猫背を改善するストレッチ3選|縮んだ手足をグーンと伸ばす!
ステイホームを余儀なくされている今、自然とテレビやパソコン、スマホを見る時間が多くなりがちだ。その際、画面に吸い寄せられるように”猫背”になってはいないだろうか。そのせいで私たちの手足は短くなってしまうという。猫背を改善し、縮んだ手足を伸ばすストレッチを専門家に伺った。
猫背の姿勢が続くと手足が短くなっていく!?
「スマホを使うときやデスクワークをするとき、背中や腰が丸まった猫背の姿勢になっている人がほとんどです。しかしこの状態が長く続くと、骨盤が開いてゆるんだ状態になります。加えて、猫背の状態では腹筋や背筋など、体幹のまわりについた筋肉を使っていない。そのため、それらの筋力が徐々に低下していくのです」。
と教えてくれたのは、美脚トレーニングの指導者である中村希美さん。
筋力が低下していくと、骨盤が下がりずん胴に見え、加えてお腹もポッコリ出てしまうなど、全体的にメリハリの無い体になっていくそう。
さらに、鍼灸師の高林さんは、デジタル機器の長時間使用で腕を酷使しているという。
「腕の筋肉は動かしすぎると緊張して硬く縮こまり、短くなります」と話す。
→知らぬ間に短足に!こもりっきりで脚も腕も縮む理由|専門家が解説
3つのストレッチで腹筋や体幹を鍛える!
猫背や体力低下で短くなった手足を元に戻すための方法はあるのか。中村さんが提案するのは家の中でできるストレッチで腹筋や体幹を鍛える方法だ。
「特に推奨したいのは、腹筋を鍛える『板のポーズ』と体幹を使って行う『カエル跳び』のエクササイズです。板のポーズは腕立て伏せの要領で腹筋を刺激する方法。カエル跳びは、体幹を鍛えて股関節を広げる効果があります。全身を使った運動になるため、心肺機能の強化にもつながります」(中村さん・以下同)
板のポーズの後にカエル跳びを行うと、より効果を実感できるという。
「板のポーズは直接的に腹筋に負荷をかけるため、慣れるまではきついと感じる人が多いトレーニングです。難しい場合、最初はカエル跳びだけでもかまいません。筋肉や股関節が硬くなっている人は、カエル跳びのポーズを取ることすら大変ですが、毎日続けることで体が柔らかくなっていきます」
【ストレッチ1】骨盤を留める「板のポーズ」
腹筋に直接負荷をかけることで骨盤が下がるのを食い止める。まず腕立て伏せのポーズを取り、肩からかかとまでが板のように一直線になるようセットする。お尻が持ち上がらないように注意しながら下腹を引っ込め、20秒キープ。これを3セット行う。
【ストレッチ2】体幹を鍛える全身運動「カエル跳び」
【1】股を開いて、カエルのように座り、手を肩幅に開いて足から30㎝ほど前に置く。
【2】手で軽く体重を支え、前にジャンプする。
【3】着地し、しっかり手をつきなおす。
【4】今度は後ろに向かってジャンプし、着地。1の姿勢に戻る。これを10回×2セット行う。
ぐるぐる回して縮こまった腕を伸ばす
短くなった腕を伸ばす効果があるのは、高林さんが考案した「7回ぐるぐる腕回し」だ。まずは左右の腕の長さを確認することから始める。
「鏡の前で両足を腰幅に開いてまっすぐ立ち、バンザイをするように両手をまっすぐ上に上げてください。背筋を伸ばし、手のひらを正面に向けて指先を伸ばしてチェックします」(高林さん・以下同)
このとき、左右の腕の長さがほぼ同じであることが確認できるはずだ。確認したら、エクササイズを始めよう。
「右腕を伸ばしたまま、左手は右腕のわきの下を押さえ腕を安定させます。そして大きく右腕の前回しを7回、後ろ回しを7回行います」
この段階でもう一度腕の長さを比べてみると、筋肉のこりが取れて回した右腕が伸びていることがわかる。左の腕も同様に回そう。お風呂上がりなど体を温めた後が、筋肉が柔らかくなっているため、おすすめだ。
【ストレッチ3】7回で伸びる!「ぐるぐる腕回し」
【1】両足を腰幅に合わせて開いて立ち、バンザイをするように両手を肩幅でまっすぐ上げる。背筋を伸ばして手のひらを正面に向け、鏡で左右の腕の長さが同じであることを確認する。
【2】片手をまっすぐ上げたまま、手のひらを内側に向ける。反対側の手でわきの下を押さえ、指先はピンと伸ばす。
【3】手のひらを内側に向けたまま、前から後ろへ、後ろから前へ腕を7回ずつ回す。腕の長さを再度確認し、反対側も同様に行う。
「このエクササイズは一度で腕の長さがすぐに伸びる。そのうえ、肩こりや腰痛も改善します。ぽっこりお腹や太くなった脚を改善するのは時間がかかりますが、自分のスタイルに自信を取り戻すためにも、取り組んでほしい」
姿勢やスマホの見方など、日頃の心がけも大切
エクササイズと一緒に取り組みたいのが、ステイホーム中の姿勢の改善だ。中村さんが解説する。
「スマホやパソコンを使うときは、できるだけ背骨を立てることを意識して座り、頭を前に倒さないように注意して。
スマホならあごの高さまで持ち上げて、なるべく前傾姿勢にならないようにしましょう。デスクワークの場合は、バストの真正面に画面がくるように配置し、背筋を伸ばすこと。胸を張って反らすのではなく、背骨が床と垂直になるように姿勢を正しましょう」
自粛明けに向け、胸を張って街を歩けるよう、今日から始めよう!
教えてくれた人
中村希実さん/美脚トレーニング指導者・脚線整美師 https://kyakko-bijin.com/、高林孝光さん/アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長・鍼灸師 http://www.hiza2.com/
イラスト/つぼゆり
※女性セブン2021年3月11日号
https://josei7.com/
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