猫が母になつきません 第304話「しゅうかくする」
プロが作るいちごってやっぱりすごい。母のいちごは小さくてやせていて味はうすいし香りもない。それはそうです。植えただけで肥料もなし、ビニールもかけていない。虫には食べられるし、実が地面についてしまっているので傷みまくり。地面には敷き藁をしてやさしく実を守ってやらないといけないそうです。「実」と書いてしまいましたが、いちごのほんとうの「果実」は表面についているごまみたいなつぶつぶの部分らしい(驚)。私たちが実と思って食べている赤い部分は「花托(かたく)」といって、でっかい茎みたいなものなのです。母のいちごはつぶつぶがすごく小さくて黒くて数が多かったので「これって何なんだろう」と思って調べてみてこの意外な事実にぶちあたりました。長生きはするもんだ、疑問に思ったことはぐぐるもんだ。毎日ザルに一杯分ほど収穫されるいちごは洗って乾かし、葉っぱと傷んだところを切り取って鍋に入れていちごの半量の砂糖をまぶして一晩放置します。次の日にはいちごからかなり水分が出ているのでそのまま煮てアクを丁寧にとればいちごジャムの出来上がり。すごく簡単です。ただ、ジャムを作ったことがある人ならその砂糖の量に毎回びびるはず。全部食べていたらたいへんなので、もっぱらいただきもののお返しにしています。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母とくらすため地元に帰る。典型的な介護離職。モノが堆積していた家を片付けたら居心地がよくなったせいかノラが縁の下で子どもを産んで置いていってしまい、猫二匹(わび♀、さび♀)も家族に。