兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし~「第53回 妹、閉め出される」
若年性認知症を患う兄とライター業の妹・ツガエマナミコさんは2人暮らし。兄の病気を理解し、日々の生活をサポートするツガエさんだが、思いもかけないトラブルは襲ってくる…。今回は、家に入れなくなってしまう~という事態に陥った話。
「明るく、時にシュールに」、でも前向きに認知症を考えます。

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「開けておくれ~」
我がマンションはオートロックでございます。外部の方は部屋番号を押して住民に自動ドアを解除してもらうというアレです。先日、買い物から帰ってきたとき鍵がない事に気づきました。家に忘れてきたのです。
「やばい、入れないかもしれない」と思いました。
そうです。兄はオートロックの解除をほとんどしたことがないのでございます。認知症が分かっていない頃の前マンションでは何度かありましたが、今のマンションに引っ越してからはピンポンが鳴ってもインターホンに出ることすらしていません。
その日は管理人さんもお休みの日。「ほかの住民の方が出入りするまで待つ」という選択肢もありましたが、誰も来そう