ダイエット成功に必要な5つの心得「寝不足も寝すぎも太る」理由を医師が解説
「ダイエットを頑張ってるのになかなかやせない」。そんな人は、夜な夜なテレビやスマホなど見て寝不足になっていませんか? 肥満・メタボ外来で20年にわたり診察をしている浅原哲子先生は、「夜更かしはダイエットを妨げる理由のひとつ」と、指摘します。浅原先生の詳しい解説を見ていきましょう。
「睡眠不足」がダイエットを妨げる
問題点:寝る前にゲームや録画したドラマなどをつい見てしまう。
対 策:やせやすい時間帯を狙って早寝を心がける。
夜更かしがダイエットを妨げる理由は、体内時計の乱れのほかにもう1つある。
「睡眠が足りないと、食欲を促す『グレリン』というホルモンが増加し、食欲を抑えるレプチンが減少します。夜中につい何か食べたくなるのは、ホルモンや心理的要因によるものなのです。また、夜眠っている間に脳下垂体からは成長ホルモンが分泌されています。このホルモンは、ダメージを受けた組織を修復するほか、代謝を促進する働きがあります。
しかし、夜更かしでホルモンが不足すると、脂肪細胞のエネルギー燃焼効果が低下し、内臓脂肪がたまりやすくなります。つまり、睡眠不足が続けばどんどんやせにくい体になってしまうということ。成長ホルモンの分泌は午後10時から午前3時頃がピークなので、やせるためには、この時間帯を含めた就寝が効果的でしょう」。
寝すぎも注意 ベストは7~9時間
英・リーズ大学が2017年に行った睡眠時間と代謝の研究結果によると、19~65才の1615人中、6時間睡眠の人は9時間睡眠の人より胴囲が3cm太いという結果が出ている。ただし、寝すぎも代謝を落とすので、睡眠は7~9時間が適正だ。
本気でやせたい人へダイエットの心得5か条
「国立病院機構京都医療センター 肥満・メタボリックシンドローム外来(以下京都医療センター 肥満・メタボ外来)」で「やせるメソッド」を構築した浅原哲子さんに聞いた、本気でやせるための心構えがこちら!
【ダイエットの心得5か条】
1.高脂肪食は中毒性あり。年末年始の“ごちそう習慣”を断ち切りましょう
2.「○○抜き」の極端なダイエットは、より食欲を刺激し、リバウンドにつながります
3.“ダイエットの4原則”は「間食しない」「揚げ物を摂らない」「野菜ファースト」「1日8000歩歩行」
4.「80kcal=30分歩く」を基準に、好きなお菓子のカロリーと、消費に必要な運動量を把握しましょう
5. 1か月1kgでも、1年で12kg減「急がば回れ」のダイエットは、一石十二鳥
教えてくれた人
浅原哲子さん/医師
国立病院機構京都医療センター臨床研究センター 内分泌代謝高血圧研究部 部長、名古屋大学環境医学研究所 メタボ栄養科学研究部門 特任教授。国立病院初の肥満・メタボ外来(予約制)の開設以来、20年にわたり、3000人以上の減量指導を行う。近著に『「いただきます」を言わない人が太るワケ』(三笠書房〈知的生きかた文庫〉)。「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)でのダイエット解説も話題となる。
イラスト/香川尚子 取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2022年2月3日号
https://josei7.com/
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