この漢字読めますか?「ひ」ではありません|不思議な漢字クイズ3選
なんか1本多い?こんな漢字あったっけ!? と思わず二度見してしまう不思議な漢字を、『ながめて楽しい 漢字5万字』の中から、気になる不思議な漢字を紹介する。読み方や気になる意味を漢字の専門家に解説いただいた。介護中の息抜きや脳トレにぜひ!
漢字は2000年ほど前の弥生時代、中国から日本に伝わったと考えられている。当時著された中国最古の字書(漢字の読みや意味を解説した書物)『説文解字(せつもんかいじ)』には、約9000字が収められているが、私たちがいま、日常的に使っているのは約3000字。
大別すると3種類で、小学校で学ぶ「教育漢字」(1026字)、日常的に使われる「常用漢字」(2136字。「教育漢字」を含む)、「人名用漢字」(常用漢字以外で子の名に使える漢字。863字)だ。ふだん使う漢字はその3000字ほどだが、『ながめて楽しい 漢字5万字』は、その18倍もの文字数が掲載されている。
漢字というよりもはやイラストにも見える不思議な漢字3つをピックアップ。
「峯」に似ているような気もするが「みね」ではない!
音読みは「セイ」。「丹」と「生」の形声字であり、「青」の旧字体「靑」の古字。中心部に入っている●は丹の字の「、」を表している。丹は鉱物の染料を指す。
「風」に吹かれた?「かぜ」ではありません…
音読みは「カン」。「官」の古字。朝廷や役所など政治を司る機関、または役人を意味する。
「非」に似ているが…「ひ」ではありません
「卯」の古字。音読みは「ボウ」。卯は馬のくつわを口の外で両側から挟む金具(くつわかがみ)の象形文字。
漢字の作られ方(造字法)
象形文字…物の形をかたどって(まねて)作った文字。山、川、木など。
指事文字…点や線を使って事柄を表したり、象形文字にしるしをつけたりして作った文字。上、下、本など。
会意文字…象形文字や指事文字を組み合わせて作った文字。森、鳴、信など。
形声文字…発音を表す「音符」と意味を表す「意符」を組み合わせて作った文字。文字数がいちばん多く、漢字の80%以上は形声文字だとされる。江、河、材、和など。
教えてくれた人
大修館書店・池田菜穂子さん/『ながめて楽しい 漢字5万字』の担当編集者
監修・漢字解説
笹原宏之さん/早稲田大学社会科学総合学術院教授。文化庁文化審議会国語分科会で常用漢字の選定・改定作業に携わる。『日本の漢字』(岩波新書)、『謎の漢字-由来と変遷を調べてみれば』(中公新書)、『漢字は生きている クイズ120問』(東京新聞)など著書多数。
取材・文/藤岡加奈子 写真/GettyImages
※女性セブン2021年4月15日号
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