運動効果がすごい!チェアバレエ・エクササイズのやり方|美姿勢になってフレイル予防も!
幼い頃からクラシックバレエに憧れる女性は多いもの。でも、大人になってから始めるのはちょっとハードルが高すぎる…。そんな人にぴったりなのが、椅子に座ったままバレリーナ気分が味わえる、チェアエクササイズ。優雅な気分で筋力アップしませんか?
バレエをベースにした「チェアバレエ」の効果は?
自身の手術を機に「チェアバレエ」を稲垣領子(れいこ)さんが考案したのは約2年前。
「右足の股関節を人工股関節に置き換える手術を受け、リハビリを行いました。その際、周りでリハビリ中のかたの様子を見ながら『大変』を『楽しく』にできないかと思い、チェアバレエを考えました」(稲垣さん・以下同)
すでにニューヨークで、バレエをベースにしたエクササイズのトレーナー資格を習得していたため、それをアレンジして安全面を考え、椅子を使ったチェアバレエを考案した。
「バレエ同様、チェアバレエも常に正しい姿勢と呼吸を意識しながら行うのが大切です。姿勢が悪くなると、呼吸もしづらくなります。呼吸と動きが連動することで、動きがスムーズになるという効果も生まれます」
■フレイル予防、美姿勢とメリットが多い「チェアバレエ」
実際に稲垣さんの生徒には、チェアバレエを始めて、姿勢が美しくなった人も多いという。
「いくつになっても美しくありたい気持ちは、皆さん同じです。チェアバレエは、加齢により心身が衰えた状態であるフレイルの予防となる運動効果が期待できるだけでなく、美しい動きと音楽を取り入れることで、気持ちを華やかにしてくれます」
■テレワーク中の方にもオススメ!
さらにコロナ禍のいま、筋力の低下は高齢者だけでなく、在宅を強いられる多くの人に当てはまる。
「椅子に座ったままできるので広い場所は必要なく、安全性も確保できます。テレワークの合間にもおすすめです」
春になり、運動したい気分が高まるが、なまった体でいきなりハードな運動をするのは危険。まずはチェアバレエで、体力を回復しよう。
チェアバレエの基本ポジションを覚えよう
バレエのアームス(手)は、基本のポジションから常に始める。呼吸をしながら背骨を長~く伸ばすイメージで、左の写真【A】~【D】のように両手を上下に動かす。このとき、まっすぐな姿勢を意識して座り、流れるような動きで行おう。目安は4回を1セットとし、1~2セット行う。
【1】椅子に座り、ひざの上に両腕で円を作る。きれいな円を作るイメージでポーズをとる。
脚は太ももの内側(内転筋)を鍛えるためにそろえて行うのがベスト。難しければ、隙間を空けて座って行おう。ひざとつま先は同じ方向に向ける。
【2】円をキープしたまま、ふわっと胸の前まで両腕を上げる。
【3】円をキープしたまま、頭の上まで両腕を上げる。【A】~【C】の動きに合わせて鼻から息を大きく吸う。
【4】口から息を大きく吐きながら、両腕を横に大きく広げる。このとき、親指は下側に。腕が体よりも後ろにいかないように、体の少し前でキープする。
★座った姿勢をチェック!
鏡などで座った姿勢がまっすぐになっているかを確認してから、始める。
<OK>
<NG>
音楽に合わせてやってみよう!実践編
チェアバレエでは、実際のクラシックバレエと同じように音楽に合わせて体を動かすことが重要な要素の1つ。
「音楽をかけながら体を動かすことで、ヒーリング効果が見込めると同時に、音楽と動きを合わせようと考えることで、脳トレにもつながります。さまざまな楽曲が楽しめる『くるみ割り人形』や、王道の『白鳥の湖』などに合わせて行えば、バレエの気分も高まります」(稲垣さん)
※各エクササイズの回数はあくまで目安です。ご自分の体力に合わせ無理のない範囲で行ってください。痛みを感じたら、エクササイズを中止してください。
■ストレッチ
体の関節可動域を広げ、バランスよく体を動かす能力を高めるために行う。自分が伸ばしている部分に集中し、意識しながら行うことが、効果を上げるコツだ。
ただし、無理に伸ばしすぎないこと。目安は2回を1セットに、各1~2セット行う。伸ばすポーズは、伸ばした状態をキープし、それぞれ20数える。
■全身
両手の指を組んで裏返し、頭上に上げ、全身を上にぐーっと伸ばす。
■背中
【1】背骨をまっすぐ伸ばして座り、両手の指を組んで、手のひらを外側にして両腕を胸の前の位置に。
【2】体が後ろに引っ張られるようなイメージで背中を丸め、手は前へ伸ばす。このとき、頭は自然に下げる。
■体側
右手を上げ、左手は下げ、右腕を左側に傾けながら、体側面を伸ばす。右のお尻が浮かないよう注意。左右交互に行う。
■首
首の力を抜いて、前からゆっくり頭を回す。左右それぞれ交互に行う。
■肩
【1】両腕を水平の高さに上げ、両手を肩に置く。
【2】腕の高さはそのままに、両ひじを前に持ってくる。このときできるだけ両ひじを近づける。
【3】脇を伸ばすように、両ひじを上に上げる。
【4】腕を水平の高さに戻し、両ひじを後ろに引く。【1】→【4】の後、【4】→【1】と逆回しを行い、それをくり返す。
■お尻
【1】右足を左足の太ももにのせ、右足に両手を添える。
【2】体を前に倒す。このとき右足側のお尻の筋肉を伸ばすように倒す。左右交互に行う。
教えてくれた人
稲垣領子さん/日本バレエ・ワークアウト協会代表
大学時代よりジャズダンス、モダンダンス、バレエのレッスンを始める。ダンサーとして舞台やテレビなどで活躍。日本人で唯一の「New York City Ballet Workout」公認 Master Teacher Trainerを取得。取材・文/苗代みほ 撮影/横田紋子(本誌)
※女性セブン2021年4月8日号
https://josei7.com/
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