【コミックエッセイ】NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~ 第2回「母の病は原因不明」
栄養士の資格をもつ漫画家のうえだのぶさん。母が緊急搬送されて膵炎が発覚したのが4年前。以来、母と娘、二人三脚で膵臓に負担をかけないよう油控えめ「NO老いる(オイル)」な食生活を送ってきたが、母の容体にふたたび異変が…。
なぜ母が膵炎に?
母の病は原因不明!?
「急性膵炎」の診断の後、まず担当医に聞かれたのは「お酒は飲みますか?」でした。
でもうちの母、ほとんど飲むことはないんです(飲酒はお正月のお神酒くらい)。
「胆石もないんですよね。暴飲暴食されているようでもないですし」
となると…
「原因は『不明』です」
え? そんなアッサリ…。ウソでしょ!?
ところが、医師によると、急性膵炎の原因は「主にアルコールか胆石」、その次が「原因不明」なんだそうです。
発症は男性が50代、女性は70代に多いとのこと。その時の母は76才、まさに教科書通り。
そんな膵炎の治療の基本は、「絶食と安静」。
母は症状が軽かったようで絶食は1日だけ、翌日から「おもゆ」「おかゆ」「普通食」と進み、1週間で退院となりました。
「しばらく油っこい料理や刺激物は避けてくださいね」との説明を受け、定期的に検査を受けながら様子をみることに。
暴飲暴食はしないけど、油っこい料理は好きな母。
2019年の1月に緊急搬送されて以来、揚げ物やクリーム系のものはぐっと我慢。その甲斐あってか退院後の経過は良好で、その年の秋には無事「喜寿」を迎えました。
その後も膵臓の負担を減らすため、油物はなるべく控える食事を続けました。そして何事もなく2年が過ぎ、母娘揃って膵炎のことを忘れ始めた2021年3月のことでした。
「なんだか胃が重い」と言う母を念のため病院に連れていったところ、まさかの「即入院」!
膵臓の異常を知らせる“アミラーゼ値”が正常値の10倍以上もあったんです!
なんで!? 痛みはないのに? 油だって控えていたのに!? なんで再発???
困惑する私と母をよそに、病名は「慢性膵炎」。原因不明の病と併走するなんて…(涙)。
こうして、いよいよ本格的な脂質制限生活が始まります。
のぶさんと母の「食事日誌」より
栄養士の資格をもつのぶさんは、母の退院後から食事日誌を毎日かかさずつけている。
医師によると、膵臓に負担をかけない食事のポイントは、【1】脂質を控える、【2】消化が良いもの、【3】「刺激物は避ける」の3つだそう。
そこで早速のぶさんは、消化のことを考えて、雑穀ご飯を白いご飯に変更。食材はなるべくやわらかくして食べやすく、ヨーグルトを脂肪0にして脂質をカット。
栄養士魂に火が付き、母のために、へんじょこんじょ(山口弁で「なんだかんだ」)と世話を焼くのぶさん。”NOオイル”でもおいしい食事のアイディアを模索する日々――。次回(8月16日公開予定)もお楽しみに!
絵と文
漫画家・うえだのぶ
イラストレーター・漫画家。57才。山口県で80才の母とふたり暮らし。40代で地元の短大に入学し、栄養士の資格を取得。地元山口県を拠点に、漫画を利用した食育や時短調理などの栄養講座の講師なども務めている。
ホームページ:uenobu.com アメブロ:https://ameblo.jp/abareinupoti/ インスタ: https://www.instagram.com/nobuueda/?hl=ja