誤嚥・嚥下障害の原因とリスク チェックリストと自宅でできる誤嚥予防体操【動画】
首や喉の周りの筋力が弱ると誤嚥など嚥下障害のほか、声が出にくくなることも…。そこで、家で簡単にできるおすすめのトレーニングを4つ教えてもらった。
1.裏声発生を5秒で喉筋強化
裏声(高音)の発声を5秒程度出す。
→喉を上げる筋肉を鍛えられる。
2.ティッシュ吹きリハビリ
細長く切ったティッシュをゆっくりと、できるだけ長く吹く。
→食物が鼻へ逆流しやすい人は喉の奥の筋肉の強化につながる。
3.舌の先を上唇に付ける
舌の先を上唇につけて5~10秒数える。
→顎の下の筋力強化につながり、誤嚥予防にも。
4.タ・ダ・ナ・ラ発声法
タ行、ダ行、ナ行、ラ行の音を10回ずつ発声する。
→「タダナラ」の発生で、喉の奥が開くため、口の中に物が溜まりやすい人に効果的。
「喉のリハビリや首のストレッチをすることで、声の出しやすさにつながるだけでなく、飲み込みづらさ(嚥下機能)の改善も期待できます。
こういった簡単なリハビリを続けると声帯がしっかりと閉まるようにり、力が入りやすくなって咳払いもしっかりできるようになり、誤嚥を防ぐことができます。
また、高音(裏声)発声を行うことで、喉が上がるので飲み込みに使う筋力を鍛えるのにも効果的です」
日常生活で誤嚥を防ぐための対策3選
加齢に伴う口や喉の周りの筋力低下については、上記で紹介した体操やトレーニングの中から、できそうなものを4週間続けることで改善が期待できるという。
さらに、日常生活では、下記に注意してほしいと西さん。
●誤嚥が起きやすくなる3つのNG!
・テレビや新聞を見ながらの食事
・入れ歯が合っていない
・むせたらすぐに水で流し込む
●誤嚥対策に…生活の見直しポイント3
1.環境や道具を見直す
「注意力や判断力の低下から、テレビを見ながらの食事の際に誤嚥することもあります。集中できる環境で食事を行うことができるよう、環境を整えていくことも大切かと思います。
また、義歯が合っていないとしっかり咀嚼できないので調整しましょう」
2.食事の形状を見直す
「水だけでむせてしまう人は、食事にとろみを弱く付けてみてください。食事を細かく刻んだりペースト状にしたりする方法もあるでしょう」
3.むせたら水を飲むよりまずは咳払い!
「飲み込む前と後で、声が変わっていたら食べ物が残っていると考えて、まずは咳払いをして食べ物のつまりを取ります。
むせてしまったとき、いきなり飲み物を飲むと余計にむせてしまうことがあります。
まずは、咳払いをして食べ物を出すか、唾を飲み込んで、声が食前と同じであれば再度食べ出すようにしてみましょう」
嚥下リハビリのDVD版も無料で!
嚥下リハビリの動画を制作・協力いただいたリハビリ施設『動きのコツ研究所リハビリセンター』では、コロナによるデイサービス閉鎖などにより、リハビリを受けられなくなってしまった人に向け、さまざまなリハビリ動画の無料提供。
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教えてくれた人
理学療法士・西秀和さん
理学療法士として、嚥下障害をはじめ、脳梗塞を抱える多くの患者さんに寄り添い、リハビリを指導。兵庫・神戸の介護施設、楓庵訪問看護・リハビリステーションhttp://www.kaedean.com/about/に所属。リハビリ施設『動きのコツ研究所リハビリセンター』と協力し、リハビリ動画の無料提供サービスなどにも参加している。
制作・協力
理学療法士・生野達也さん
動きのコツ研究所リハビリセンター所属https://ugoki-no-kotsu.com/。患者さんの悩みに合わせたオーダーメイドのリハビリを提供。脳梗塞による麻痺など多くのリハビリを動画でも発信している。