兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第34回 兄、盗聴疑惑】
会社勤めを辞めた後、ほぼまる1日家で過ごす兄は若年性認知症を患っている。兄と2人暮らしをするライターのツガエマナミコさんが綴る日々のこと。
自宅での仕事も多いツガエさんだが、現在ちょっと気になることがあるという。きょうだいとはいえ、一つ屋根の下に暮らすと色々あるようで…。
「明るく、時にシュールに」、でも前向きに認知症を考えます。

まるでサスペンス!? 扉の向こうで兄が…
扉を開けたら誰かが不自然にそこにいたという経験はございませんか?
最近ときどき、扉を開けるとすぐ兄がいるというシーンがありゾッとしております。兄は「いや、ただの通りかかり」と言わんばかりに平静を装うのでございますが、妹の勘は兄の盗聴行為を確信しております。わたくしが疑いのまなざしを向けると、すかさずテレビに夢中のふり。そのわざとらしいコント張りの態度こそ確信犯の証拠ではございませんか!
そう、わたくしの部屋は、兄の大好きなテレビのあるリビングとふすま一枚隔てた小部屋でございます。窓がなく、エアコンもない、解放感ゼロの密室。でもその5畳ほどしかないスペースにベッド、パソコンラック、電話台、デスク、本棚代わりのカラーボックスなどがギューギューにひしめき合っておりまして、手を伸ばせばなんでも取れるコンビニエンスなところがたいへん気に入っております。