酢の健康パワー1日大さじ1杯で効果絶大!疲労回復、高血圧・メタボ予防
お酢は体にいいことはなんとなく知っている、けれど、どんな効果があるのかはよくわからないという人も多いのでは。そこで、そのすごい健康パワーを専門家の先生が解説。効果的な摂り方やベストなタイミングなど詳しく教えます。
1日わずか1杯でも体に良い変化が起こるという酢の力。家ごもりで太りがちな体を、酢生活でスッキリ&ヘルシーに!
1日1杯で脂肪や血圧が下がった!酢の絶大なる効果
「酢が体にいいことは、科学的にも認められています。とくに、内臓脂肪の減少、高血圧の改善、血糖値の上昇を緩やかにする。この3つの効果は、データ(ミツカンの研究による)でも明らかです」
と、医学博士・管理栄養士の本多京子さん。
1杯の酢を毎日摂った場合、12週後には内臓脂肪が減り、お腹回りのサイズやBMIが減少。これは酢の酢酸が肝臓で代謝されるとき、脂質の燃焼を促進するからと考えられる。同様に、血圧がやや高めの人も数値が低下した。また、食事と一緒に酢を摂ることで、食後の血糖値の上昇が抑えられることもわかった。ほかにも、酢の成分、酢酸が糖分と結びつくことでグリコーゲンが補充されやすくなり、疲労回復にもつながるといわれている。ただし、これらはあくまでも酢を「毎日」、そして「大さじ一杯」摂取することが条件だ。さらに、
「酢を摂るタイミングも大切です。胃や食道の粘膜を荒らしてしまうため、空腹時の摂取はNG。食後の血糖値上昇を抑える意味でも、食事の際、料理やドリンクと一緒に摂るのが最適です。小鉢に酢の物という昔ながらの食習慣も、実はとても理にかなっているんです」(本多さん・以下同)
とはいえ、毎日料理に酢を使うのは難しいという声も。
「そこでおすすめなのが自家製調味酢です。昆布を酢に浸けた昆布酢や果物を入れた酢など、アレンジしやすく、飽きずに続けられますよ」
酢の種類には、米酢、穀物酢、黒酢、リンゴ酢などあるが、健康効果はどれも同じ。自分好みの酢を使って、おいしく続けられる酢習慣を!
だから摂り続けたい酢のココがすごい!
料理にすごい!
●お肉をやわらかく
たんぱく質を分解する働きで、肉を煮込むとやわらかに。骨付き肉は身離れしやすくなる。
●脂っこさが抜けてさっぱり
脂っこさは油分子が結びつくことで感じる。酢が油の分子同士を分離させてくれるので、さっぱり味に。
●味が締まっておいしく減塩
酢を加えると塩味は実際の量より強く感じられる。減塩しても味がぼやけることなくおいしくいただける。
健康にすごい!
●生活習慣病を予防
酢酸が脂質の燃焼を促進し、内臓脂肪の減少、高血圧の改善、血糖値上昇を緩やかに。毎日摂取が条件。
●疲れをすばやく回復
酢酸は糖分を効率よくエネルギー源に変えてくれる。疲れたら糖分とともに酢ドリンクを摂ると回復が早い。
●カルシウムを補う
骨付き肉やあさりなど殻付きの貝を酢とともに煮るとカルシウムが多く溶け出し、骨粗しょう症予防に。
教えてくれた人
本多京子さん/医学博士・管理栄養士。メディアを通じて健康や栄養に関する情報を発信。スポーツ選手への栄養指導も。『カラダ喜ぶ春ベジらいふ』(NHK出版)の講師など。
撮影/市瀬真以 イラスト/長谷直美
※女性セブン2020年4月30日号
https://josei7.com/