春ならではの山菜絶品レシピ「わらびとあさりの混ぜご飯」「うどとうるいのしゃぶしゃぶ」
春ならではの香り、苦みを存分に味わえる山菜料理。山菜は好きだけどどう調理すれば…? そんな方のために、東京都・港区にあるひとつ星の和食店「空花」さんが、おうちで簡単に作れるのに山菜の個性が際立つ絶品レシピ2品を考案してくれました。お店で実際に行っているあく抜きや、切り方のポイントなどもご紹介します。
えぐみや香りを活かすひと工夫を
「天然の山菜はあくが強めで水にさらすと水が黄色っぽくなるので、無色透明になるまで水を取り替えます。栽培ものはあくが弱めなので、えぐみや香りをあえて残すために、あく抜きはほぼ不要。ただし、わらびは必要で、あくを抜いた後、下味をつけておくと保存がきくうえ、味付けも簡単になります。
お店では、炊き込みご飯やしゃぶしゃぶのだし汁はかつおぶしの旨みが力強い二番だしを使い、山菜の強い香りとの調和をとります。一番だしや塩分が含まれていない市販のだしを使うと上品に仕上がるので、お好みで選んでください」(空花・脇元かな子さん)
わらびとあさりの混ぜご飯
細かく刻んだわらびが風味と食感を格上げ
<材料>2人分
わらび…10本
あさり…500g
酒…1/2カップ
米…1 1/2合
だし汁…適量
みりん・薄口しょうゆ…各大さじ2/3
<作り方>
【1】あくを抜いて下味をつけたわらび(a)は穂先の部分を切り、茎は細かい小口切りにする(b)。
【2】鍋に砂抜きしたあさりと酒を入れ、火にかけて煮立たせる(c)。口が開いたら火を止め、あさりを取り出し、身と殻に分ける。
【3】【2】の煮汁にだし汁を加えて11/4カップにし、みりん、薄口しょうゆを加える。
【4】土鍋(炊飯器でも可)に洗った米と【3】を入れ、炊く。
【5】炊き上がったら【1】と【2】の身を加え、混ぜる。
「灰」であくを抜く
[1] バットにわらびを入れ、灰(なければ重曹)を全体にまぶす。
[2] わらびがひたひたになるまで熱湯を加え、アルミホイルで蓋をして3時間~ひと晩おく。
★POINT★
(a)あくを抜いたわらびはしょうゆ・みりん各少量を加えただし汁に半日浸け、下味をつける。時間がなければ、しょうゆとみりんを絡めるだけでもよい。
(b)わらびは細かく切ることで、シャキシャキ感や独特のぬめりを楽しめる。
(C)あさりの身が硬くならないよう、煮過ぎないのがポイント。旨みたっぷりの煮汁は、だしとしても使う。
うどとうるいのしゃぶしゃぶ
春の香りを肉の旨みにまとわせる
<材料>2人分
うど…1/2本
うるい…4本程度
牛ロース薄切り肉…200g
だし汁・みりん・薄口しょうゆ…各適量
<作り方>
【1】うどは皮をむいて(a)約5cm長さの薄い拍子木切りにし、たっぷりの水にさらす。うるいはうどの大きさに揃えて切る(b)。
【2】だし汁、みりん、薄口しょうゆを6:1:1の割合で混ぜ、鍋に入れて火にかける。
【3】【2】が沸騰したら、牛肉と【1】を加えて軽く火を通す。
★POINT★
(a)うどは中央の柔らかい部分まで厚めに皮をむく。皮は繊維が多いので、きんぴらなどに使う。
(b)山菜は加熱しすぎると、食感や風味が失われる。サッと加熱する程度で火が通るよう、薄く切る。
教えてくれた人
空花 脇元かな子さん
ミシュラン三つ星の常連店『かんだ』で研鑽を積んだ後、神奈川・鎌倉に自身の店を構える。2020年に東京に移転し、今年、初のひとつ星を獲得。
和食「空花」
住所:東京都港区虎ノ門5-3-3 神谷町プレイス1階
撮影/市瀬真以 取材・文/西谷友里加
※女性セブン2022年4月7・14日号
https://josei7.com/
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