮、3種のぬか漬け
■『みょうがのぬか漬け』:爽やかな香りを楽しむなら浅漬けで
<作り方>
丸ごとぬか床に入れて1~2日漬ける。
■『かぼちゃのぬか漬け』:レンジ加熱すれば半日から食べられる
<作り方>
【1】かぼちゃ1/4個は種とわたを取り、皮ごとふんわりとラップをかけて電子レンジで2分加熱する。
【2】【1】をぬか床に入れて半日~2日漬ける。
■『すいかの皮のぬか漬け』:血圧を下げるカリウムも豊富
<作り方>
外側の皮を剥いてぬか床に入れ、3時間~1日漬ける。
★POINT
緑色の部分は硬いので、できるだけ薄く除き、白い部分だけを漬ける。漬け上がってから食べやすい大きさに切る。
※材料は特記のあるもの以外は2人分です。 ※電子レンジは600Wを使用しています。