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65才以上女性600人調査「やっておけばよかったこと」1位は運動習慣 7割が健康面で後悔

 会社の定年に年金受給の開始、そして新型コロナワクチンの優先接種──現代の日本において、「65才」は1つのターニングポイントになっている。人生100年時代といわれて久しいいま、65才はまだ折り返し地点を過ぎたばかり。残された時間はまだたっぷりあるうえ、見た目も心も若々しく健康な「アクティブシニア」が増えたからこそ、「あのときこうしていれば、いまの生活がもっと楽しく、彩り豊かになったかもしれない」と頭を抱える人も多い。

 リタイア世代の相談に乗るファイナンシャルプランナーの深野康彦さんにもそうした悩みが多数寄せられている。

「人生は農業と似ていて、若い頃に植えて育てた野菜や果物を、老後に収穫して暮らします。老後が始まる65才までにプランを立てておかないと“収穫物”が足りるのかわからず行動できない。“もっとこうしておけばよかった”という後悔が募ります」(深野さん)

 そこで女性セブンは65才以上の女性600人を対象に「65才になるまでにやっておけばよかったこと」をたずねるアンケートを実施した。設問の選択肢で最も後悔しているものを1つずつ選び、理由とともに回答してもらった。今回は「健康面」に焦点を当ててご紹介。先人たちの嘆きを“他山の石”として、よりよい未来を描いてほしい。

【健康面】65才までにやっておけばよかったことアンケート結果

・定期的にスポーツをする習慣…61
・定期的に歩く習慣…46
・歯磨きや歯の手入れ…41
・間食を控える…36
・歯の定期健診…32
・肌の手入れ…32
・かかりつけ医を見つける…27
・脳を鍛えてボケを防止する…25
・髪・頭皮の手入れ…18
・定期的な健康診断…16
・不調を見つけたときに、早めの治療を開始する…14
・目の定期健診…14
・早寝早起きの習慣をつける…13
・バランスの取れた食事をする…11
・禁酒・禁煙…10
・極力体にいいものを食べ、体に悪いものは食べない…9
・美容整形・永久脱毛…7
・耳の定期健診…4

Q.健康面での後悔はありますか?

■ある…74.1%
■ない…25.9%

65才以上の女性600人が回答。

※アンケートの結果は1人以下の項目を割愛。2人以上回答があった項目を掲載した。

「運動習慣をつけておけばよかった」

<定期健診で内臓脂肪が多いのは、長年にわたって積み重なった運動不足が原因だと思う>(71才)、<スポーツが嫌いだったので、まったくしなかったが、少しでもしていればコレステロール値がここまで高くなることはなかったのではないか>(66才)。

 こんな嘆きとともに最も多くの女性が「やっておけばよかったこと」として挙げたのは「定期的にスポーツをする習慣をつける」ことだった。

<年をとってもテニスを颯爽とやっている人を見るとうらやましい>(79才)と、同年代の人との“差”へのため息も聞こえてくる。

 激しいスポーツは難しいとしても、<足の衰え、弱さを危惧している>(71才)という声をはじめとした、“定期的に歩く習慣”をつけなかった後悔を挙げる女性も多かった。

健康長寿は自分の足で歩けるかどうかにかかっている

『新しい「足」のトリセツ』などの著書がある足の専門医・久道勝也さんは「65才から長く健康に生きられるかどうかは、いつまで自分の足で歩くことができるかにかかっている」と断言する。

「人生には老年期に入って亡くなるまでに、歩行・排泄・食事という3つの“下りステップ”があり、一度下ってしまえばふたたび上ることは極めて困難です。最も重要なのが最初のステップである歩行。これさえ維持できていれば、下り階段を下りることそのものを遅らせることができます。そのうえ、自分の思い通りに動けない状態は介護する方も大変ですが、本人がいちばんつらい。歩行機能は精神面にも大きな影響を与えるのです」(久道さん)

 とはいえ、家事や仕事が忙しいうえコロナ禍で外出しづらいいま、歩く習慣をイチから身につけるのは難易度が高い。糖尿病専門医の牧田善二さんは、自宅でも簡単に取り入れられる方法を提案する。

「特に女性は、ウオーキングをするためのちょっとした外出であっても、髪形を整えたりメイクをしたりと身支度に時間がかかるため、おっくうになりやすい。家の中で10分間など時間を決めて足踏みしたり、踏み台を置いてステップ運動を行うことでもまずは充分。とにかく、習慣づけることが重要です。なるべく食後すぐに実行すれば、血糖値の上昇も防げるため、肥満防止にも効果的です」(牧田さん)

「歯の手入れをしておくべきだった」

“足”と並んで多くの人が「やっておくべきだった」と頭を抱えたのは「歯磨きや歯の手入れ」や「歯の定期健診を受ける」こと。

<歯科医で定期健診を受けていれば残存歯がもっとあったと思う>(66才)、<差し歯にしたら昔のようにおいしいものをおいしいと感じられなくなった>(67才)といった、歯の衰えに伴うQOLの低下を嘆く声が目立った。

 医療法人社団進興会理事長で医師の森山紀之さん(74才)もその1人だ。

「若い頃に『硬いものを食べた方が歯は鍛えられる』『きちんと磨かなくてもすすぐだけで汚れは落ちる』といった、間違った知識が流布され、きちんとケアをする習慣がつかないまま年を重ねてしまった人も多い。ところが現在は、口腔内の疾患と肺炎や糖尿病リスクとの関連性が明らかになり、手術前に歯の治療をすると、術後の合併症が7割減るというデータも見つかっている。口腔内のケアが全身の健康につながることが明らかになっているのです」(森山さん)

「間食を控えておけばよかった」

 食生活の乱れを後悔する人も多かった。

<体重オーバーなのに間食がやめられない>(69才)と、65才を過ぎてから食生活を変える難しさを嘆かずにすむよう、早めに改善しておきたい。

「健康に関する後悔や悩みは人それぞれですが、野菜・きのこ・海藻・豆類の4つをはじめとした植物性の食品を中心に食べていれば、健康は担保されます。並行して60才を超えると基礎代謝が落ちてますます太りやすくなるため、パンやご飯を少し減らし、間食には糖質の少ないナッツ類を取り入れるなど、軽い糖質制限も心がけると、なおいいでしょう」(牧田さん)

しっかりと定期健診を受ける、情報収集することが大切

 足や歯と比較すれば絶対数は少ないものの、<早めに診てもらえばこんなにたくさん手術をしなくてすんだ>(67才)など、強く後悔している人が多かったのは「定期検診」と「早期治療」に関する項目だ。大病をして後悔しないためには、しっかりと検診を受けることも大切だ。

「30才になったら乳がん検診を、40才以降は年に1回定期検診を受けましょう。たとえ1度受けて大丈夫だったとしても継続することが大切です。数年空いてしまい、がんが進行した状態で見つかるケースは枚挙にいとまがありません。セルフチェックも重要です。雑誌の乳がん特集を読んでしこりを見つけ、来院した人もいる。怪しい情報に惑わされず、国立がん研究センターや厚労省などの信頼できる機関が運営するホームページなどを通じて正しい情報を集めることも心がけてほしい」(森山さん)

『70歳のたしなみ』の著者で、精力的に活動する昭和女子大学理事長の坂東眞理子さん(74才)も、健康づくりにおいて大切なのは「情報収集」だと声をそろえる。

「お酒を控えるとか筋肉をつけるとか、どうすれば健康でいられるか、自分なりに情報を集めて勉強し、実行する習慣をつけることが大切です。自ら方法を知ろうとしなければ先に進むことはできず、後悔したまま過ごすことになります。私が健康づくりを意識し始めたのは50才を過ぎてから。通勤時に少し歩く距離を延ばすことから始め、いまではジムもサイクリングも経験ずみ。好奇心を持って情報を集めることはいくつになってもできること。自分に合った健康づくりの方法を探してみてください」(坂東さん)

※女性セブン2021年4月15日号

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この記事へのみんなのコメント

  • spd

    ほんと、その通りだと思います‼︎ ただ、若い時には気付かず年齢(年の功・笑)を経て溜飲が下がる思いはあると思います。 いつからでも、どこからでも、やる気を維持したいもんです!

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