啓蟄・春分の意味は?春に味わう和食レシピを分とく山・野崎洋光さんが提案
「春分」など季節のうつろいを感じさせてくれる“二十四節気”は、太陽の動きを元に1年を24等分し、約15日おきにおとずれます。節気を取り入れたおかずを作って、食卓で季節を感じてみませんか。
美味しい日本料理が大人気の分とく山・総料理長の野崎洋光さんが、3月の節気『啓蟄』と『春分』をイメージしたレシピを教えてくれました。節気の意味を和文化研究家の三浦康子さんがわかりやすく解説。寒さがゆるみ、ぽかぽか陽気につつまれるような優しいお味に、ほっこりしますよ。
※材料は記載のあるもの以外、2人分です。※二十四節気の日付は2021年の場合です。
はまぐりの利久焼【啓蟄】
春を象徴する海の旨みに濃厚ごまだれをたっぷり!
【啓蟄】3/5~19
蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)という四字熟語に由来。土の中で冬ごもりをしていた生き物たちが、大地が温まることで活動を始める頃を示す。陽射しも少しずつ強く、暖かくなってくる。
<材料>
はまぐり…4個
万能ねぎ…適量
【A】
だし…大さじ4
しょうゆ・みりん…各大さじ1
かつおぶし…ひとつまみ
【B】
すりごま(白)…大さじ3
おろしにんにく…少量
ラー油…数滴
<作り方>
【1】鍋に【A】を入れて火にかける。ひと煮立ちしたら濾して冷ましておく。
【2】【B】を混ぜ合わせ、【1】を少しずつ加えながら練り混ぜ、ごまだれを作る。
【3】はまぐりは殻から身を外し、再び殻に戻し、網にのせて両面を焼く。8割ほど火が通ったら、【2】をかけてさらに焼き、仕上げに小口切りにした万能ねぎをのせる。
★メモ
「ひな祭りは本来、人形に穢れを移して水に流す行事。その際に潮干狩りをした名残りで、はまぐりを食します」(三浦さん)
さわらの淡煮【春分】
春を告げる魚を新わかめとサッと煮た清らかな味わい。
【春分】3/20~4/3
昼と夜の長さがほぼ同じになる春分の日は、自然をたたえて生き物を慈しむ国民の祝日。前後各3日間のお彼岸はこの世とあの世が最も通じやすいとされ、墓参りをする風習が。
<材料>
さわら…2切れ(120g)
塩…適量
しいたけ…2個
長ねぎ…1/2本
わかめ…30g
絹ごし豆腐…1/4丁
木の芽…適量
【A】
水…1 1/2カップ
薄口しょうゆ…大さじ1 1/2
酒…大さじ2/3
昆布…5cm角
<作り方>
【1】さわらは両面に薄く塩を振って20~30分おき、霜降りして汚れを洗い、水気を拭く。
【2】しいたけは軸を取り除き、熱湯をかけて冷水にとる。
【3】長ねぎは4cm長さに切り、両側面4か所程度に斜めに軽く切れ目を入れる。わかめは食べやすい長さに切り、豆腐は半分に切る。
【4】鍋に【A】、わかめ以外の食材を入れて火にかける。中火で煮て、沸騰したらわかめを加え、長ねぎに火が通ったら器に盛り、木の芽を添える。
★メモ
「さわらや新わかめなど旬の食材から旨みが出るので、だしは不要です」(野崎さん)
教えてくれた人
分とく山 総料理長 野崎洋光さん
日本料理の研鑽を積み、『分とく山』を開店して30年超。家庭向けの和食を書籍等でわかりやすく提案もしている。
和文化研究家 三浦康子さん
テレビ、ラジオなどで現代に活かす和の文化を提案し、著書多数。All About『暮らしの歳時記』ガイドも務める。
撮影/鈴木泰介
※女性セブン2021年1月21日号
https://josei7.com/
●分とく山・野崎洋光さんの”七草粥”作り方|二十四節気を意識した豊かな暮らしを