各種専門職のそろった介護付有料老人ホーム<前編>
常勤の理学療法士によると、「さあ、リハビリをやりますよ」と構えて行うよりも、日常生活を想定した方がうまくいくのだという。ベッドから立ち上がる、靴を履くなどのような動きを取り入れると、認知症がある場合にも取り組みやすくなるそうだ。これは自宅で介護をしている場合にも応用できる。
自宅で介護をしている人へのアドバイスを聞いたところ、「部屋にこもりっきりになりやすいので、声をかけたりして刺激を与えてあげること」が大切だという。日常から人とコミュニケーションを取ることは、認知症の進行を遅らせる効果もある。話を聞くことだけでも効果があるそうだ。
転倒などの危険を避けるためにある程度の生活制限することと、入居者本人がしたいこととのバランスをどこで取るのかは、非常に難しい問題だ。家族からは、万が一のことを心配して、「あまり無理をさせないでほしい」という希望が出やすい。理学療法士はその辺りの事情をうまく汲んで、効果的なリハビリを考える役割も担っている。
入居者の健康を守るための取り組みはこれだけではない。大手のスポーツクラブと提携し、健康状態に合わせた介護度進行予防運動を行っている。レクリエーションの種類も豊富で、近くのレストランに食事に行くなど楽しさを重視したものも多い。春は花見に出かけるなど、季節に合わせた行事も充実している。
「口腔ケアにも力を入れています。食べられなくなってしまうと、ADL(activities of daily living 日常生活動作)が落ちてしまいます。『食べる』『歩く』がなくなってくると、低下が如実になってしまいます。そのためにも口腔ケアを重視しています」
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次回後編では、施設内のさまざまな設備と、施設長の関さんに聞いた目指す介護施設像を紹介する。
【データ】
施設名:ネクサスコート練馬
公式WEBサイト:http://www.nexuscare.co.jp/nerima/
所在地:東京都練馬区高松3-1-18
最寄駅:都営大江戸線「練馬春日町」駅より徒歩16分
西武池袋線「富士見台」「中村橋」駅より徒歩17分
類型:介護付有料老人ホーム
運営主体:株式会社ネクサスケア
敷地面積:1214.97平方メートル
延床面積:2464.66平方メートル
室数:62室
入居要件:概ね65歳以上で、入居時要支援・要介護の方
構造:鉄筋コンクリート造 地上6階建
開設年月日:2007年3月1日
料金:
1.入居一時金0円プラン/入居一時金なしで月額利用料のみを支払う。月額利用料(家賃相当額、管理費、食費1日3食おやつ代を含む)は30万1080円
2.前払いプラン/入居一時金と月額利用料を支払う。入居一時金は1人部屋598万円、2人部屋1198万円。月額利用料(家賃相当額、管理費、食費1日3食おやつ代を含む)は1人部屋21万6880円、2人部屋332240円(1人で入居の場合)・38万4080円(2人で入居の場合)
3.年払いプラン/1年ごとに入居一時金を支払う。初年度~5年目99万6660円、6年目99万6700円、7年目以降なし。月額利用料(家賃相当額、管理費、食費1日3食おやつ代を含む)は21万6880円
撮影/津野貴生
【このシリーズのバックナンバー】
●睡眠と食、生活の継続性にこだわった介護付有料老人ホーム<前編>
●睡眠と食、生活の継続性にこだわった介護付有料老人ホーム<後編>
●地域に密着した「日常感覚」の介護付有料老人ホーム<前編>
●地域に密着した「日常感覚」の介護付有料老人ホーム<後編>
●「終の住処」を追求する介護付有料老人ホーム<前編>
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