「親の不便」帰省時が確認のチャンス!介護に備える準備を
いつか、始まるかもしれない「介護」。気になる人は多いだろ。帰省などで久しぶりに会う親は、元気に見えても、電球交換ができない、腰痛で庭の草取りができないなど、不便を感じていることも。
介護以前の“困った”を解消するサービスを探しておくことが大事だと、介護ジャーナリスト・太田差惠子さんはいう。
他人からのサポートに慣れておく
「離れて暮らす親が心配…。夫の体調が不安…。そんなときは、なるべく多くのサポート手段を探しておきましょう。まだ元気なうちから、他人にサポートしてもらうことに慣れてもらえれば、本格的な介護サービスが必要になったときに導入しやすくなります。
介護をサービスに頼ることは、手抜きではなく、お互いの気持ちを楽にし、よい関係を保つための手段です。日常生活で何か困ったこと、不便に感じていることはないか、聞くことから始めてみましょう」(太田さん、以下「」内同)
住まいや健康、食事など、ジャンル別に日常生活の「困った」をチェック!
【住まいをチェック】家の中の不便は?
□電球は切れてないか
「高い場所の電球を替える際、転倒して骨折するという事故も。帰省時に電球を確認し、持ちのいいLEDに交換するのも手」
□家電は使いやすいか
「重い掃除機、二層式の洗濯機、複雑な手順の電子レンジなど、体が弱ってからは使いにくい家電の見直しを。私の母親もお掃除ロボットを買ったら掃除が楽になったと喜んでます」
□家のリフォームを検討
「段差の解消や手すりなど、将来の介護に備えてリフォームの検討を。高齢者を狙った悪質業者が増えているので、地元の信頼できるリフォーム業者を調べておきましょう」
【健康をチェック】健康サポートのアイテムの活用も
□体調や健康状態の確認
「電話やメールなど、親との連絡手段を確保しましょう。また、象印マホービン『みまもりほっとライン』など、企業のサービスやアイテムを使う手も」
□薬は何をのんでいるか
「薬局でもらえる『おくすり手帳』には、処方された薬の名前やのむ量、回数などの記録が明記されているので、保管場所を確認し、薬の内容を控えておくといいでしょう」
【食事をチェック】宅配のお試しサービスから始めて!
□食材の買い出しは大丈夫か
「食材から日用品まで、ネットスーパーや宅配を活用するといいでしょう。今は、買い物配達サービスをしているスーパーも増えています」
□食事の宅配を検討
「毎日の食事作りが大変そうなら、お試しサービスを注文して一緒に味見してみては。また、『地域包括支援センター』でお弁当宅配サービスの紹介もしてもらえます」
【暮らしをチェック】頼れる業者を確認
□家事代行サービスの利用を検討
「介護までいかずとも、お手伝いサービスや日常の家事を助けてくれるボランティアサービスを探しておくといいでしょう」
□ボランティアスタッフを探す
「膝や腰が弱ると庭の草取りや障子の破れなどの補修もひと苦労。そんなときに活用したいのが、親と世代が近いボランティアスタッフを紹介してくれる『全国シルバー人材センター事業協会』。話し相手が欲しいなどの相談にものってくれます」
□ゴミ出しルール・収集サービスを確認
「親の暮らす地域のゴミ出しのルールを調べておきましょう。家の中に高齢者が運べない粗大ゴミはないかも確認。自治体によっては自宅までゴミの回収に来てくれるケースも」
□年金はどのくらい、重要書類はどこ?
お金と重要書類を確認しておくこともポイント。
「離れた親の元に通う交通費、入院費や医療費など、本格的な介護が始まる前でもお金は意外とかかるもの。普段から親や夫とコミュニケーションするなかで、聞いておきましょう。
介護する親をかかえた子供は、仕事も子育ても真っ最中でお金がかかる世代。ですから、親の介護は親のお金でまかないたいもの。また、夫が急に倒れて要介護になった時に備え、使えるお金があるか、年金はどのくらいあるか、重要書類の保管場所などを聞いておきましょう」
初出:女性セブン
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