「人にやさしくなるゲーム」が話題 どんな言葉をかけたら相手の心に響くのかを学べる
コロナ禍において体調不良を他人に伝えるのはためらわれる。咳をする人が周囲にいたら思わず距離をとってしまう。心に余裕がなく、他人にやさしくできない……そんな空気に一石を投じるゲームが話題を集めている。
漢方薬ブランド『漢方セラピー』シリーズを販売するクラシエ薬品が企画・開発した『人にやさしくなるゲーム』がそれだ。同社ヘルスケア事業部の植木裕之さんが語る。
「生薬を原料とした漢方は、一人ひとりの体質や症状に寄り添う薬です。個々に寄り添おうとする気持ちはやさしさや思いやりに通じます。社会全体にそうした気持ちが広がってほしいという思いを込め、このゲームを企画しました。
プレーヤーはこのゲームを通じて、体の症状や悩み、さらにはその解決法についての知識を得ることができます。周囲の人への理解を深め、寛容性を持ち、誰もがその人らしい生き方のできる社会になってほしいと思います」
このゲームは、1人のプレーヤーが「体調不良の人」になり、「周りの人」からかけられる「セラピーワード(相手の気持ちを想像し、気遣う言葉)」をヒントに、自分の症状を推測し当てるゲームだ。
ゲームのやり方
≪STEP1≫
全員に「症状リスト」を配り、裏向きにした「病状カード」「アプローチカード」を山札として置き、「セラピーチップ」「砂時計(1分)」も置く。「体調不良の人」を決め、その人がアプローチカードの山札から1枚ひき、表にして置く。全員でアプローチ方法を確認する。
≪STEP2≫
「体調不良の人」は症状カードの山札から、表を見ないように1枚ひく。周りのメンバーに症状が見えるようにおでこにあてたら、砂時計をひっくり返す。メンバーは砂が落ちている1分以内に、アプローチカードの方法に沿って、「体調不良の人」に症状の解決法を提案する。
≪STEP3≫
「体調不良の人」は提案をもとに、症状リストを見ながら、砂時計の砂が落ちきるまでに、自分の症状カードに書かれている不調を当てる。
≪STEP4≫
症状カードの不調をズバリ当てることができたら成功。そして「この人の言葉はやさしかったな」と思う人に対して、セラピーチップを1枚贈る。
症状カードは6つのカテゴリー(「日常的な不調」「お腹の不調」「お肌の不調」「ストレス系の不調」「年齢による不調」「女性の不調」)に分かれ、それぞれに症状が記載されている。
たとえば「年齢による不調」の症状は、「体力低下」「物忘れ」「目がかすむ」「五十肩」「耳鳴り」「関節痛」の6種類。中高年にはなじみがあるが、若者は理解しにくいかもしれない。同様に「女性の不調」の3症状「生理痛」「ホットフラッシュ」「産後うつ」は、男性には理解しづらい。
「年齢や性別によってイメージしにくい症状について理解を深め、“どんな言葉をかければ相手の心に響くのか”という感覚をこのゲームで養っていただければと思います」(植木さん)
他人の痛みを自分に置き換え、ともに考える社会。漢方にかかわってきた同社ならではの奥深いゲームだ。
症状カードは45種類。アプローチカードは9種類。「なりきり上司」「オノマトペ」など、アプローチの方法が書かれている。恥ずかしがらずに演じると、より盛り上がる
【データ】
『人にやさしくなるゲーム』/3630円。対象年齢10才以上、プレー人数2~6人、プレー時間約15分。
薬局やドラッグストアでおなじみ、『漢方セラピー』(クラシエ薬品)の誕生15周年を記念して制作された、「やさしさ」をテーマにしたゲーム。症状カード(45枚)、アプローチカード(9枚)、砂時計、症状リスト(6枚)、セラピーチップ(9枚)、説明書からなる
※女性セブン2022年4月21日号
https://josei7.com/
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