高血圧でも薬いらずに!元気な血管を保つ生活習慣10選 「横向きで寝る、アロマの香りも」
「血管を若返らせ、元気な血管を保つことが高血圧でも薬に頼らない生活が送れるポイント」だと、秋津医院院長・秋津壽男さん。健康な血管を作るには、運動、食べ物、生活習慣この3つが重要となる。今回は生活習慣について専門家の方々に話を伺った。
昔ながらの健康法で血管を広げる
日常生活のちょっとした心がけでも血管を鍛えられる。そこでも意識したいのは血管の収縮と拡大だ。
秋津医院院長・秋津壽男さんはこう話す。
「血管は寒くなるとしぼんで体温が逃げるのを防ぎ、暑くなると広がって放熱します。血管が収縮、拡大を繰り返すと血流が改善し、高血圧を防ぎます。これから夏場にかけて気温が上がりますが、冷房の効いた部屋にばかりいると血管が収縮してしまう。時には外出して、血管を拡大させると効果的な“血管ストレッチ”になります」
昔ながらの「乾布摩擦」もよいトレーニングになる。
「乾布でこすった皮膚が赤くなるのは血管が広がったから。クーラーが効いた部屋にいる場合は時々、乾布摩擦をすると血管を広げられます」(秋津さん)
→高血圧でも薬に頼らない生活を送るために!手軽にできる8つの運動習慣「おすすめは肺まわりのストレッチ」
スムーズなお通じになるよう心がける
便通をよくすることも血管の若返りにつながると話すのは、日本歯科大学病院内科臨床教授の渡辺尚彦さん。
「排尿や排便をがまんすると血圧が上がります。特に便秘は排便時にいきむことが多く、血圧が上がりがちです。下痢も腹痛によって体に負担がかかって、結果的にストレスで血圧が上がることがあります。高血圧対策としても普段からスムーズなお通じを心がけてほしい」(渡辺さん)
お風呂は「ぬるめのお湯で半身浴」
一日の仕事を終え、お風呂で心身を癒し、疲れを取る人も多いはず。だが入浴時の温度と時間には気をつけたい。
「熱いお風呂は血圧を急激に上げ、長湯は血流を急激に循環させ、のぼせるリスクがあります。39~40℃ほどのぬるめのお湯につかり、長湯する場合は半身浴にすれば血管への影響を抑えられます」(渡辺さん)
睡眠は「横向き」になりながらアロマの香りでリラックス
忙しい一日を締めくくる睡眠は、眠りながら血管を若返らせるチャンスでもある。
「血圧の上昇には、不安やストレスなどのメンタルが大きく関係します。睡眠時にアロマを利用すると、脳に直接作用して疲労や緊張、不安を和らげて血圧上昇を予防します。なかでもリラックス効果があり、“西洋のヒノキ”ともいわれる『サイプレス』は、血管を拡張させるため降圧効果が期待できます」(加藤さん)
睡眠中、のどの奥にある軟口蓋(なんこうがい)が下がって気道をふさぎ、呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」。近年、高血圧や糖尿病の原因となることがわかってきたが、自覚がなくともきちんと睡眠がとれず交感神経が働いて、寝ている間にもかかわらず血液を体に送ろうとするため血管への負担も大きい。これは「睡眠時の姿勢」で改善できる。
「横向きに寝れば無呼吸にならず、結果的に血圧上昇を抑えられます。気づきにくい症状ですが、塩分過多や肥満など思い当たる理由がないのに血圧が高い人は、“横向き眠り”を試してほしい」(渡辺さん)
休日は朝寝坊を
朝になり、起床とともに新しい一日が始まるが、実はたまの朝寝坊も血管を健康に保つための大切なメソッド。
「血圧は日中の活動時に最も高くなり、睡眠時に最も低くなるため睡眠時間が長い方が、平均血圧が低くなります。普段忙しい人ほど休日に思い切り朝寝坊すれば、睡眠時間を確保できて血圧の上昇を抑えられます。ただし10時間以上の長い睡眠はかえって血圧を上げるので要注意。1日平均7時間程度になるよう調整しましょう」(渡辺さん)
高血圧の新常識を理解して、若返りのスイッチ・オン!
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