トーストを外はサクッ、中はモチッ!ムラなく焼けるトースター開発物語
家電メーカー・シロカによると、食パンは表面を一気に焼き上げることで中心部の水分が増量し、外はサクッと、中はモチッとしたおいしいトーストになるという。この理論に基づいて作られた『すばやきトースター』の開発物語に迫った。
おいしく、ムラなく焼く技術の秘密
この4月末に発売されたシロカの『すばやきトースターST-2D351』は、従来品をフルモデルチェンジした新製品だ。
従来品は、ここ数年続く高級トースターブームに応えるため、高火力で一気に焼き上げることでトーストの中の水分を保ち、外はサクッと中はもちっとした食感を楽しめるように開発された。が、その発想は斬新だったものの、苦戦を強いられてきた。問題はその機構にあった。外気の影響を受けやすい庫内両端にパンを置くと焼きムラができてしまうなど、扱いが難しかったのだ。そこで、おいしく焼く技術とムラなく焼く技術を両立させようと、新商品の開発が急がれていた。
新商品の開発には、乗り越えるべき課題が2つあった。1つは、スピーディーに焼き上げるには相当の熱エネルギーが必要だが、熱源が大きくなるほど焦げやすくなるということ。もう1つは、庫内の高さは低い方がすばやく焼ける一方で、分厚いトーストや具だくさんのトーストを焼こうとすると食材がトースターのてっぺんについてしまい、使い勝手が悪くなるということだった。
シロカでは、この課題をどのように克服したのだろうか?
「素早く焼くために、従来と同じく高火力のカーボンヒーターを採用しましたが、反射板を反り返った形にすることで、庫内にヒーターの熱を均一に分散させました。また、ヒーター自体もコイルの間隔を、外気の影響を受けやすい外側は狭くして温度を高め、中心の方は広くすることで、庫内の温度が一定になるように設計しました。これにより、スピーディーかつ焼きムラなくおいしいトーストに仕上がるようになりました」と企画担当の重田りんさんは話す。
厚切りパンや焼きいもも丸ごと調理が可能
庫内の高さも業界最高クラスとなる10cmを確保。厚切りパンやクロワッサンだけでなく、焼きいもも丸ごと調理することができる。ちなみに、昨今のトースターは、焼きいものオートメニュー機能の有無が売り上げを大きく左右するといわれている(もちろん、搭載した方が売り上げは上がる)。『すばやきトースター』の場合も抜かりなく、焼きいも専門店と同じ糖度に仕上がるように研究を重ねたという。
従来品の難点に対する批判を真っ向から受け止めて完成した『すばやきトースター』。スタート後2秒でヒーターが立ち上がり、90秒で外はサクッと、中はモチッと焼き上がる。発売開始から1か月半ほど経った現在、インターネット通販サイトの口コミも好評だという。加えて、社内販売でも人気だそう。
温度設定は60~280℃まで細かく設定できるため、ドライフルーツやジャーキーなどの低温調理も可能なほか、オーブンとしても活躍する。毎日のおいしいトーストが楽しめるだけでなく、長く続く巣ごもりタイムを楽しませてくれる品としても期待できそうだ。
【データ】
トースト、チーズトースト、クロワッサン、焼きいもなど9つのオートモードのほか、温度と時間を自由に設定できるマニュアルモードも搭載。カラーはホワイトとブラックの2色。『すばやきトースター』1万7800円。
電話:0570-001-469(シロカサポートセンター)
※女性セブン2021年6月24日号
https://josei7.com/
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