自粛生活で膀胱炎や便秘が悪化…がんや脳卒中など重病招く前に解消を
50代以上の4人に1人は排泄トラブル経験者といわれるが、慣れない自粛生活によるストレスや運動不足などで、膀胱炎や便秘、さらに尿モレや頻尿が悪化した人も増えている。「命にかかわる病気ではない」と思いきや、便秘で脳卒中の死亡リスクが2倍になり、がんとの関連も注目されている。放置して手遅れにならないように予防&改善策が必要だ。
骨盤内の血行不良で排尿トラブルが
長きにわたった緊急事態宣言は、私たちの体にも大きな影響を与えた。尿モレ、頻尿、膀胱炎などの症状が、自粛生活で悪化した人が増えている。まず排尿については、ある女性作家が「自粛生活で膀胱炎になって血尿が出たが、コロナが怖くて病院に行けない」とSNSにアップし、悩みを打ち明けて話題を呼んだ。
「これは、長時間座り続けたことで骨盤内に血行障害が起こったこと。そして、自粛生活で食べすぎたことによりお腹回りに脂肪がついて膀胱への圧が増し、尿モレ症状が悪化。さらに尿道や肛門回りの環境も劣化し、膀胱炎のリスク要因が増したことによるものではないか」と、日本大学医学部附属板橋病院泌尿器科教授の高橋(※)悟さんは推察する。(※高は、はしごだか)
自粛生活による弊害で、膀胱炎に悩み、尿モレが悪化した人は、増えた可能性が高い。
「男性と女性は骨盤内の構造が異なり、女性は男性より尿道が短いため、ストレスで免疫力が低下すると膀胱炎になりやすいのです」(髙橋さん)
便秘はがん、脳卒中、認知症との関連も
一方、便はどうだろう。
「自粛生活による運動不足や生活の乱れで、女性の間では便秘と痔が増えたのが特徴です」と、鳥居内科クリニック(東京・世田谷)院長の鳥居明さんは話す。
女性は便秘を軽く捉えがちだが、最新の研究では大腸がんやうつ病、パーキンソン病や認知症が便秘の原因になるほか、便秘により脳卒中リスクも高まることが判明。高齢になるほど有訴率は高まり(グラフ参照)、便秘が死に直結する場合もある。
だからこそ、自粛生活で悪化した便秘は早めに解消することがより大切になるのだ。
教えてくれた人
高橋悟さん/板橋病院泌尿器科部長。日本大学医学部泌尿器科学系主任教授、医学博士。日本泌尿器科学会常任理事・専門医・指導医。
鳥居明さん/鳥居内科クリニック院長。東京慈恵会医科大学助教授などを経て現職。現在、東京都医師会理事。日本消化器病学会専門医。
※女性セブン2020年6月18日号
https://josei7.com/
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