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デジタル機器活用で介護の不安軽減に期待!一方で操作への懸念も<介護世帯の不安とデジタルツール活用に関する調査>

 介護の場において様々なデジタルツールが活用され、介護のデジタル化が進む昨今。介護者の負担が減るなどのメリットは多々あるものの、デジタル機器の操作への不安など懸念を抱く人が多いのも確かだ。「介護世帯の不安とデジタルツール活用に関する調査」から、介護にデジタルツールを活用する際の期待と不安の声をレポートする。

「介護世帯の不安とデジタルツール活用に関する調査」結果をご紹介

 介護にデジタルツールが活用されることも珍しくなくなった現代日本。とはいえ、高齢者の中には未だデジタル機器にあまり馴染みがない人も多く、要介護者を親に持つ人々の間では懸念の声が挙がることも。

 そこでTQコネクトは、現在介護を必要とする親がいる60~70代の人(同居中を除く)200名を対象に、「介護世帯の不安とデジタルツール活用に関する調査」を実施。その結果から、介護にデジタルツールを導入する際の障壁となることや、期待することなどをレポートする。

93%が親と顔を見て話すことで安心

 まず、「介護中の親と顔を見て話すことは安心感に繋がりますか」と尋ねたところ、「とてもそう思う(57.5%)」「ややそう思う(35.5%)」の合わせて93.0%と大多数が安心感に繋がると回答する結果となった。

介護に関する不安は「経済的負担」が最多

 続いて、「介護に関して、どのような不安を感じますか」という質問を実施。その結果、「経済的負担」が47.5%で最多となった。また、介護中の親の居住形態別にみると、別居かつ施設に入居していない場合は「親が倒れても気づけないこと」や「親の生活習慣や食事の状況が把握できず、健康状態がわからないこと」への不安が高いことが判明した。

不安を感じる状況は「電話をしても親が出ない時」

 また、介護に関する不安がある人を対象に「どのような状況で不安を感じることが多いですか」と尋ねると、介護中の親の居住形態によって、不安を感じることに違いがあることが明らかになった。

 介護中の親と別居している人の約4割が「電話をしても親が出ない時」に不安を感じている一方、施設に入居している場合は連絡に対する不安は少ないものの、「介護サービスの利用状況がわからない時」に不安を感じているようだ。

最も多い安否確認の方法は「定期的な電話」

 次に、「親の安否確認や見守りのために行っていること」について尋ねた。その結果、最も多い回答は「定期的に電話をする」で40.5%となり、「介護サービスや訪問介護を活用する(35.5%)」、「週に1回以上訪問する(30.5%)」と続いた。

「親が操作に不慣れ」でデジタルツール不使用も

 続いて、前問でデジタルツールを利用すると回答した人以外を対象に「デジタルツールを活用していない理由」を尋ねたところ、「親がデジタル機器の操作に不慣れだから」という回答が56.7%で最多となり、「親がデジタル機器を使いたがらないから(21.7%)」、「必要性を感じないから(20.1%)」と続く結果となった。

85%が親のデジタル機器操作に不安あり

 また、「親のデジタル機器の操作について、不安を感じることはありますか」と尋ねると、「とても感じる(58.0%)」「やや感じる(27.0%)」と合わせて85.0%の人が不安を抱いていることが判明した。

「操作への不安」などがデジタルツールの導入障壁に

 続く「今後、介護対象者の見守りや安否確認のためにデジタルツールを導入したいですか」という問いには、操作への不安や詐欺被害への懸念など、導入の障壁を感じる声が多く挙げられた。

<デジタルツールの導入を阻む理由/一部抜粋>

・操作や扱い方を説明する時点で「面倒だから嫌!」と喧嘩になるのが目に見えている

・親がデジタルツールを使いこなせる自信がない

・準備する自分自身も設定などよくわからなくて難しい

・Wi-Fiがない

・詐欺被害にあわないか心配

・ペットの見守りサービスのようで嫌だから

・コストがかかるから

・直接顔を見て確認する方がお互いに安心するから

デジタルツール導入で「親の見守りにより安心を」

 また、前問でデジタルツールを導入したいと回答した人を対象にその理由を尋ねたところ、「親の見守りをより安心して行いたいから」が80.7%で最多となり、「コミュニケーションをもっと豊かにしたいから(30.7%)」、「介護負担を軽減したいから(25.8%)」と続いた。

 大多数が親の見守りにより安心感を求めてデジタルツール導入を検討している

デジタルツールの活用で要介護者も豊かな生活を

 介護世帯において、顔を見てのコミュニケーションが安心感に繋がることは明らかだが、頻繁に会いに行くことが難しい人も多く、リアルでの対話を補う手段が求められている。そんな中で今回の調査では、「親の安否がわからないこと」「介護サービスの利用状況が見えないこと」に不安を抱える人が多いことが明らかに。また、親が孤独感を抱えていないかを気にかけている人も少なくないようだ。

 2025年以降、要介護者の増加に伴い、家族や介護事業者の負担はますます大きくなるだろう。そうした中で、デジタルツールの活用は、家族の負担を軽減するだけでなく、要介護者自身が豊かな生活を送るための手段としての役割を果たすことが期待されている。親の介護にデジタルツールを活用したいと考えている人は、どのようなツールであれば双方に負担なく導入できるか、早い段階ですり合わせておくのもおすすめだ。

【データ】
https://tqconnect.co.jp/

【調査概要】
調査名称:介護世帯の不安とデジタルツール活用の実態についての調査
調査機関:Freeasy
調査対象:現在介護を必要とする親がいる60~70代の人(同居中を除く)
調査方法:Webアンケート
調査日:2025年3月3日
有効回答数:200件

※TQコネクトの発表したプレスリリース(2025年3月12日)を元に記事を作成。

図表/TQコネクト提供 構成・文/秋山莉菜

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