【初めての介護】Q&A お金の悩みにズバリ回答
「公的介護保険を利用し、1か月に支払った自己負担額が一定の上限を超えたとき、申請をすると『高額介護サービス費』として払い戻される制度があります。これは国の制度に基づいて各市町村が実施するもので、個人の所得や世帯の所得に対して上限が異なります」
高額介護サービス費の対象には老人ホームなどの居住費や食費、差額ベッド代、生活費などは含まれない。また、在宅で介護サービスを受けている場合の福祉用具の購入費や住宅改修費なども支給対象とならないので注意を。
「さらに1年間に介護保険と医療保険の支払いが高額となった場合の軽減措置も用意されています。これは、同じ医療保険の世帯内で、医療と介護の利用者負担額の合計が上限を超えた場合、申請すると超えた分が払い戻しされる『高額医療・高額介護合算療養費制度』です。
70才以上で住民税が課税されている世帯なら(上位所得者除く)限度額は56万円で、それを超えた金額は返金してもらえます。いずれも高齢者本人が申告するのは難しいので、手続きは家族が確認してから申告してください」
きょうだいで役割分担をしっかり話し合う
Q:家族で介護のことや費用も話すべき?
介護は精神的にも体力的にも負担がかかるため、家族の支えや連携が必要になる。
「親の介護できょうだいがいる場合は、深くかかわるきょうだいが“自分ばかり”と不満を抱かないよう、役割分担をしっかり話し合うことが大切です」
太田さんは、介護費用は親のお金でまかなうのが理想であり、預貯金や保険、年金など、親のお金事情もきょうだいで共有し、介護にどれくらいお金をかけるかも話し合うことが重要だと付け加える。
「もし、親が医療や介護の保険・共済に入っていたら、子としてはとても安心できます。こうした保障は若いときほど掛金が少なくてすむので、自分自身の将来の準備の1つとして考えてみてもよいのではないでしょうか」
※1 厚生労働省『介護保険事業状況報告(暫定)(平成28年9月)
※2 公益財団法人生命保険文化センタ『生命保険に関する全国実態調査』(平成27年度)
※女性セブン2017年11月30日・12月7日号
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