兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第33回 兄が同窓会に行きました その2】
妹でライターのツガエマナミコさんと2人暮らしをする兄は、数年前から若年性認知症を患い、会社を退職。今は、病院とハローワークに通う以外は、ほぼ毎日家にいる。
先日、久しぶりに友人から、大学時代のサークルの同窓会開催の連絡が入った。ツガエさんと2人で出席を決めたのだが…
「明るく、時にシュールに」、でも前向きに認知症を考えます。

同級生に病気を告白した日
ブルーのボタンダウンシャツとコットンセーターとチノパンというのが会社に勤めていた頃からの兄の定番ファッションでございます。それにジャケットまたはコートを着るのが冬の装い。病院もハローワークも毎回それで通しております。
同窓会の日も変わることなく定番をまとった兄がリビングをうろつきながら、「なんか上に着た方がいいかな?このままでいいか」と言うので、「この前病院に着て行った紺のジャケット、着た方がいいんじゃない?」と言うと、「紺?どれだろう。紺か…」と言いながらゴソゴソ部屋を物色し、ベージュ色のハーフコートを持ってきて「どれ?これ?」と言うので、“紺じゃないし…”と思いながら「それでいいと思うよ」とほほ笑んだわたくしでございます。
12月に上着なしで出かけようとする季節感のなさは、典型的な認知症症状でございまして、気候にあった服選びができなくなってきたな~と病状を察しました。