遺伝子タイプがわかるチェックリスト|その疲れやすさは遺伝子のせいかも…
長い自粛生活によるストレスで、うつや不安障害などを発症する人も多い。アメリカのカイザー財団は、成人の45%が新型コロナウイルスの流行によって精神的な影響を受けたと報告。日本うつ病学会は、心の健康を維持するコツをホームページで公開している。
一方で、「この機会に家の模様替えをしてスッキリできた」「毎日3食家族で団らんできて幸せ」と、ストレスをものともせず、自粛生活を前向きに楽しんでいる人も多い。
うつになりやすい人とそうでない人の違いの1つは「遺伝子」。『自分の遺伝子がわかる本』(アスコム)の著者で、3000人以上の遺伝子を調べてカウンセリングを行ってきた遺伝子カウンセラーの植前和之さんが話す。
「調査を続けてきて、遺伝子と性格・体質に統計的な傾向があることがわかりました。すべての遺伝子情報を正確に調べるには唾液などを採取して検査する必要がありますが、チェックリストに答えるだけでも、約7割の確率で遺伝子の傾向を知ることができます」(植前さん・以下同)
まずはチェックシートで診断して、本文の解説を参考にして。
あなたの遺伝子タイプは?チェックリスト
■器用? 不器用?
□ 子供の頃から、「人より上手にできること」が少ない
□ 集中力がない方だと思う
□ 好きな分野でも人より上手にはできない方だ
□ 細かいことは気にならない
□ 失敗を引きずらない方だ
●1つも当てはまらない…「器用遺伝子」の持ち主
脳の神経の数が多く、子供の頃からなんでも人よりうまくこなせる。
●1~2つ当てはまる…「バランス遺伝子」の持ち主
集中しているときはうまくいくが、そうでないときは失敗しがち。
●3つ以上当てはまる…「不器用遺伝子」の持ち主
人より苦手なことが多い。その分打たれ強い。
疲れやすさも遺伝子?チェックリスト
■疲れやすい?
□「疲れた」と感じることはほとんどない
□ 睡眠時間が短い日も元気だ
□ 疲れていても少し休んだら回復する
□ 運動しても血圧が上がりにくい
□ どちらかというとのんびりしている方だ
●1つも当てはまらない…「ぐったり遺伝子」の持ち主
活動するためにエネルギーを一気に使い果たすので、すぐに疲れてしまう。
●1~4つ当てはまる…「お疲れ気味遺伝子」の持ち主
ぐったり遺伝子ほどではないが、エネルギーを使うとすぐには回復できない。
●5つとも当てはまる…「タフネス遺伝子」の持ち主
活動とエネルギーの生産を同時にできるタイプ。
日本人の7割が「器用遺伝子」を持つが…
「器用遺伝子」を持つ人は日本人の約7割、「バランス遺伝子」の持ち主は約2割、「不器用遺伝子」は約1割だという。
「“器用遺伝子”を持つ人は、神経の本数が多い傾向があり、大抵のことは難なくできるタイプです。半面、“不器用遺伝子”を持っていると、何をやっても最初は思うようにいきません。しかし、“失敗からのスタートが当然”と考えるので、どんなことも繰り返しチャレンジする、打たれ強い人だといえるでしょう」
●器用遺伝子を持つ人はストレスに敏感
日本人の7割が「器用遺伝子」を持っているということは、われわれの多くが“優秀”なのかと思うかもしれないが、一概にはいえない。
「なんでもできるので、なぜ失敗するのかがわからず、他人や自分の失敗に対して過剰にイライラするという特徴があります。失敗体験が少ないので打たれ弱く、ストレスを感じたときにうつになりやすいといえるでしょう」
日本人は世界的にうつ病の発症率が高いという。国民の7割が「ストレスに敏感」だと考えればうなずける。
●バランス遺伝子を持つ人は成功も失敗も両方経験している
「バランス遺伝子」は、器用と不器用の中間の性質に位置する。集中していれば成功することが多いが、集中力が切れるとうまくいかなくなる。
「成功体験を持ちつつも、“うまくいかないこともあるさ”と考えられるだけの失敗も経験しているので、最もバランスがいいタイプ」
日本人の9割が疲れやすい遺伝子を持っている
「器用遺伝子」の持ち主が多い日本人は“ストレスに弱い種族”ともいえる。さらに、植前さんによれば、日本人は“疲れやすい種族”でもある。
「疲れ知らずの“タフネス遺伝子”を持っているのは、日本人のわずか9%。約9割の人が、充分な休息がないと力を発揮できない“ぐったり遺伝子”か“お疲れ気味遺伝子”の持ち主です」
「お疲れ気味遺伝子」「ぐったり遺伝子」を持っている人は、細胞内でエネルギーを作り出すミトコンドリアの能力が生まれつき低いため、すぐにエネルギー切れになる。
「最も疲れやすい“ぐったり遺伝子”は、エネルギーを供給する際に血管を強く収縮させるので、高血圧になりがち。塩分は控え、できるだけミトコンドリアや血管が正常に働くように、睡眠時間を6~8時間以上取るようにしましょう。食事量を極端に減らすようなダイエットは、エネルギーを減らすのでご法度です」
教えてくれた人
植前和之さん/遺伝子カウンセラー。3000人以上の遺伝子を調べてカウンセリングを行ってきた著書に『自分の遺伝子がわかる本』(アスコム)がある
※女性セブン2020年5月21日・28日号
https://josei7.com/