やせたいなら体重計に乗りなさい「ダイエット成功の秘訣は朝晩の体重測定」【医師解説】
今ダイエットをしようと考えている方、自分の体重が何キロだか分かりますか? 20年にわたりダイエット指導を行ってきた医師の浅原哲子さんは、「本気でやせたいなら、自分の体重とその変化を直視することが大切!」と話します。肥満学会でも体重測定が最も効果の高い方法だと発表しています。数字がだんだんと下がれば継続の励みにもなりますよ。久々の方は憂鬱かもしれませんが、今すぐ体重計に乗ってみましょう。
「体重を測らない」こともやせない理由のひとつ
「国立病院機構京都医療センター 肥満・メタボリックシンドローム外来(以下京都医療センター 肥満・メタボ外来)」で「やせるメソッド」を構築した浅原哲子さんに聞いた、やせない理由とは。
問題点:自分の体重を直視しない。そもそも家に体重計がないという人も。
対 策:毎日朝晩2回体重計に乗り、「体重グラフ」をつける。
久々に体重計に乗って愕然…。ますます測るのが怖くなり、ダイエットのモチベーションも下がりそう。
「憂鬱かもしれませんが、本気でやせるためには、自分の体重とその変化を直視することが重要。体重測定は、日本肥満学会でも行動療法の根幹となっていて、最もダイエット効果の高い方法といえます。同学会では、毎日起床時、朝食後、夕食後、就寝前の4回測定し、折れ線グラフで推移を観察することを推奨していますが、1日4回はさすがにハードルが高いと思いますので、起床時と就寝前の2回でも充分です。必ず測り、グラフに記録してください」(浅原さん・以下同)
必ず体重と食事の記録をつけよう!
見方としては、朝と夜で体重が1kg以上増えていれば、その日は食べすぎの可能性がある。
「グラフの幅が小さくなるよう心がけましょう。ダイエットと適度な運動を続けていれば、個人差がありますが、1か月後には1kg程度、着実に減っていきます。徐々に下降していくグラフを見ることで、ダイエット継続の励みにもなります。肥満・メタボ外来の調査では、食事記録と体重グラフの両方をつけた患者さんは半年で5kgの減量に成功し、つけなかった人はほぼ減量できなかったという結果も出ています。
→本気でやせるために!5つの心得と4つの原則「たったクッキー1枚でもカロリーオーバー」
停滞期はダイエットが成功しているサイン
“1か月1kg減”を提唱しているので、初めは下がり方が少なくても焦らないで大丈夫。また、順調に減っていたのに体重が下げ止まる時期もあります。これは、体がエネルギー不足と捉え、消費を抑えようとする『ホメオスタシス(恒常性の維持)』という働きによる停滞期。しばらくすると体が納得し、停滞期も終わります。むしろダイエットが成功している証拠と前向きに捉えましょう」
教えてくれた人
浅原哲子さん/医師
国立病院機構京都医療センター臨床研究センター 内分泌代謝高血圧研究部 部長、名古屋大学環境医学研究所 メタボ栄養科学研究部門 特任教授。国立病院初の肥満・メタボ外来(予約制)の開設以来、20年にわたり、3000人以上の減量指導を行う。近著に『「いただきます」を言わない人が太るワケ』(三笠書房〈知的生きかた文庫〉)。「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)でのダイエット解説も話題となる。
取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2022年2月3日号
https://josei7.com/
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