がんの「代替医療」賛否両論あるがそのメリットと問題点
昨年、がんの治療法として報道され賛否の議論を巻き起こした“代替医療”。手術や抗がん剤などの標準治療とは異なり、保険適用外で1回数十万円の免疫療法や温熱療法などが大きく取り上げられているが、本来は標準治療をサポートする目的で受けるもの。基本的には、健康食品、サプリメント、針灸やマッサージ、食事や運動指導や精神的なコンサルティングなどをいう。
副作用を緩和するなど治療の手助けが目的
サプリメントや漢方、未認可の医薬品を専門に診療している銀座東京クリニックの院長・福田一典さんは、代替医療の存在意義をこう話す。
「一般的ながん治療である西洋医学は患者本来の治癒力や回復力、心理面までケアできておらず、患者さんによっては『副作用が苦しいから抗がん剤をやめたい』と訴える人もいます。
代替医療は、副作用を緩和するなど治療の手助けを目的としているんです」(「」内、以下同)
海外を見ると、米国・ハーバード大学の研究では、針灸には抗がん剤の吐き気を緩和する効果があると発表されたり、米国内には代替医療専門の診療科が設置されている病院もある。
代替医療の有効性の有無 議論の必要が
「日本で代替医療といえば、保険適用されている漢方が使われる程度。だから患者さんが自分で調べて、効果のない高額なサプリメントを買ってしまうなど問題視されることになってしまう。代替医療でも有効性のあるものとないものを日本でも議論していくことが求められます」
銀座東京クリニックでは初診が1万円、再診は2000円。食事や運動療法の相談は診察料に含まれているが、サプリメントや漢方を使用すると月3万円程度はかかるという。
「基本的には現在受けている標準治療を優先し、漢方やサプリメントを使って副作用を緩和します。治療が終わり再発予防に来院する人や、治療法がないといわれた人も診療しています」
注意しなければいけないのは、効果がないばかりか悪影響を与えるものもあるということ。見極めは難しいが、自分で判断せず、まずは担当医師に相談することが大切だ。
※女性セブン2018年2月15日号
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