血管を元気によみがえらせる最強のレシピ5選|血管のつまりを解消する『プラントベース』の食事
心臓病は、日本国内で年間約20万人が命を奪われ、死亡原因1位のがんに次ぐ死因となっている。心臓病をはじめ、高血圧や動脈硬化、狭心症、心筋梗塞など血管の不調が引き金になる病は数多い。
そこで、『血管をよみがえらせる食事』(ユサブル刊)の翻訳と日本語版の監修を担当した日本ナチュラル・ハジーン普及協会会長の松田麻美子さんが、「血管のつまりを消す」おすすめレシピ5品を厳選。分量等の表記は同書から一部アレンジしてくれました。材料は極力、添加物無使用のものを選ぶほか、オーガニック食材が好ましいが、予算に合わせて選んでみて。おいしい食事で元気な血管を取り戻しましょう!
血管のつまりを解消する食事『プラントベース』とは?
まずは、「血管のつまりを消す食事方法」とはどんなものだろうか。松田さんが翻訳をした、『血管をよみがえらせる食事』の著者であるアメリカの著名な医学博士・エセルスティンさんが提唱する「プラントベースのホールフード」に注目したい。
「プラントベースのホールフードとは、『植物性の未精製食品』のこと。野菜や果物、穀物、豆類、木の実などを精製加工せず丸ごと食べることが特徴です」(松田さん・以下同)
→血管をよみがえらせる食事「プラントベースのホールフード」とは?クリントン元大統領も実践|医師が解説
エセルスティンさんの研究では、「顔と母親があるもの」「乳製品」「油」「精製穀物」「ナッツ類」は避けるべきだと記されている。「顔と母親があるもの」とは牛、豚などすべての肉類や、すべての魚、卵などが含まれる。「精製穀物」とは、白米、白いパン、白いパスタなど、いわゆる「白い炭水化物」を指す。
食べてはいけない食品が多いと、たんぱく質やカルシウム、鉄などが充分摂取できるのか不安になるが、プラントベースの食事で栄養不足になった人はいないという。
食べることが許されている食材だけで作った料理を満足するまで食べれば、1日に必要な栄養素はしっかり補給できる。ただし、ビタミンB12はサプリメントで補う。なお、食べてもいいとされる食品は、アボカドを除く野菜全般、豆類、全粒穀物、果物(現在心臓病の人は1日3個まで)など。糖が多く食物繊維ゼロの果汁100%ジュースや牛乳はNGだが、ノンファットの豆乳、多少のコーヒーやアルコールは構わない。
次から紹介するのは、日本人でもおいしく食べやすいプラントベースのレシピ。避けるべき食材をまったく使わなくても、バラエティー豊かな食事が楽しめることがわかるはず。まずは3週間、プラントベースの食事をしてみてください。きっと、体の変化を感じられるはずですよ。
山かけ納豆そばサラダ
<作り方>1人分
【1】十割そば100gをゆでて流水で洗い、しっかり水切りする。
【2】皮をむいてすりおろした山いも200~240g、(*1)そばつゆ60~80ml、納豆1パック(添付のたれは使わない)、小口切りにした万能ねぎ2~3本分、小口切りにしたオクラ2~3本分、わさび少量を混ぜ合わせる。
【3】ひと口大にちぎったサラダ野菜(レタス類やサラダ菜、水菜など)3~4つかみを大皿に敷きつめ、その上に【1】、根元をとり3~4cmに切ったえのきたけ1/3~1/2袋分(*2好みでゆでておく)、湯で戻して水洗いし3cmに切った乾燥ひじき5g、薄くスライスしたきゅうり1/2本分を飾る。
【4】【3】に【2】をかけ、せん切りした乾燥のり1/2~1枚分を散らす。血圧の高い人はそばつゆの量を加減すること。
(*1)そばつゆの作り方
【1】鍋で減塩しょうゆ100mlと本みりん60~70mlを煮立たせて「返し」を作り、ふたつきのびんに入れて冷蔵庫で3日間寝かせる。
【2】【1】を、昆布3~5cm角(5g)と干ししいたけ1個と、水400ml(2カップ)をふたつきびんに入れ、冷蔵庫に一晩置いて作っただしと合わせて煮立たせる。
(*2)きのこ類には発がん性物質が含まれているため加熱するよう推奨されていたが、冷蔵保存や乾燥させることで無毒化することが近年明らかになった。
うずら豆のサラダ・レタス巻き
<作り方>4人分
【1】汁気を切って水洗いしたうずら豆の水煮缶1缶(425g)をボウルに入れ、やや固まりが残る程度にフォークでつぶす。
【2】【1】に、せん切りにしたにんじん1/2本分(60~70g)、みじん切りにしたセロリ1/2本分(60~70g)、小口切りにした万能ねぎの緑色の部分3本分、(*3)フムス(タヒニ抜き)大さじ2~3、粗びきマスタード大さじ1、減塩しょうゆ小さじ1/2、黒こしょう小さじ1/4を加えてあえる。
【3】皿に、ロメインレタス3~4枚を敷き、4等分した【2】をのせる。さらに、8分にくし切りしたトマト1分の2切れをのせて、ロメインレタスで包んでいただく。残りの3人分も同様に盛りつける。
(*3)「フムス」とは、ひよこ豆の水煮缶1缶(425g)、にんにく2片、レモン(無農薬)の皮1個分、レモン汁(大さじ2~3)、ベジタブルストック(ベジタブルブイヨンと水を合わせたもの。野菜のゆで汁でもよい)か水大さじ4、減塩しょうゆ小さじ1などを合わせてフードプロセッサー、またはハイパワーブレンダーでペースト状にした中東の料理。脂肪分の多い「タヒニ(練りごま)」が入っている市販品は使わない。
かんたん・ホクホク栗かぼちゃ
<作り方>2人分
【1】多層鍋(*4厚めの鍋でも可)を中火にかけて空だきし、少量の水を垂らして玉になって広がるまで熱する。
【2】【1】の火をごく弱火にし、4~5cm角に切ったかぼちゃ1/2個分を、皮を下にして【1】の鍋に並べる。かぼちゃは重なってもよい。
【3】【2】にふたをして、かぼちゃがやわらかくなるまで、25~30分蒸し焼きする。
(*4)ホウロウや厚手のステンレス製の鍋を使う場合は【1】は不要で、かぼちゃを並べたら、水大さじ2~3を加えてふたをし、ごく弱火でやわらかくなるまで加熱する。
そば粉とフラックスシードの安倍川もち
<作り方>2人分
【1】そば粉110gとすりつぶした生フラックスシード(亜麻の種。亜麻仁)大さじ4、水200ml(1カップ)をミキサーにかけてなめらかにする。
【2】鍋に、【1】を入れて強火にかけ、煮立つまでしゃもじで手早くかき混ぜる。粘りが出てきたら、力を入れてさらに全体がひとかたまりになるまで混ぜ続ける。
【3】濡れタオルの上に【2】の鍋を置き、きめが細かくなるまでさらに混ぜる。
【4】しゃもじを水に濡らして【3】を適当な量に等分し、すべてをメープルシロップ大さじ3~4に浸してから、きな粉80~100gをまぶす。
きのこ3種ともち麦のスープ
<作り方>5~6人分
【1】乾燥ポルチーニだけ(干ししいたけも可)約15gはさっと洗ってひたひたのぬるま湯で戻して細かく刻む。戻し汁はペーパータオルを敷いたざるでこし、汚れを除く。
【2】鍋に、粗みじん切りにした玉ねぎ1/2個分、大さじ1の(*5)ベジタブルストックか水(あらかじめ1440ml〈7 1/5カップ〉を用意しておく)を加えて炒めた後、小さく角切りにしたにんじん1/2本分、細く刻んだセロリ1/2本分、【1】のポルチーニだけ、薄切りにした(*6)マッシュルーム170g(約15~20個)、軸を取り除いてせん切りにしたしいたけ(大)3個を加え、きのこ類がやわらかくなるまで、さらに炒め煮する。
【3】【2】に、残りのベジタブルストック、もち麦200g、ベイリーフ(ローリエ)1/2枚、①の戻し汁を加える。煮立ったら弱火にし、ふたをして1時間ほど煮込む。必要なら、さらにベジタブルストックか水を足す。
【4】【3】に、バルサミコ酢大さじ2と粗びき黒こしょう適量を入れて、味を調える。
【5】【4】をスープ皿に盛り、食べる直前に粗みじん切りにしたパセリ適量とサラダほうれん草適量をのせる。残りの4~5人分も同様に盛りつける。
(*5)野菜のゆで汁のほか、昆布や干ししいたけの戻し汁などでもよい。
(*6)マッシュルームやしいたけは、まいたけやしめじ1パックでも可。計100gほどが適量。
教えてくれた人
松田麻美子さん/『血管をよみがえらせる食事』(ユサブル刊)の翻訳と日本語版の監修を担当。日本ナチュラル・ハイジーン普及協会会長。
※料理の写真はレシピをもとに編集部で再現。
写真/佐々木めぐみ
※女性セブン2021年3月18日号
https://josei7.com/
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