甲状腺の病気を徹底解説「バセドウ」「橋本」「腫瘍」の症状・治療法、間違われやすい病気一覧も【伊藤病院院長が解説】
疲れやすい、やる気が起きない、動悸が激しいなど、なんとなく体の調子が悪いことはありませんか。コロナ禍のストレスや運動不足、更年期のせいだと思いがちですが、甲状腺にかかわる病気の可能性が大。実は40代以上の女性の10人に1人が甲状腺に異常を抱えているんです。日常生活を送るのがとてもつらく、周りの理解も得られにくいこの病気。詳しく知ることで救われることもあります。一緒に学びませんか?
その不調…こんな甲状腺の病気かも
甲状腺に関わる病気は、別の病気に間違われがち。だから適切な治療を受けにくく、発見が遅れることも多い。多様な甲状腺異常の症状を知って、専門医への受診をしたいもの。
甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは、いわば“元気の源”。多すぎても少なすぎても体にさまざまな異常をもたらす。具体的な症状と治療法を一覧にしてみた。甲状腺にかかわる病気『バセドウ病』『橋本病』どちらの症状が多いですか?
■『バセドウ病』『橋本病』共通症状
・毛がよく抜ける
・首が腫れる・太くなる
・のどに異物感がある
・むくむ
・疲れやすい
■『バセドウ病』のおもな症状
・かゆみ
・多汗・暑がり
・のどの渇き
・動悸
・月経不順(減る、無月経)
・食欲旺盛なのに体重が減る
・手足が震える
・コレステロール値の低下
・息切れ
・不整脈・脈拍数が多い
・下痢
・眼球が出る
・眠れない
・イライラ・集中力の低下
ほかに、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎、甲状腺機能性結節など。
■『橋本病』のおもな症状
・もの忘れが多くなる
・肩こり
・声がかすれる
・脈が遅くなる
・眠くなる
・やる気が起きない
・うつ
・月経異常(量が多くなる)
・食欲減退
・急に太る
・肌や爪の乾燥(発汗作用の低下)
・便秘
・冷え症・低体温